フードロス→フードターンの社会へ
現在の日本のフードロスは年間600万トン。
一人当たり、毎日お茶碗一杯分の米を捨てている計算になります。
600万トンの内訳は、
半分強が事業から廃棄された使えたかもしれない食材やお客様の料理な食べ残しなど。
もう半分弱が家庭から廃棄された食べ残しや消費期限切れの食材などという概算です。
僕は飲食店に14年間勤めていたので、事業から出される廃棄は、
・よりいいものをお客様に提供したいという気持ちから、あまり美味しくない部位や食べづらい部位を処理する過程で出る廃棄
・過剰在庫により使えなくなった食材の大量廃棄(目立つのはクリスマスや恵方巻きなど予想より売り切れなかった場合に出るものなど)
・宴会料理の食べ残し(特に忘年会シーズンは顕著)←幸か不幸かコロナによって宴会がほぼないためこれによる廃棄は減るはず
大まかに僕が目の当たりにしてきた事業系廃棄の内容です。
各企業や業態によって出方や量は様々ですが、従事するスタッフに限らず、購入する消費者の方々にも心掛けの余地はあるのではないかとも考えます。
しかし、その心掛けや意識だけで果たして改善が進むのかと思うと難しいです。
企業様は利益のために売れる商品はどんどん作り、どんどん売ります。
消費者はダイエット、ビーガン、筋肉増強など個人の目的のために欲しい商品はどんどん買います。
「利益が出てるから多少の廃棄(たかが数%)は仕方がない。」
「必要なものだけ買って必要な分だけ食べよう。」
どちらも間違ってないです。
会社の本分として利益を出すことが絶対だし、それにより守られる従業員がいます。
財布に入っているお金で出来るだけいいものを安く買うのに精一杯で、必要ないものなんて買う余裕なんてないですよね。
ただ、僕は
「なんかもう、いいんじゃね?」
という気持ちが大きいのです。
もうそんな時代じゃない気がするのです。
何故かというと、世界には満足に食べられない子供がいるからです。
僕は15年前、初めての飲食店のアルバイトで残食を捨てられなかった原体験があります。
捨てられるようになってからも、罪悪感と申し訳ないという気持ちで一杯でした。
ある飲食店の方にこの話をしたら、
「ぜひやってみたい。自分の娘のために少しでも良い環境の社会にできたら」
と、とても賛同してくれました。
きっかけや目的はバラバラだって構わないと思います。
僕らは食べ物を必要か必要ないかで選べますが、
一方で必要量の食べ物があるかないかですら選べない人達がいます。
だったら、僕らのほんの少しでも分けられるならと思いこの活動に踏み切りました。
もちろんすぐに海外に向けては無理です。
まずはできることはなんだろう?
となったときに考えたのが、
事業や消費者の廃棄になる前の食材や余った食材を調理し、安く食べてもらうこと。
それがフードターンです。
まだまだ駆け出しですが、まずは知っていただけたら幸いです。
続きます。