新作・最新宇宙論科学落語 導入噺「地球の場所取り」
（まくらは、その場、その場で適切に語ってください）
さて最新の自然科学・宇宙論落語ということを謳ってお話させていただくわけですが、科学、最新宇宙論はドンドンドン！と私らの心の扉を叩いているんでございますな。
ご隠居！ご隠居！ご隠居！（玄関の引き戸をドンドン叩く）
騒がしいのう。誰じゃ？ 何じゃ、熊さんか。
えらい興奮しとるみたいやけど、何かあったんか？
あー、あー、あー・・・。
あー、あーて何や？
そうか、あんころ餅が喰いたいんか？ うちにはあんころ餅はないぞ！ それとも旨いあんころ餅を見つけたんでワシのところにに持ってきてくれたんか。そないに興奮しとるということは、よっぽど旨いあんころもちなんやろな？（皮肉を込めて）
違います、違います。あー、あー、あー。
そうか。アイドルのことか？ 生のアイドルを見たんやな？ 〇〇〇（流行りの名前を入れて笑いを取る）とか。
ちがいまんねん。ほら、あー、あー、あー。何やったかなぁ。
あほかお前は。自分はあほやと言いたいんじゃな？
違いますがな。
あー、あー、あー。そうや天の川です。
天の川？ 天の川って、夜に空を見ると、満点の星の中に、川みたいに白く流れているあれやな？ いわゆる銀河ってやつや。
そうですそうです。天の川の中でわてらが住んでるところはすごいんです。
唐突に何を言い出すねん。
お前の住んどるところは大阪府〇〇〇〇〇（適宜地名入れる）の、わしが大家を勤める長屋やないかい。
いやいや、わてらが銀河系の中に住んでるのは確かでしょう！
そうやな、地球の所属する太陽系は、天の川銀河の中にある。太陽系の中に地球がある。地球の中に日本があって、そのなかに〇〇もある。お前の言うとることは道理じゃ。
それで、何が言いたいねん？
あ、あ、あ、天の川銀河における我々地球の占める位置はすごいんです。
お前何か？ スターウォーズを見すぎたんと違うか？（あるいは適宜、他の笑いを取れる話題を入れる）
違いますがな。天文学ですよ。
天文学？ お前が天文学ってがらかい？ 天然もんもんっとした奴の学みたいなアタマしよってからに。
いやいや、今はユー、チュー、キッスっていうのがあって、それ見たら天文学のことも、ものすごく分かりやすく、コンピューターグラフィック駆使して、ビジュアルに説明してくれてるんですよ。
それを言うならＹＯＵＴＵ「ＢＥ（ブ）」やろ。ちゅー、いうからキスか？ Ｉ ＬＯＶＥ ＹＯＵ ちゅー、接吻か？（笑いが取れるか微妙）
それで？ 何が分かってん、ＹＯＵＴＵＢＥで。
あ、あ、あ、あのですね。
太陽系のある場所は、天の川銀河の中でも絶妙なんですよ！
絶妙て何やねん？
ほら、長屋の中でも、ええ場所と、うーん、そうでもないとことありまっしゃろ？
そうやな。場所によって待遇が違う。便所の近くなんかは最低やな。お前が住んどるけど。
ええところ、っていうのはあるな、たな賃高うなるけどなぁ。
まあ、長屋の真ん中の奥の方あたりが一番ええかな。
そうそう、となりに長唄のお師匠はんが住んどったりしたら最高でんがな！
粋な小歌が聞こえますし、顔見知りにもなりやすいし、そんでもって仲ようしてもろて・・・でへへへへ。
お前は何を想像してるねん。天の川のはなしと違うんかい。
そうでした。太陽系はええ場所にありまんねん。天の川銀河の中で。
どういうこっちゃ？
ど真ん中と違いますねん。
すみっこでんねん。
すみっこって、一番あかんとこと違うんかい。
大阪でも、一番ええとこは中心やろ。
船場とか、中の島とか（適宜、地名とその理由）
すみっこなんか（地名を言って笑わせるのも可。差別にならぬよう要注意、ケアをしっかり）
それがそうでもおまへんねん、銀河系のなかでは。
ほう、そうなんか。どういうこっちゃ？
あのですね、もしも太陽系が銀河系のどまんなかにおましたらな。
どないなるねん？
夜空真っ白けでんねん。
どういうこっちゃ？
今のわてらの地球では、夜に星見たら、ほらなんでんねん、星が、ほどよう、ぱーっと夜空に散らされたみたいで、何とも美しいやおまへんか。
お前の口から美しいということばを聞くとはな。
わてかて、案外、ロマンチストなんでっせ。
そうか知らんかったな。そうやな、あの夜空の美しさをみとったら、なんか小さい悩みなんか忘れてしまうな。こんなに世界は美しいんやと思うて。
そうでんねん。
それで天の川がサーッと流れてますやろ。
そうじゃ。それで一年に一回、七夕さんの日に、織姫と彦星が川を渡って会うことができるわけじゃな。
ご隠居サン、何、言うてまんねん。あの川みたいな白いのは、みんな星なんだっせ。ほんまに何も知らんなこの爺じい。
あほなこと言うな。
そんなこと知らんわけ無いやろ。
アポロ宇宙船で人類が月に到達しても、うさぎはまだ、月で餅ついとるんじゃ。
え？アポロが月行った時、やっぱりうさぎが見つかったんですか？
あほかお前は。言うてる意味をまあ、また後でゆっくり考えてみぃ。
まあ、ええわ。天の川銀河の中での地球の位置、まだ続きがあるんと違うのか？
ようわかりまんな。
そりゃそうじゃ。ワシがこの落語の台本書いたんやからな、って台本作家さんが言うてはった（笑い取る）
こう見えてもな、ワシも隠れ最新宇宙論オタクなんじゃ。
まあ、今回の話は最新でもないけどな。
近代に入って、誰でも知っとる話になった。
大宇宙があって、その中に天の川銀河があって、その中に太陽系があって、その中に、地球がある。
それで、なんか話の続きがあるんやろ？
そ、そ、そうなんです。
地球が天の川銀河の隅っこの方にあるさかいに、地球から見て、銀河の中心の方向が天の川に見えまんねん。
そやな。星が密集しとるさかいにな。
それやったら、銀河の中心の、反対側はどうなるねん。いわば、すみっこから、銀河系の外をみとるわけやわなぁ。
ご隠居もよう知ってはりますなぁ。
そうですねん。中心部と違うところは、地球から見て、星がまばらでっしゃろ。
そやから銀河の外の星が見えますねん。
そうじゃな。
〇〇〇〇とか〇〇〇〇〇とか（適宜、星の名前をマニアックに入れる。「ご隠居が」知識をひけらかすのもよい）
そうですねん。ユー・チュー・キッスの動画によりますとな、もしも地球が銀河の中心にあったら・・・。
どないなるねん？
まっしろけですねん。
何がや。お前のアタマの中がか？
いやいやご隠居さんの髪の毛でんがな。
いらんこと言わんでええ。話の先を言え。
そうでした。中心におったら、星が密集してますやん。
満員電車の混んどるどまんなかにおったら、人、人、人の人だらけで、電車の窓から外の景色なんか見えませんやん。それと同んなじことですねん。
そうやな。もしも地球がそういう場所におったら、夜に空を見た時に、近くの恒星がようさん見えすぎて、全天、星のつぶつぶがあんまり多すぎて、すきまから銀河の外なんぞは見えんわなぁ。
よう分かってはりますやん。さすが隠れ宇宙論オタクのじじいだけのことはある。
じじいは余計じゃ。続きをいうてみ。
それでね、ＹＯＵＴＵＢＥ動画見てあたしが感心したのは、もし、銀河の中心部に地球があったら・・・いや、そもそも銀河の中心部に、今の太陽系、地球みたいな天体は発生し得ないし、存在していない。
今のすみっこの位置やからこそ、現在我々の住んでいる地球ができた、っちゅうことですねん
そうじゃな、水があり、緑したたり、動物たちの戯れる美しい地球じゃな。
ご隠居もなかなか詩人ですやん。
宇宙のことを考えると詩人になるんじゃ。
そりゃ、ボケ防止になってよろしいですやん。
いらんこと言うな。
それで、銀河のすみっこの今の位置でなかったら地球みたいな星はなかったといいう話しの続きは何や？
それはまた高座に呼んでもらわな、話す時間がありません。
そういうこっちゃな。
ええ話になったところで、美味いあんころもちがあるから茶でもいれて食おうか？
あんころ餅はない、言うてはりましたんちゃいますの？
野暮な男に食わすあんころ餅はないけど、ロマンチストにやったら、とっておきのあんころ餅を食わせてやろう。まあ、ユー・チュー・接吻仕込の知識であってもじゃな。
ほら、これじゃ。
あー！ 美味そうなあんころ餅だんなぁ。
よう練りに練った黒餡にくるまれて、そのあんこが黒光りしとって、食うてくれ、食うてくれといわんばかりの輝きやおまへんか。あぁ、よだれが出てきた。
まあ、お茶入れとるんやからちょっと待っとき。
（茶を入れる）
ほな食べよか。
美味い！ あんにくるまれた、中の餅も、何とも言えん絶品でんなぁ。
どこの店で買うたんでっか？
そりゃ、あれじゃ。
月まで行って、セーラームーン和菓子店で買うて来たんじゃ。
ほなあれですか？ 「月に代わってお仕置きよ」とか言いながら売ってくれるんですか？ 何や、楽しそうでんな。
お前もノリがええなぁ。
せやけど、そろそろ終わらんならんねんけど、オチはどないなるか、分かってるんやろうなぁ？
そりゃあもち（餅）ろんです。
このあんころ餅の中の餅は、月でうさぎがついた餅なんだす。
それだけに、わてら宇宙論オタクの、ロマンチストが食うのにぴったりなんでおます 。
（万雷の拍手のうちに）
お粗末様で御座いました。
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宇宙論落語の ネタはいろいろあり得る。準惑星とか。惑星について一つ一つ巡るとか、ブラックホールとか、ダークマターとか、素粒子論とか、それを実験で確認中とか
その不思議な宇宙を、理性ある存在となった人類が、ちょうどよい「観客席」で観察して、さらに知性を磨いた。
その背景に、創造主なるお方の恩寵があるという大きな結論。
「宇宙における金の元素の生成」についての噺は、あ、でなく、う。
うん、うん、うん、
うん、うん、なるほど、うなぎが食いたいんか。そうやわなぁ。急にうなぎでも食いたくなる時があるなぁ。せやけどちょっと高いのや。鰯や鯖とはわけが違うがな。そんなに簡単には食べられへん。
あ、そうじゃ。土用の丑の日というのがなんで始まったら教えてやろうか。杉田玄白先生というお方がな・・・
ご隠居ご隠居、違いますね。うなぎと違いませんあのーうん、うん、うん、
てな感じで展開する。
オーバードクターの問題とかも入れる
「知を大事にしない碌なことはない」という方向に。
科学者団体から高座のお呼びがかかるかもしれまへんで！
今のとこ以上
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