【ドイツ周遊】水が町中を巡る南ドイツ第三の都市・アウクスブルクを歩きます
こんにちは。
ドイツ・ミュンヘンに留学中の大学生、桜です。
まだ暖かかった夏休みの渡航直後、語学コースがなかったある日、ミュンヘン近郊の町・アウクスブルクに行ってきました。
実はとある目的のために…
アウクスブルクへ
向かうはアウクスブルク。
紀元前、初代ローマ皇帝アウグストゥスにちなんで名付けられたこの町は、ミュンヘン、ニュルンベルクに次ぐバイエルン州第三の都市。
ミュンヘンから電車で50分ほどで行けるこの町は、その水管理システムが世界遺産に登録されていることで有名です。
また、世界史においても「アウクスブルクの宗教和議」という重要イベントが行われた地であることから有名な地。
駅前にはトラムが沢山走り、南ドイツののどかな街風景が見ていてワクワクします。
市内中心部へと歩きます。
歴史上の大イベント“宗教和議”
先に述べたように、アウクスブルクが最も世界史上で重要な役割を担った出来事が、16世紀に起こりました。
ルターに始まる一連の宗教改革がヨーロッパじゅうで宗教戦争を巻き起こしたのちの1555年、この場所アウクスブルクで帝国議会が開かれ、ルター派の公認によって一応は混乱が集結しました。
通りすがりの教会には、ルターや宗教改革に関する詳細な展示が。
ちなみに、
この和議でいったんは終結する宗教対立をきっかけに、のちに当時世界最大の戦争である三十年戦争が起こり、数百万人の人間が犠牲になります。
黄金の市庁舎
さらに市内中心部へと歩を進めます。
かつて織工ギルドの本拠地だった、カラフルなペイントが特徴的な建物の横を通り過ぎます。
まずはアウクスブルク市庁舎へ。
この建物が、アウクスブルク市庁舎。
手前にあるのは、街のシンボルともいえるアウグストゥスの銅像が佇む噴水。
券売機で1ユーロの入場券を買った後、市庁舎ホールに入ります。
なぜかチケットチェックが無くてせっかく買ったのに・・・と思いながらも中へ。
写真では見たことがありましたが、
入った瞬間辺り一面が絵画と黄金の装飾で煌めく巨大な空間に
思わず口をあんぐり。
ここは絶対に絶対に、光が良く差し込む晴れの日に来たほうがいいです。
あと、とある部屋に
アメリカ、ドイツ、そしてもう一枚の国旗が掲げられていたのですが結局何かわからずじまい・・・
アウクスブルク大聖堂へ
この町を代表する大聖堂、アウクスブルク大聖堂へと歩きます。
このアウクスブルクという町、縦に長く伸びていて、その市内中心部の端にあたるのがこのアウクスブルク大聖堂。
白壁の部分と尖塔部分で色が違うのは、大聖堂の中でも珍しい。
まっすぐ進んでそのまま入口へ。
この教会はどうやらゴシック様式とロマネスク様式の混合だそう。
実はこの教会は、世界最古のステンドグラスがあることで有名です。
ヨーロッパ各国様々な場所で美しいステンドグラスを目にしてきましたが、
ケルンの壮大かつ緻密なもの、
プラハの光を最大限利用したもの、
その他多くのステンドグラスもここのものから始まったのだと思うとつい、ガラスの一片一片にまで見入ってしまいました。
そして、宗教史上大きな意味を持つ都市だからなのか、
歴代ローマ教皇らしき肖像画がずらりと並んでいました。
しかしここはどちらかというと、ルター派、つまりプロテスタントにとっての聖地のはず。
でも明らかにカトリックの教皇の装いをしているんですよね。
下の画像、「1077」と見えます。
これはやはり偶然ではなく、カノッサの屈辱の時のグレゴリウス7世だと思うんですよね・・・
水の町アウクスブルク
アウクスブルクと言えば、冒頭に述べたように、
世界遺産に登録されている水管理システム。
運河やポンプ式給水塔、噴水から水力発電所まで、
14世紀から現在に至るまで水をうまく管理・活用してきたことが見て取れます。
今右手に見えるこの茶色い建物は、「フッガーハウス」。
フッガーとはまさにあの、ハプスブルク家やメディチ家と並ぶ大貴族フッガー家。
世界史をやったことがある人ならだれでも知っている、15世紀から17世紀にかけてヨーロッパを席巻した家系のうちの一つです。
それが今でも、アウクスブルクの大通り沿いに残っているのです。
そしてこれは、水の町を象徴する噴水。
一通り町中を歩き、中央駅へ戻ります。
今日の本当の用事
さて、このまま帰るわけではありません。
実は今日、ドイツ版メルカリ「kleinanzeigen」で、激安も激安・3ユーロドライヤーを受け取りに来たのです。
というのもドイツに来てから数日目のこの日まで、家にドライヤーが無くて髪を洗えずそろそろ限界が・・・
ドイツのメルカリは手渡しでの受け取りが主流だということにも多少の不便さを感じますが、
ここまで取りに来ようという気になれたのはきっと最初のうちだから。
今ならしんどいのでもっと近場で探します(笑)
ミュンヘンに帰るころにはスーパーが閉まるので、大量に
食糧調達をして帰りました。重かった…
そしてこちらがドライヤー。
なんと、売り手のおばさん私がミュンヘンからはるばる来たと知って驚き(少し引いていた)、
「もうそんなのあげるわよ~!留学頑張ってね。」
と、無料でドライヤーを譲ってくれたのです。
3ユーロですら節約できたのは本当にうれしいし、
何よりも、知らない町で一人で生きていく不安に押しつぶされそうになっていたところで触れる、知らない人のあったかさに思わず感動。
薄暗くなっていく淡い空を眺めながら、のんびりミュンヘンまで帰りました。
アウクスブルクの綺麗な街と、人と(猫と)の出会いと、、
とても素敵な1日でした。