Future Visionを通して自分が創りたい未来を考える
つい先日、Future Visionをつくる、という仕事に携わらせてもらいました。(私たちが制作したFuture Visionはこちら)Future Vision制作を通して学んだことは、「未来を想像するだけでなく創造したいのであれば、それを言葉や映像などで表現することはとても大切だ」ということです。
創りたい未来の在り方や、これから目指していく未来を表現したFuture Visionは、企業の描く世界観を知る良い方法であるとともに、自分自身がどんな世界を創っていきたいか、どんな行動をしていけばいいか、を具体的にイメージするのに役立ちます。
おそらく、世界で最も有名な Future Vision は、Microsoft の"Productivity Future Vision"(2009年・2011年・2015年)だと思いますが、今回は2015年以降に公開されたものの中から、未来の生活や働き方にまつわる物語となっているものを(私たちが制作したものを含めて)8つご紹介します。
【もくじ】
1. Sharing our Future / docomo
2. ROBOT FUTURE VISION / 富士通デザイン
3. Workplace of the future: How will you work in 2030? / JLL
4. AI for your life ~暮らしに広がる人工知能~ / 産総研
5. TOYOTA Concept-愛i / トヨタ
6. 街・ホームのビジョン“Connecting services for household chores”/ 日立
7. Foresight Stories / NTTデータ
8. Tomorrow Work 202X: OKAMURA Future Vision / オカムラ
Sharing our Future
2015年公開のdocomoのFuture Vision、「5Gが叶える、未来のドキドキする毎日。」です。明確な年代の設定はないようですが、そう遠くない未来として描かれていることが伺える内容です。家の中からスタジアムまで、非常に多くのシーンが登場し、「未来のドキドキする毎日」を色々な場面から想像することができます。
ROBOT FUTURE VISION
2016年公開の富士通デザインによる人とロボットの関係の未来を描いた Future Vision です。登場する人々のセリフは聞こえませんが、人とロボットとが協調する未来の物語です。愛らしいかたちのロボットが時折見せる「表情」(実際には顔の形はしていませんが)が微笑ましく描かれています。
Workplace of the future: How will you work in 2030?
2016年公開の総合不動産サービスのJLLによる「2030年のワークプレイス」です。一人称視点で描かれた未来の世界で過ごす一日は、私たちが日々を過ごす現代のオフィスから格段に進歩している様子が伝わってきます。こちらの映像で描かれているAIは、非常に優秀な仕事のアシスタントという感じですが、あまり人間味のあるAIとしては描かれていません。
AI for your life ~暮らしに広がる人工知能~
2016年公開の産総研による「次世代人工知能技術のニーズ調査から描かれた、2023年頃の次世代AIで広がる未来の暮らしの一例」を描いた映像です。「暮らし」にフォーカスされており、残念ながらオフィスをはじめとしたワークシーンは描かれていませんが、AIがサポートする未来の生活が分かりやすく表現されています。
TOYOTA Concept-愛i
2017年1月のCESで公開されたトヨタが描く未来です。最も特徴的なのは、AIが「人を理解し、ともに成長するパートナー」として描かれていること。人間に褒められて「照れるなぁ」と言うなど、人間のような人格がある存在として描かれています。主人公のノアの娘が大きくなり、父親に対してそっけない態度をとったとき、AIのユイが "慰める" シーンは泣けてきます。
街・ホームのビジョン“Connecting services for household chores”
2017年公開の日立が描く街・ホームのFutureVisionです。日立は様々なFutureVisionを他にもたくさん公開していますが、こちらはその中でも非常にわかりやすく、多くの人にとって馴染みのある「洗濯」にまつわる未来。こんな洗濯の体験ができたらいいな、と感じられる内容です。
Foresight Stories
2018年公開のNTT DATAのFutureVision、9話構成になっています。10年間の昏睡状態から目覚めたアダムが、大きく進化した世界を目の当たりにします。「未来予測」の要素が強い物語となっており、この物語の中で描かれる未来の生活について考えさせられる内容となっています。
Tomorrow Work 202X: OKAMURA Future Vision
2018年11月に公開されたオカムラによる Future Visionです。202X年のある家族の一日を通して、「私たちが創りたい未来の働き方」の世界観が描かれています。「はたらく」の未来、一人ひとりにとって創りたい「はたらく」は、多種多様なものだと思いますが、「はたらくが幸せであること」は誰もが叶えたい未来の世界だと信じています。
Future Visionを「こんなの無理だよ」「所詮、夢物語」と言ってしまうのは簡単ですが、どんな未来も創ろうとしない限り訪れることはありません。いまはまだ遠い先の話に感じられることであったとしても、一歩ずつその未来の世界を創ろうとすることに価値があると思います。