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【三井寿】無駄道じゃなくて、回り道だから【SLAM DUNK】

ありがとう、『THE FIRST SLAM DUNK』

 2022年12月3日から公開された『THE FIRST SLAM DUNK』。

 会社の先輩のおすすめで観に行ったあの日から私の生活は『SLAM DUNK』1色となった。1月には復活上映、2月にはDVDの発売が待っている。「2023年を支えてくれてありがとう、SLAM DUNK」ということで、感謝の気持ちをnoteに残そうかと思う。「他人の気持ちなんて興味ないよ…」と思われるかもしれないが、ぜひ他人のラブレターを覗くみたいな感覚で楽しんでくれたらうれしい。
 今回は炎の男・三井寿について書いていく。その後は映画の主人公・宮城リョータ、私の最愛・水戸洋平についても書いていきたい。

※12/21投稿のnoteに不備を発見したため、再投稿いたしました。
スキをくださった方、大変申し訳ございません。

三井寿という男

 湘北高校3年でバスケ部に所属、ポジションはシューティングガード。中学時代にMVPに選出されるなど華々しい結果を残し、全国制覇を目標に恩師がいる湘北高校バスケ部に入部したが、膝を故障。治療中も練習するなど無理した結果、怪我は悪化してしまう。自身不在の中仲間たちは成長し、部が機能している様子を目の当たりにした彼はバスケットコートを後にした。その後2年の時を経て、再び盛り上がりを見せる湘北バスケ部を不良仲間と共に襲撃するも、かつての同期や恩師と再会し「バスケをやりたい」と言う自身の本音に気付く。これがかの有名な「安西先生、バスケがしたいです」のシーンだ。
 2年と言うブランクにより体力面に不安があるが、天性のシューティングスキルでチームに得点力をもたらし、部になくてはならない男に成長する。

何にもなくたって、どうせ君は君

 正直何かに打ち込んだ経験のない私にとっては彼が1度バスケを手放した行為が理解できずにいた。彼の怪我は靭帯損傷と予想されており、復帰まで約半年~9か月かかる。高校は3年間あるのだから焦らずに治療やリハビリに専念し、最短の復帰を目指すことが最善だったのではと思ってしまう。でも、彼の感情に想像力を巡らせれば、不確定な未来を信じて冷静な判断をすることなど不可能なのだ。
 きっと当時の彼にとってバスケが上手いことこそがアイデンティティであり、それが全てであった。それが突如奪われれば、アイデンティティを見失う。バスケが出来ない自分、居場所であったはずの部活が自身不在の中で上手く回り、ライバルが成長を遂げている。その状況で不安定になった自己を守ろうとして、防衛機制を働かせるのは当然のことだろう。
 ただ、もし私が三井に何かを伝えられるのならば、「たとえバスケがなくなっても君は君でしかない」と言いたい。
 君が自身の人生にとって無駄な時間だと思っている2年間で手に入れたものはなんだろう。それは堀田徳男をはじめとした不良仲間たちだ。バスケだろうが、喧嘩だろうが、彼らは君が望みを叶えられるように隣にいた。バスケがうまいからじゃなく、君が君だから一緒にいたのだ。
 君には誰かを強く魅了し愛される人間性が生来備わっている。バスケがないと君じゃなくなるわけではない。ただバスケがあると、君の光が最大限強くなるということだ。
 あの2年間を悔やみ自責し続けるのはどうかやめてほしい。その期間は君は生きているだけで誰かの光になれる人間であるという証拠だ。

無駄道じゃなくて、遠回りだから

 もう1つ、高校3年の君よりも数年だけ長く生きている私から伝えたいことがある。
 君の2年間は決して無駄道ではなくて、回り道であるということだ。確かにバスケ選手である三井寿にとっては無意味だったかもしれない。でも人間・三井寿にとっては絶対に必要な2年間であった。
 そう言い切れる理由は私の経験にある。私は大学生の時にカウンセリングに通うほどメンタルが落ち込み、極端な選択肢ばかりに頭を埋め尽くされた期間があった。しかし、カウンセリングやたくさんのエンタメに支えられながら、自分の力で再び地獄から這い上がってきた。
 この経験があるからか、辛いことがあっても「私は地獄から戻ってきた、立ち上がり方を知っているから大丈夫」と思えている。
 どん底に落ちても再び立ち上がれたこと。その時プライドを捨てて、差し出された手を取ることができたということ。誠意を示せば、人はちゃんと許してくれること。自分にとって時間はそこまで薬にはならなかったこと。これらのことを一般論ではなく自分の経験から知っているということは、これからの人生にとってきっと財産になる。

コンテンツ紹介:Hump Back『拝啓、少年よ』

 今回紹介するコンテンツは、Hump Backの『拝啓、少年よ』。この曲を聴いたとき、三井寿の歌だと思った。
 バスケットコートを後にしたあの日から、きっと夢を見ることも、目標なき明日が来ることも、バスケを諦めきれていない自分に気づくことも怖かっただろう。でも、その恐怖に打ち勝ち、再びバスケットコートに戻ってきた。君くらい才能に溢れた選手には、遠回りくらいが丁度良いよ。君の後悔が、焦りが、渇望が、チームを勝利に導く。

 大切な時間を使ってここまで読んでくれてありがとう。
いつもスキにエネルギーを貰ってます!
次のnoteでも会えたら嬉しいよ。またね。

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