GENJI*REDISCOVERED 今日の源氏 『光る君へ』7
ドラマでは、(この早い段階の内に) 平安貴族の「定番のイメージの洗い直し」というか、(推定される) 平安貴族の実態の「 基礎知識講座…」知っておいてね。…ということなのかもしれません。 ー貴族も馬に乗り駆け回ったり弓を射ったり(刀まで振り回す奴…は…)もと。 当時の市井の人々の暮らしぶりと、貴族の生活の違い、貴族間でも存在する身分差 ( まひろは土御門家に侍る時も「檜扇」を持っていない…とか )、それも旧来の血筋・家柄…以上に今現在の貧富や権力、政治力を競い合う彼ら…という(面を描く)切り口が前面に押しだされていて。
千年前にも在った「新旧」のせめぎ合い、で、今も似たようなこと続けてる…というのも包含されていているのかもしれません。
「直秀」は「散楽」者ながら、夜は盗賊で、衛士の「道長」の弓に射られる。それぞれの階層を象徴化した登場人物の絡め方。強めの調子の構文。
相手は盗賊、放った矢が「刺さった感じがした。」道長-射られたのは顔見知りのなお秀。 前に「散楽だけにしておけ。」と言っていた台詞がココに効く。
「おかしき」と「笑う」問題はまだ不(完全)燃(焼)…。まひろが散楽の原案を持ってくる。世の中の政事への批判的視点は、中国の典書に学んだ「仁徳」や「正義」の現れ。 ココで既に『 少女 帖 之 二 』の光源氏の口を(借りて紫式部が理想を表わ)した「教育論」が伏せられているのかもです。
さて、学びの理想世界と、日々の現実とのギャップに若い貴族たち、どうする。
「晴明」を「女御の命まで奪うとはやりすぎ」と叱る=右大臣の矛盾。
* ドラマのカット割り-進行を追うと、こういう「文」「脈」に…。
- 台本の不思議な言葉使いがまた。 父「兼家」から「道長」に
「盗賊と渡り合ったそうだな」は →「盗賊を射たそうだな。」だろう。
用語の問題としてでなくても、映像的にも。=物語の流れを説明した構想書き企画書の記述そのまま(なのかな)って感じ。貴族と盗賊が出遭っただけで「渡り合った」事となる。と言いたいのか…は深読み。
「人の命を取るのは、卑しきものがすること。」と、命を取る「呪詛」を命じておきながらの、右大臣の「晴明」を蔑む態度。しっぺ返しか因果応報の伏線なのでしょう。その「晴明」道長の「相」を然と見ている。来るだろう「満月の相」か?
『光る君へ』に取り込まれている『源氏物語』からのエピソード…を拾うはずのココ、軌道修正。こころみます。
「右大臣兼家」道綱の母「寧子」と寝ていて悪夢に魘され怯える。「夢見」に関しては「祟りに怯える帝=息子を叱る(国)母-弘徽殿女御」の記述が
『 明石 帖 之 二 』に。「大丈夫…」と慰める第二夫人…「道綱の母」の『蜻蛉日記』に書かれてあるなのかな。-すみません『蜻蛉』調べてません。-ドラマが提示の年号では、もう「日記」の最終記事から10年経った頃、道綱の母と兼家は続いていたのでしょうか。
ドラマのカットは、
散楽の台本-「笑える話し」。帝と「義懐」のこと「為時」と。「信じられるのはそなた…」の言葉-その信頼に「為時」感じ入る(手が付けられない東宮の教育係りに為時を雇ったのは右大臣だったのに。) 帝「よし子に会いたい。」 皇后称号授与「先例が見つかればよろしいかと」と右大臣。
藤原実資、義懐が参議になど-日々の不満「日記には書かぬ」と。
道隆、邸で道兼を酒で慰労。 若手公達の「投壺」遊び。で、
「打球でもやるか」って、数日後に…と言わない-このドラマの「日時」設定・提示の問題。また。
百舌彦の問いに、道長「ふられた」。 右大臣家の侍が「散楽」 退治に。
帝に心を寄せて「為時」スパイ行為の「辞職」申し出、兼家許す。
「宣孝」は疑義提示「右大臣が手放すか?」「右大臣側にいないでどうする!」と。 ココで、出しゃばり乳母-北の方気取りで「かんじゃでいてくださいませ!」と。乳母が「間者」と言うか。「右大臣さまのお勤め続けてくださいませ」ならまだしも。
土御門家に集う姫たち「打球に行きましょうよ」とまひろも遅れて見物。
このエピソードは、「親たちの思惑での婚姻でなく」 「倫子」が「道長」を好きになる。=「まひろ」「道長」「倫子」の深い因縁関係のため必要だった事なんでしょう。
「打球」の終わり頃の雨に、猫「こまろ」を探して、「まひろ」が聞いてしまう男たちの話し。「女などというもの…」や「身分のこと」に、まひろの絶望感。 『箒木帖』で(「雨夜の品定め」と呼ばれる)「男たちの女性評価談義」のシーンを書いている紫式部。 世に言う「雨夜の品定め」という言葉に男目線のオイオイ…「(後から)こんなタイトル付けられて、紫式部、どう思ってるだろう」と思ったことがあったのを思い出して、「女の物語」を書いていくことになる「まひろ」が、なるほど良く造られているなと思ったり。
やっとまとめたら、もう金曜日でした。
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