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松戸日記

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記事一覧

火曜、松戸

喜多方ラーメン坂内の「和風冷やしラーメン」がおいしいことを誰かにおしえてあげるときがいちばんたのしい

火曜、神楽坂

「大丈夫」。鏡越しに、自分に言い聞かせる。自分で切った前髪を、ヘアアイロンで引っ張りながら。短くない、切りすぎてなどない、と。

月曜、北砂

飲食店を営んで生計を立ててきた父。わたしが子どものころから、美味しい飲食店を見つけることには、途轍もない才を発揮していた。

大通りを外れたところにある、のれんにも気づかず通りすぎてしまうような、小さなトンカツ店。

区内の団地の敷地内に隠れる、誰も期待しなさそうな店構えの定食店。

隣の隣の町にある、メニューに遊び心のあるハンバーグ店ーー「どうしたら、ここに辿り着くのか」と思わずにはいられない店

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日曜、松戸

わたしの書は、バランスに伸びしろ。iPad のアプリと Apple Pencil なら、範囲を選択して、タッチで移動させるだけで、辺とつくりの位置を簡単に調整できるのに、なんて、現代っ子のような感想を抱く。

土曜、松戸

自宅からスーパーまでの直線で、高齢の女性に話しかけられる。両耳のワイヤレスイヤホンを外す。女性が笑顔をみせる。「涼しそうね」。風をよく通して、ふわふわなびく。うすくてかるい、白いインド綿のワンピース。「涼しいです」。「1枚なの?」。「いいえ、いちおう、この下にもう1枚」。「そうよね」。2人で、ちょっとだけ笑う。なにごともない、昼下がり。夏の終わり。

月曜、霞が関

猫が膝の上に乗ってくるたびに「いらっしゃいませー」と言っている

日曜、松戸

セブンイレブン。プーさんの顔の形をした黄色いケーキはなくなって、かわりにプーさんの焼き印がついた今川焼きが並んでいた。プーさんは今川焼きひとつひとつのうえでちがうポーズをとっていて、たのしそうだった。

木曜、麹町

木曜、麹町

月刊書道競書雑誌が、自宅に届く。

初投稿なので、下から数えたほうが早い位置に名前。それでも、うれしい。執筆活動以外で名前が活字になることなんて、なかなかないから。

上達して丸をもらう日が、たのしみになる。

土曜、上野

土曜、上野

帰り道、立ち寄ったセブンイレブン。プーさんの顔の形をした、まん丸いケーキが並んでいた。

仙台で、同じような見た目のホールケーキを買ったことがあった。セブンイレブンのプーさん、6、7個分の大きさ。何軒かケーキ店を見てまわって、それが気に入った。

バイト先のラーメン店で知り合ったひとのお祝いだった。きんちゃん、きんちゃん、と慕ってくれる、1歳下の女性の、3月の誕生日。

主役の提案で、ラーメン店の

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金曜、松戸

金曜、松戸

そわそわしている。あす昼、上野で友だちと会うのが、たのしみすぎて

水曜、虎ノ門

水曜、虎ノ門

元気にしてるかな、とたまに思いを馳せる相手、2選

- 恵比寿のズーのコリデール(コリちゃん)
- 祖母

火曜、松戸

火曜、松戸

思い出すとたのしすぎた遠足の帰り道みたいな気分になる日、5選

- 下鴨神社の御手洗祭で小さいみたらし団子を食べた日
- 比叡山の頂上でカレーメシを食べた日
- 江ノ島でたくさん歩いて海岸線の夕陽を見た日
- 『君たちはどう生きるか』に圧倒されて、大した感想を喋れなかった日
- 串カツ田中でチンチロリンしてでかいハイボール飲んだ日

日曜、三ノ輪

日曜、三ノ輪

お盆。高3のときのバイト先でお世話になったひとの墓前で、はじめて手を合わせた

15歳も年上だったそのひとの、知り合った当時の年齢に、あと3年で追いつく。29歳のわたしから記憶の中の32歳にかけるべき言葉は、あまりない

手土産にする予定だったタバコを買えなかったことだけ詫び、石に刻まれた名字を数分、眺めた