見出し画像

6.「およげクズ夫」最後は食われる

泳がせていてよかった。
証拠を集める日々は情けない気持ちでいっぱい(悲しさはない)だったが、
それもこの証拠を見つけるまで続けたのは正解だった。

元夫にはソウルメイトがいたのだ。
同僚の、同世代の女性。
私も知っている人だった。
儚げで聡明な幸の薄そうな人だった。
彼女の夫は家庭を顧みず、ワンオペしながらキャリアを積み上げていてすごいなと思っていた。
2人のやりとりを見ていたら、多分過程で不遇さを慰めあい、励ましあい、支えあっていたのだと思う。
残念ながら身体的接触はあるものの最後まで致しているのかはわからなかった。

そいつ性病もちだぞ
風俗でお嬢たちとの行為せっせと保存してるきもいおっさんだぞ
しかも全部バレて泳がされている最中だぞ

私は逆に彼女を哀れに思った。
哀れに思えたことで優越感すら覚えた。
なんの優越感なのかわからないが・・・

あなたからこれ以上取れないなら〇〇さんに慰謝料を請求します
私は全て知っています

この文面を見た元夫はどう思ったのか。
感情的になって逆切れしなかったのは正解だと思う。
平たく言えば、
「彼女を巻き込まないでほしい、そちらが何を知っているのかわからないが彼女に接触はしないでほしい、そちらの条件をのむ」
と返事が来た。

逆切れしてきていたら私は彼女に突撃訪問してたかもしれない。
彼女の旦那さんにタレコミをしたかもしれない
職場まで行って罵詈雑言を浴びせる演技をしたかもしれない

すべて、名誉棄損になるらしいからやるなら水面下で彼女に交渉するしかないかとも思っていた。
その際に気を付けることは脅迫。脅迫になってはいけないらしい。

調べれば調べるほど、妻にできることはほどんどないことがかわった。
相手に憎しみがなくてよかったと思う。
あったとしたら、何もできないことに気が狂っていたかもしれない。

幸せな家庭だと思っていたところで不倫が発覚して相手に激しい憎悪がわいてきたとしても。
その時妻は正当な手続きをもって訴えることしかできないのだ。
時間とお金をかけて。
しかも取れる慰謝料はせいぜい二人合計で300万円ほどだそう。
いい大人なら払えるだろう。
しかも相手が有責であっても財産分与は半分。
親権を勝ち取っても、それは考慮されず半分!!
こどもを抱えて生活するには養育費は微々たるもの。
馬鹿にしすぎではないか。
夫婦同姓しか認めず、女の再婚に期間を設け(これはなくなったが)、
中絶には双方の同意が必要で。
家族の形を国が必死で押し付けてきているにも関わらず、それを壊した奴らへの処遇はとても軽い。(養育費に関しても。逃げ切れるような制度って何?)

ソウルメイトの存在があって本当によかったと思う。
なければ家は私の物にはならなかった。
2人して土下座して青ざめて震えるさまも見てみたいような気はしたが、
そんなことは一瞬の爽快感にしかならない。
私のしょぼいプライドを保つくらいにしかならないのだ

そんなことよりも、もっと価値ある、家を私は手に入れた。

元夫は風俗に行けるチャンスとソウルメイトを得て、
自由に海を泳いでいると思っていた。
しかし、実際は泳がされていて、最後は私に食われてしまったのだ。

こうしてまどろっこしい離婚調停は幕を下ろした。




いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集