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『生薬・植物&季節の食材と薬膳』#05「魚腥草(ぎょせいそう)」
魚腥草(ぎょせいそう)とはドクダミのことです。
梅雨前から、あちこちの日陰で群生しているのを見かけますね。
名前の由来は、毒を抑えるという意味の「毒矯み」からきていると言われています。
また、「十薬(じゅうやく)」とも呼ばれます。馬に食べさせると十もの薬効があることがその由来とされています。
魚が腐ったような生臭い特異臭がすることから中国では「魚醒草(ギョセイソウ)」とも呼ばれています。
白い部分は花弁ではなく、真ん中の黄色い部分が花の集合体です。
生薬としての効能
ドクダミの花期から果実期にかけての全草を
用います
性味
辛・微寒
帰経
肺・腎・膀胱
効能
①清熱解毒
②消癰
③利水通淋
私が子供の頃の話です。
夏になると、食卓の上に薬缶に入れたドクダミ茶がおいてありました。
外から帰ると、まずはそれを飲んで喉の渇きをいやしたのを思い出します。
独特の臭いがしますが、今でも特に嫌いではないのは、母が作ってくれたドクダミ茶を飲んでいた頃の習慣のおかげでしょうか。
ドクダミには清熱利尿作用があるので、蒸し暑い時季の暑邪湿邪を追い出す知恵だったのでしょうね。
ただし、胃腸が弱く冷えのある人は飲みすぎに注意してください。
以前、中国雲南省出身の色白で肌のきれいな女性から、ドクダミのめずらしい食べ方を教えていただきました。
「ドクダミの根のサラダ」です。
ドクダミの白い地下茎(根っこ)を塩でよく揉んだのち塩分を洗い流し、黒酢とラー油と醤油であえます。
根は少し太めのほうがおいしいそうです。
ドクダミサラダは美肌の元かもしれません。
その他、ドクダミの化粧水やドクダミを干して入浴剤として使ったりと、いろいろな利用法があります。
また、吹き出物などが化膿しやすい人も、ドクダミを干したお茶を飲むときれいになるケースが多いです。
ただしこの場合も、冷えのある人や胃腸の弱い人は摂取し過ぎないようにしてください。
独特の臭いに敬遠しがちなドクダミですが、
花が咲いた時から種ができる頃までが、収穫時期です。
ちょうど昨日
ドクダミを刈って、室内で陰干しにしました。
干したものを煎じてお茶として飲みますが、
この時期は生のドクダミを煎じてもよいですね。
ただし長時間煎じないでください。
沸騰して5分くらいで火を止めて、
お茶として飲んでください。
冷蔵庫に保存しなくても、大丈夫!
清熱解毒の効能のある生薬だからでしょうか
腐りにくいお茶なのです。
湿度が高く蒸し暑い日に、お茶にして飲んでください。
ただし冷え性の人は、飲みすぎないようにしてください。