摩耶山の木

1月30日が終わりました

先日1月30日に「たもとの会」第1回無事?終えることができました。
14人で一冊の本の序章までを読みました。
読んだ本はこの本

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序章 どうして生きてきたのですか?――父との別れと出会い
ここまでを読みました。ページ数にして25ページほど。
ゆっくり時間をかけて読みました。
「どうして生きてきたのですか?」どきりとするタイトルです。
以下はわたしの読んで思ったこと。

著者は父との死別をきっかけに、死すべき定めをどのように引き受け、生きたらよいのかという問いに向かい続けておられるのだと思う。
この本は紹介文にあるように著者のこの問いの答えを導くための探求を綴ったもの。著者が導かれるように与えられた出会いと対話を通しての学び、つまりその経験を重ねる中で「どうして生きてきたのか」の問いは著者自身への「どうして生きていくのか」問いに変換されて答えは深まり、そして変わり続けていくように思えた。いや、というよりも、わたし自身がその問いに引き込まれていったのだ。
その著者の経験に付随する学びを読者としてたどる中で、自分の中の経験と重なるものがあったり、読むという行為による経験を通じて自分の定義が塗り替えらる、または整理されていく。

父との別れと出会い。
順番が違う?いや、わたしもそうだった。母との別れの後に母を探している。わたしの場合まだしっかり出会えていない。見る夢はまだ葬儀の時点のものばかりなのだ。亡き母はまだわたしの一部になってくれていない。
誰しもが、生あるものはいつか死ぬことを知っている。
でもその「知っている」はほんとうに知っていると言えるのだろうか。やっぱりわたしはまだわからないでいる。なにか掴めたような気がしていても、掴んだと思っていたものは与えられる経験によって想像もしていなかった様相に変化していくことがあるということを母の死で思い知らされた気がする。
序章の中では、抽象的に言葉を理解していることについて書かれている。
具体的な経験を重ねる中で、抽象的な理解の上で発していた言葉(あるいは物事)は否応なく深まり変貌していく。それが経験というものであるという。わかっていると思っていたが、違っていた…の繰り返しが続くのかもしれない。
それぞれの経験に基づき、それぞれがその時解釈している言葉を使うのだとすれば、対話は同じ定義の言葉に拠って行われているのではないということになる。しかし対話は言葉だけで行われていないと考えたほうが自然であり、すこし違う解釈の同じ言葉を使い、すれ違いのやりとりをしてていたとしても奇跡のようにそのやりとりが生気を持つ瞬間がある。力のある言葉とは経験によって練り上げられた言葉なのかもしれない。人に伝えるとは?繋がるとは?云々。。。

一回目のたもとの会ではなんの本なのかお知らせせずだったのでしたが、予想以上の方々にお集まりいただいて本当にうれしい限りでした。
この本、すごい本だと思っています。帯にかかれている紹介文にありますが「僥倖」(ぎょうこう)って。難しい言葉ですが、「偶然に訪れる幸運」という意味なようです。わたしはこの本を読めて幸せだと本当に思っています。
参加された方がそのように思っていただけたのかどうか・・・。
さて、集まった方々が読んだ後に話し合ったことはどんなことだったのでしょう。
実はほとんどの方がご自身の身近な人の死別の経験を話されました。
著者の父親との死別の経験の物語にとても心打たれたからだと思います。それが呼び水になり、内容に関する考察というよりは自身の死別経験の吐露をせずにはいられなかったのだと思います。
そしてそれぞれのお話は、やはりとても心に沁みる大切なものばかりでした。話す時間が足りませんでした。本を読む時間をゆっくり割いたので、話す時間が物足りない状態で終わったのが残念でした。
参加された皆さんにアンケートも行わず、感想も聞けないでいたのですが、参加された方々の殆どから終わってからメッセージを頂きました。ありがとうございます。
良い機会をもらったとの感想、そしてまた参加したいというお言葉がとてもありがたかったです。
つまり、また続けられる!やった~!
以下が序章に続いての各章のタイトルです。

1章 介助することと哲学すること――「自立ホーム」で学んだこと
2章 「人間」の出来事としての死――在宅緩和ケアの現場で考えたこと
3章 土地における「生」の継承――死者と共にある農村との出会い
4章 いのちに与って生き、死ぬ―― マタギの背中を追いながら考えたこと
5章 限界づけられた生の希望――共に生きること、本当に生きること
6章 森と湖の国の「福祉」――他者と共に生きるためのレッスン
7章 人間の生の拠り所としての「ホーム」――ホスピス運動の源流から展望する
終章 死すべきものたちの哲学――死とともに生きるための実践

次回のたもとの会は・・・
★日時:2020年2月29日(土)19:00~21:00
★場所:デイサービスぐらんど1階カフェスペース
  https://goo.gl/maps/wRRmkPgDzcp3viUB6
1章介助することと哲学すること――「自立ホーム」で学んだこと
を読みます。
今後の日程ですが、基本的に第4土曜日の19時からという形にしたいと思っています。何回目からでも参加は大丈夫なので気楽にお申し込みくださいますように。初めて参加の方について、本は開催日の1週間前までに申し込んでくださる場合はご用意できます。それ以降はご自身でご購入の上で参加していただく形になります。1回目の参加の方は2000円(本代のみ)2回目、もしくは本を持って参加の方は500円が参加費となります。
申し込みは以下のリンク先にてお願いいたします。
https://kokucheese.com/event/index/591186/


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