無趣味だった私が、ようやく落語という最高の趣味を見つけられた
「あなたの趣味はなんですか?」
自己紹介でこの質問が出るたびに、「無趣味なんですよね」と答えていました。
アニメを見たり読書をしたりすることもあるが、熱中しているかと言われると、そんな熱量はなくて口にしづらかったです。
そんな私がついに趣味を見つけられました。
それが、まさかの「落語」でした。
この記事では、私が落語に至るまでの悩みなどを綴っていきます。
次のような方にオススメの記事ですので、ぜひご覧くださいませ。
趣味の見つけ方に悩んでいる方
新しい趣味を探している方
落語に興味がある方
「趣味がない」という苦悩
私は、昔から無趣味でした。
何か打ち込めることもなく、部活動などでしていたスポーツも中途半端。
何かのオタクやマニアになろうとしても中途半端。
趣味という趣味がないから、趣味がある人が羨ましく思っていました。
うちの親父は、私と真逆で趣味が深くて長く続くような人物。
だからよく、私は趣味を持つように言われたものでした。
そういった背景から、深い趣味を持つ人に対して憧れもあったし、趣味を持てない自分を悲しく思ってしまっていました。
落語との出会い
そんな私が落語に出会い、趣味と呼ぶようになったのは、何も劇的で出来事があって、急転直下に沼に落ちたというわけではありません。
アニメ『昭和元禄落語心中』
私が落語を始める1つ目の動機になったことは、親友の勧めで2020年に見た『昭和元禄落語心中』というアニメ。
中でも1番好きなのが、石田 彰さんが声優の「有楽亭 八雲(ゆうらくてい やくも)」というキャラクター。
この八雲の人生の滋味が滲み出る声で聴く落語が好きで、すっかりと落語に魅了されて、勧めてくれた親友に観賞後すぐに落語をやってみたいと連絡したほどでした。
また、このアニメをキッカケに石田 彰さんのファンにもなりました(笑)
落語が自分の興味関心にマッチしたのは理由があり、もともと大学卒業後に3年半ほど日本語教師をしていて、日本の文化や言葉に興味があったからです。
そういった背景から、不思議と落語に対する興味は、他の事柄よりも強かったように感じます。
YouTube『中田敦彦のYouTube大学』
とはいえ、繰り返しになりますが、だからといって、この後に何も行動は起こせませんでした。
それから3年が過ぎた2023年10月頃まで、落語に対する興味関心は燻らせたまま、時間だけが過ぎました。
そんなある日、中田敦彦さんのYouTube大学で、落語の歴史や概要を語っていた解説動画を見ました。
そこで聴いた、落語とは何かという説明に衝撃を受け、「今の私に必要なものは落語だ!」と強く突き動かされたのです。
🎦【落語の歴史②】落語の構成や登場人物がわかるとさらに面白い!
それは、立川談志さんの「落語は業の肯定」という言葉でした。
中田さんはその言葉引用して、
「落語とは人間のダメなところを肯定する芸である(意訳)」
という説明をしていて、それを聞いて感銘を受けたのです。
当時の33歳の私は、いい年になっても自分の人生の過ごし方に悩み、「人生とは、大人とは、かくあるべきだ」という社会に蔓延する人生の在り方に囚われていました。
そんな私にとって、人間のダメなところを肯定する落語という存在は、宗教の教祖に出会ったが如く、私の心を救う存在だと直感で確信しました。
そこからは電光石火の如く行動に移しました。
地元である栃木県北に落語を行うサークルなどはないかを調べ、ちょうど11月に寄席があると聞いて当日に駆けつけ、その日のうちに入会を決めました。
落語に至るまでの趣味のカケラ
以上のように、落語を知るキッカケから、実際に始めるまでに3年も空白の期間がありました。
その期間は何をしていたのかというと、様々なことをしておりました。
木工作
ゲーム実況動画の撮影と編集
小説の執筆
チープカシオを調べる
竹の活用方法を調べる
読書
塗り絵
パン・お菓子作り…などなど
私は熱しやすく冷めやすい性格で、1ヶ月すると他のことに興味関心が移ってしまう性格でした。
そのため、上記のようにアレコレとやりたいことが出来ては急に冷めてしまって、ということを繰り返していました。
良く言えば好奇心旺盛ですが、自分にとってはいつまで経っても深い趣味が得られずに、非常に苦しい性格でした。
そんな中で、本格的な趣味に繋がるか分からないが、とにかく手を出してみては辞めることを繰り返して、趣味のカケラを集めていました。
落語という趣味の素晴らしさ
そうして出会った落語は、私にとって全ての条件を満たしていた。
人前で演じる楽しさ、演じ方を考える練習の日々、自分なりに台本を調整する面白さ、お客さんに笑いを届けられること、人と触れ合えて繋がりが増えること、これらは私の欲望をすべて満たしてくれました。
目の前で笑ってくれる人たちがいる、話を聞いてくれている人たちがいる、応援してくれる人がいる、ということは心底ありがたいです。
「上手になったね」「面白かったよ」と言われるたび、「また次も頑張ろう、もっと上手になろう」と励まされています。
余談になりますが、お客様のご来場の目的は落語を聞くだけではありません。
お客様を見ていて、ご友人と会うキッカケや、常連のお客さん同士で話すキッカケにもなっているのだと気づきました。
つまり、寄席が人と人と繋げる場になっているのだと。
そんな場を作れていて嬉しくも誇らしくもあり、人が人を惹きつける力の素晴らしさも実感しました。
どうしたら趣味ができるのか
落語の話ばかりで、「早く趣味の見つけ方を教えろよ」と痺れを切らした方もいると思います。長くなってすみません。
趣味探しの話に戻りますが、直近3年での趣味のカケラの話よりも前にも、10~20代でも趣味のカケラを集めていました。
森山大道が好きになり白黒写真を撮ってみたり、ブロガーを目指してブログで毎日更新を一時期してみたり…枚挙にいとまがありません(笑)
そんな私だからこそ、「趣味がないことが悩みだ」という方の気持ちがよくわかります。
そのような方々のために、少しでも前向きに趣味を探せるようにアドバイスを送りたいと思います。
気になったことは、とにかく調べる
やるにしろやらないにしろ、まずはGoogleやYouTubeで調べてみましょう。
最近はChatGPTもあるので、ChatGPTに聞いてみるのもいいでしょう。
はじめは1つの側面からしか見えていなかったことが、より多角的に見えるようになり、そのものの深さや広さを実感できるようになります。
ちょっとしたことから始めてみる
調べてみて出来そうなことが分かったら、実際に道具を購入したりイベントに参加したりして、始めてみましょう。
結局、調べるだけでは実際に長く続く趣味なのかは判断が出来ません。
なので、実際にやってみることが重要です。
ここで注意すべきなのが、最初から大きなことを始めようとしないこと。
最初から良い道具を集めようと大金を叩くと、続かなかったときのダメージが本当にキツいです…。何度失敗したことか…(笑)
ちなみに、私は一度も使わなかったものは、ウクレレやMIDIキーボードなどがあります。
勉強しようと思って買った本とかも、読まずに放置とかよくありますよね(笑)
新しいことを始める時、挫折することも途中で飽きちゃうことも当然あるので、そういうことを見越して、できるだけスモールステップで小さいことから始めるといいと思います。
失敗の中で自分の向き不向きを学ぶ
小さいことから始めていき、いろいろと試していくうちに、段々と自分の傾向、向き不向きが分かってきます。
前述のとおり、私はいろんなことに失敗してきました。
その経験から、自分の興味関心を過信しすぎず、傾向から自分の向き不向きを理解するようになりました。
例えば、ウクレレとMIDIキーボードの失敗から、楽器演奏は向いていないんだと考えました。
その他、何か物をコレクションするということも、熱量も金銭も続かないから挫折しやすいということも傾向として分かりました。
不向きなものに興味を持ったら、距離を取って温存する
こうした傾向から、不向きなものにどうしても興味を持ってしまったら、一旦はその対象と距離を取るようにしています。
先日、私は昔懐かしの遊戯王カードに興味を持ちました。
メルカリで調べたり、YouTubeで動画を見たりして、欲が高まって買おうかとも思いました。
しかし、過去の失敗からコレクション系の趣味は続かないだろうと思い、一旦距離を取って温存することにしました。
お陰様で、今は程よい距離感になり、購買欲は収まりました。
この初期衝動的な購買欲は超危険で、大体買って失敗することが多いです(笑)
「距離を取って温存して、それでも興味が尽きなかったら買う」くらいの付き合い方をすると、自分の本気度も試せるのでちょうどいいかと思います。
(若いと自制心が利きづらいかもしれませんが…)
過程も楽しみ、気長に探す
ここまでのアドバイスからも分かるとおり、試さないと分からないし、直ぐに見つかるものではありません。
しかも、急げば急ぐほど、見つけられない自分に嫌気がさしてしまいます。
将来の夢ややりたいことを探すのと同様に、急がずに気長に構えることが大切です。
ちゃんと心構えを気長にしておきましょう。
私はかれこれ10年や20年かかりました。
長い旅路の末に辿り着いた場所です。
その旅路でいつも焦って探していたら、ろくに旅は楽しめません。
趣味のカケラに出会い、それを調べてたり試してみたりした時のワクワク感も楽しみながら、気長に見つけてみるのがいいと思います。
「結果を直ぐに求めない」
仕事も夢も将来も成長も趣味も、これに尽きるなとしみじみ思います。
気長に探して、向き不向きを理解して、自分に合うものを見つけてみましょう。
【番外編】趣味を長く続けられる工夫をする
興味があるものを調べて試したその後に、続くかどうかという問題もあります。
「始めること」と「続けること」は別問題として考えましょう。
筋トレでも健康法でも何でも、続けることって大変ですよね…。
趣味においても意外と同じで、三日坊主になってやめたってあるあるですよね。
なので、せっかく始めた趣味を続けられるように工夫しましょう。
次のような観点で工夫をするのがオススメです。
人との繋がりで継続する
題材を変えて継続する
私の趣味の落語の場合は、上記の2点は以下のようになります。
サークルに所属して逃げられないようにする
覚える噺を月1で変える
前者は、人との繋がりを活かして、趣味を継続するような工夫です。
私はこれが1番効く工夫だなと感じております。
1人で落語をやろうとしてたら、絶対に続きませんでした…。
それに寄席が毎月あるものだから、逃げようにも逃げられない(笑)
後者は、覚える噺を変えて、気分転換をしたりする感じです。
楽器を始めるときも、ずっと同じ曲を練習していたら飽きますよね?
趣味は変えないで、違う題材に変えてみることで、続けるモチベーションが保たれるようになると思います。
気楽に生きよう
最後に、再び立川談志さんの「落語は業の肯定」という言葉を引いて締めたいと思います。
「趣味を探して人生を充実させよう」
私は真面目にそのことを考えて試してきました。
それを真面目に考えるあまり、無力で無趣味な自分を責めたり嘆いたりしました。
しかし、そうやって自分を責めるあまり、自分の意欲を削いでしまい、しまいには身動きが取れなくなってしまうこともあります。
真面目なこともいいことですが、ロボットのように感情などを無視して合理的に生きられるわけではありません。
非合理的で、感情的で、間違いを犯す、それが人間だと思います。
「業の肯定」
自分のダメなところを受け止めて、「まーた失敗しちゃったよー」なんて笑い話にするつもりで、気長に生きましょう。
この記事は以上です。ご覧いただきありがとうございました🙇♂️
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