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湯けむりラインの旅~鳴子温泉郷②

昨日は昼から鳴子温泉の中心街を歩き、東鳴子の勘七湯に一泊。今日は、知人が途中、車で合流してくれて、おススメの温泉に連れて行ってくれるとのこと。朝起きて、東鳴子温泉の散策から始めます。

東鳴子温泉、朝さんぽ

昨晩の雪が少し積もっている
小浴場の赤梅の湯を浴びて、散歩へ 
勘七湯の玄関に掲げてある赤湯温泉記 赤湯のはじまり物語

読みづらく全て読解が出来ないですが、1757年に浴場経営の権利を有していた人があるとき山崩れに会い、経営不振で税金滞納。連帯保証人のような形で、この赤湯に旅館を建て、借金滞納の肩代わりをしようというところが勘七湯の始まり。江戸時代の話ですが、生々しくも大事な記録。

勘七湯 昔は旅館部と湯治部に分かれて部屋も準備していた
東鳴子は温泉街という雰囲気はなし
1時間に一本の奥の細道湯けむりライン
鳴子御殿湯駅(旧東鳴子駅)
いさぜん旅館 玄関にはみごとなかぶり松 こちらもお湯は評判良し

東鳴子、ひと昔前は十数軒もあった旅館、昨日もらった湯巡りできる旅館は7軒でした。もう少しあるのかもしれませんが、泉質良さそうな重曹泉まだまだあります。次回来るときも、東鳴子は必ず寄りたい。

温泉神社から、中山平温泉へ

再び鳴子温泉駅近くへ。昨日の「滝の湯」の脇から雪の積もった急な階段を上り、たどり着いた温泉神社。昨日はなかったつららが垂れ下がっています。

こけし佇む
こけしの上には龍? おどろおどろし
鳴子温泉駅周辺を一望
再び温泉街へ
昨日売り切れていた「栗だんご」を購入

こちらの足湯に浸かりながら、「栗だんご」頂きます。甘しょっぱいあんかけ、おおきな栗を丸ごとだんごで包んでいて、触感、甘辛もなかなか。

温泉卵を作れる小屋 源泉はすぐ上 
賞味期限はその日まで
なんか臨場感ない絵で、すみません

さて、この後どの温泉に行くんですか?と知人に聞けば、中山平温泉!
実は昨日、東鳴子に向かうタクシーの運転手さんにおすすめのお湯を聞いたら、「中山平のしんとろの湯だよ」とのこと。その方も、東鳴子に家があるのに、わざわざそこまで車を走らせて時折入りに行くんだと話しており、そんな地元の人が推すのなら、是非行きたいねと家族で話していたところでした。早速向かいます!

最強トロトロの湯、中山平「しんとろの湯」

鳴子温泉駅付近から車で10分ほど、日帰り温泉の「しんとろの湯」。昼前に着いたら、女性の方は混雑していて、入場制限がかかっています。みんなで昼食を先にとり、少し空いた頃にいざ入浴!

トロトロの理由は、PH9.3のアルカリ泉  大人500円 アメニティは日帰り温泉のよう
湯めぐりチケットで鳴子温泉郷の外湯、
日帰り入浴可の宿はかなり入れる
湯舟はシンプル(しんとろの湯HPより)

このしんとろの湯、確かにトロトロトロトロ!かつて入ったことがないくらいのトロトロ感。しかも単純泉ではなく、「含硫黄-ナトリウム-炭酸水素塩・塩化物泉 低張性アルカリ性高温泉」。やや濁りがあり、溶存物質総量は、1179.5 mg/kg、メタケイ酸754mg、美肌、保湿・保温効果あり。泉温は、93.0℃(湧出地)のため、源泉から木樋を通して、自然冷却させて、湯舟に入れています。地元の人も来るわけです。

中山平だけでもこんなに多様な泉質(中山平温泉旅館組合のマップより)
※こちらのマップ少なくとも10年以上前のもので、現在湯めぐりチケット使える旅館は6軒

鳴子温泉は「温泉のデパート」と呼ばれるくらい様々な泉質があり、中山平だけでも変化に富んでいるも凄い。それにしても、鳴子温泉駅周辺もしかり、狭いエリアなのにどうしてこんなにレパートリーが豊富なのか、謎。

復興を願って「鳴子峡」

中山平から再び鳴子温泉方面に移動。ここは、撮り鉄さんたちにも有名なスポットがあるので、しばし路駐させてもらい、激写。不通のため、列車を撮れないのは残念です。このまま廃線になりませんように…。

この橋の方も有名で、↓↓↓こちらの橋 春と秋なら遊歩道を歩いてみたい
観光協会HPより

眼下に見えるのが、大谷川。谷に架かる橋とトンネルが見えますか?

100m以上の深い渓谷 冬でも絶景
橋を渡って、すぐにまたトンネルに入る

さて、自ら名文家と自負していた我らがテツ中興の祖、宮脇俊三は、「鳴子ー山中平」間の陸羽東線をどのように綴っていたでしょう。列車の車窓から眺められないので、手もとにある本から、宮脇氏の描写にゆだねます。

 さて、鳴子を境に閑散となった列車は、やや高い位置から荒雄川と大谷川の合流点や尿前しとまえの関跡を見下ろしながら、鳴子トンネルにはいる。尿前の関は仙台藩の重要な関所であるが、通行人は少なかったようで、『奥の細道』には
「なるごの湯より尿前の関にかかりて出羽の国に越んとす。此路旅人稀なる所なれば、関守にあやしめられてようようとして関をこす」とある。
 約二分で鳴子トンネルを抜けると、絶景の地を通過する。深く刻まれた峡谷を短い鉄橋で渡り、すぐつぎのトンネルにはいってしまうが、鳴子峡がちらっと見えるのである。
 短いトンネルを三つ抜けると谷が開け、あたりは高原状となる。中山平である。深い峡谷からわずか数分で信州のような高原、その変化の妙に感心させられる。
 中山平付近は線路の勾配が急で、かつては強力なC58型蒸気機関車が重連(二台連結)であえぎながら登っていた。重連が石炭を精いっぱい焚いたから黒煙濛々、昭和四十八年四月に廃止になるまではSL絶好の撮影地としてファンが集まった。今はその名残をとどめるかのように、中山平駅構内にC58が一両保存されている。

陸羽東線の楽しさ 「SLと芭蕉を偲ぶ峠越え」より 宮脇俊三

伊達な道の駅&日本一ジェラート

絶景の後は、地の物産品拝見のため、少し足を伸ばして、岩出山の方にある道の駅に連れて行ってもらいました。

あ・ら・伊達な道の駅 こちらはいつも混雑しているとか
地元物産豊富! 栗だんご、しそ巻きに、ずんだ餅などなど

今晩は夕飯も付いてないので、夜食になるようなものまで買い込んでしまいました。娘は爆睡で、車から降りもせず、最後、鳴子温泉に戻る途中、ジェラートのお店に寄ってくれましたが、こちら「日本一のジェラート」と銘打っています。

なるこりんの野菜ジェラート

創作ジェラートの大会でいくつか賞を受賞していて店内にはトロフィーとかおいてあります。地産地消、水は温泉水、砂糖も国産ビート・大豆も国産と徹底してます。

都心でもウケそうなお店!
どれも美味しそう~ なかなか決まらない
向かいのとみちゃんかぼちゃの
キャラメルパンプキン

田んぼには、北から渡って来た白鳥が群れを成しているのを横に見ながら、宿まで送ってもらいました。半日、地元のご夫妻にお付き合いしてもらい、本当に助かりました~(良い写真が撮れず、すみません…)

鳴子温泉「扇屋」

再び鳴子温泉、中心部に戻ってきました。本日の投宿は老舗旅館です。家族旅行では、2泊とも鄙びた宿or激安宿だと、イマイチ賛同得られないので、一泊は鄙びた宿、一泊はささやかに奮発!?ということにしております。それでも年始の鳴子は、どの宿も夕食付は高かったので、こちら一泊朝食付き。

創業73年「扇屋」  宿の上にある八幡神社にちなんで、「やはたの湯」の宿として知られる
日帰り湯めぐり可ですが、年末年始はNG

女中さんが、部屋とお風呂を案内。露天風呂では「昨日は三日月が、とても綺麗でして、今晩、見れますか、どうか…」と風流なお言葉でおもてなし。

3人なので、二間の広い部屋を用意して頂く

露天風呂は貸切風呂で、屋上に二つあります。その名も、「山の風呂」「空の風呂」と、屋上ゆえに、さすがに寒いですが、辛うじて、簡易的な木造の脱衣場所があり、助かります。

雨・雪の降る日は、唐笠を被って
塩化物泉ですが、含硫黄で、鮮やかなグリーン! 湯船の下は、硫黄がびっしり
滝の湯は青の白濁ですが、こちらは澄んだグリーン 不思議だ~

再び、こけしの温泉街へ

十分に温まりまして、再び、温泉街散策。どんだけ、こけしの街か見てみましょう~

いきなりコレ、自衛隊の募集もこけし!
文具屋には「こけしマッチ」 ★人生のともしび★
これ、昭和の頃から、こんなシュールレアリスムだったのか笑
ポストもこけしW
こけし通りの喫茶店でひと休み 玉子屋本店
わらび餅が有名らしく、抹茶セットで頂く

鳴子のこけしづくしに圧倒され、このこけしは一体どれくらい、売れるのか?、もっと現代風の売り出し方は無いのかとか…、職人はどんどん減っているんじゃんないか、そう言えば実家に置いてあったのは鳴子のこけし。捨てしまいもう居ないか、可哀想なことをしたとか。しかし、今の人はこれは、そうは買うまいとか、喫茶店にてあれこれと家族で鳴子のこけし談義。

こけしのこころは
見る人の
心をうつす
こころです

談義に終止符を打ったのは、このわらび餅の包み紙。
「こけしのあの眼差しは、自分自身の心を映す鏡」(意訳)ということで、こけしの深みを知ったのでした笑

静かな夜

あっという間に、夜が更けて、「温泉街は賑やか」ということではありません。いたって静か、ネオン(もう死語!?)もなく、空には星も見えます。

駅前広場は鳴子こけしイルミネーション

夕飯は軽くお蕎麦。道の駅で買っただんごなどなどで、あまりお腹も空いておらず、山菜たっぷりのそば。

夕飯は繁華街も食べるところが少ない
こけしのほほえみを思い浮かべならが、二日目就寝 おやすみなさい (つづく)

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