朝ごはんみたいな晩ごはん
最近流行ってる気がする。
朝ごはんみたいな晩ごはん。
おにぎり、ウインナー、卵焼き、味噌汁、本当はさらに野菜の煮付けとかおひたしとか鮭焼いたやつとかが並んでるのを、SNSで流れてくる知らない人の写真で見る。
そんなに頑張れなかったとはいえ初めて今日作ってみたけど、私はこんな朝ごはん、食べたことない。
朝にしては、豪華。
おにぎりを久しぶりに握った気がする。
おにぎりを握る動作って、他の何とも被らないから、握った瞬間におにぎりを握ってる昔の記憶がぶわっと蘇ってきた。
いくつか蘇ってきた記憶のそのすべてに、隣に母がいた。あっかるい電気が付いている実家のキッチンで母と2人、手をべちゃべちゃにしながら作ったおにぎり。
それはどうでもいい思い出のはずなのに、どうでもいい思い出ほど年々かけがえのないものに代わっていることに気がつく。
なんとなくだけど「もう戻れない」という当たり前のことに気づいた瞬間から、一気にその思い出の価値が上がっている、そんな気がする。
おにぎり握ってるだけで温かい記憶を思い出せたから、この朝ごはんみたいな晩ごはんも、かけがえのないものだと思う。