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大切なことほど、教えることはできない。

日本語教師として、教育現場で働き始め気づいたことがある。

それは、

どんなに優れた教師でも、大切なことは教えることができないということだ。

私たち教師はあくまで勉強の手伝いをすることしかできない。

私は学校での学びは大きく分けて2種類あると思っている。

一つめは人から言われて得る学び。
二つめは自分から得る学び。

これら二つが混ざり合い、質のいい教育となる。
そして、より大切なことは二つめの自分から得る学びに含まれていると私は思っている。

だから、教師は全てを教えようとしてはならないし、全てを教えることはできない。


人生を航海に例えてみる。

一人一人が小さな船に乗り。
船員は1人だけ。

したがって、他の誰かの船を運転することは誰にもできない。

教師は船員たちに船の操縦の仕方を教える。
地図を渡す。

こうしたら、こっちへ行けますよ。
あっちへ行ったら危ないですよ。
と陸から情報を伝える。

最終的に船の舵がきれるのはたった一人の船員のみ。

さらに、船の場所は皆同じではない。
天候や状況も場所や船によって異なる。

ある日は東に風が吹き、ある日は西に風が吹く。

学生たちは教師からもらった情報を、自分たちの状況に適応させながら船を操縦する。

しかし、

どの情報が大切で、航海中のどの景色に心を動かされるかは、たった一人の船員にしかわからないのである。




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