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同じに聞こえる日本人vs.違って聞こえるベトナム人#ベトナム#日本語教師

今日の見出し写真はアボカドです。握りこぶしより大きいアボガドが二つで150円。日本だと同じ値段で、もっと小さいものをひとつしか買えません。南国バンザイ!

このアボガド。ベトナム語では「bơ」と言います。カタカナで表すと「ボ」

ベトナム語にはこのような言葉もあります。「bò」=牛
こちらもカタカナで表すと「ボ」です。

しかし、それぞれ母音と声調が違います。

「ơ」これはベトナム語の母音です。
「ò」これは母音「O」に下がる声調(「`」)がついています。

ベトナム語は母音が11こあります。
日本語には母音が5こしかないのでベトナム語をむりやり日本語のカタカナで表そうとすると同じ「ボ」になってしまうというわけです。

1.同じに聞こえる日本人

わたしの周りには長くベトナムに住んでいてもベトナム語が話せない日本人がたくさんいます。多くの人が「ベトナム語を勉強したけど挫折した」と言うのですが、その一番大きな理由が発音が難しいことです。

・母音が区別できない
・声調が区別できない
   ⇓
・発音で言葉を区別できないので、ベトナム語が聞き取れない
・日本人は自分で発音の区別ができないので、ベトナム人が聞いても何を言っているのか通じない

2.違って聞こえるベトナム人

次も日本人には同じに聞こえる例ですが、ベトナム人の名前です。

HoanさんとHoangさん どちらも「ホアン」
AnさんとAnhさん どちらも「アン」

「n」「ng」「nh」さらに「m」を足した4つの子音は日本語では全部「ン」になります。

日本語は「ン」と一つしかない…ですが、実は日本語の「ン」も発音のし方が違う3種類があります。

ん[m]ん[n]
ん[ng]が 

日本語の「ン」はうしろにくる音によって[m][n][ng]を使い分けていますが、表記するときはひとくくりに「ン」とするので、普段その違いを意識していません。

それにたとえば「あんぱん」を区切って「あん・ぱん」というと「あん[n]・ぱん[n]」になりますが、それでも聞いた人は「餡子の入ったパン」だと認識できると思います。

ところが、[m][n]の違いによって言葉を区別するベトナム人の場合、「あんぱん」と「あん・ぱん」は別の言葉のように感じてしまいます。

実際、日本語の授業で「ン」単体を習った学生が「先生によってンの発音が違う!きちんと統一してほしい!」と言ってきてびっくりしたことがあります。

そのとき聞いた話では、ベトナム人教師がひらがなと発音を教える際は、日本語の母音は少なくてベトナム語の母音ほど細かく音を区別していないことを最初に説明しているそうです。

外国語学習するときは、母語の影響によって苦手・得意な部分が変化するのですが、ベトナム語と日本語は文法、発音が大きく違うのでお互いに相手の言語を習得するのが難しいようです。

わたしもベトナム語を習いましたし、現地生活でベトナム語を使うこともありますが、やはり聞き取りは難しいです。反対にわたしとの会話に慣れていない相手はわたしのベトナム語が聞き取れないということもしばしばです。

ですが、このような違いがあることだけでも理解しておくと、日本語を教えるときに学生がつまずきやすいポイントに先手を打つことができます。

また、日本語教師養成講座で発音の仕組みーたとえばどうやって音を発生させているかーということを知識として身につけたので、わたしは音の違いこそ聞き取れませんが、口の動かし方を意識して正しい発音を出すことはできます。(日本人にしては発音がいいとほめられる)

まだまだ違いがたくさんあるので、需要があればほかの違いもとりあげたいなと思います^^
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