毒親

「毒親」で悩んだら「自分」を語ろう(1)

早くも年末で、恒例の漢字が発表されましたね。
たくさんの「災」難が訪れましたが、「毒親」持ちにとってはこの一年に限らず、とても身近な一文字だなと思うのでした。

さて、前回のノートでは、
自分語りをすることで「癒し」を獲得できると述べました。

でも「自分を語る」って一体何なのでしょう。
誰に向けて、どんな内容を、どのように語れば良いのか。

今回は「語り」が何をもたらすのかを、もっと深く考えてみましょう。

目次
・語りのステップを考える
 1)なぜ語ることが癒しになるのか
 2)誰に話すのか
 3)自分の思考に向き合うため、自分を「語る」

【語りのステップを考える】

そもそも語りが癒しに繋がる理由がわからない、なんて方もいらっしゃるのではないでしょうか。

では、癒しをストレスからの解放と捉えてみましょう。

話すことでのストレス発散効果は、聞き手の存在があることも理由の一つに挙げられますが、
「話すことで思考の整理ができる」ことが大きく関係しています。

1)なぜ語ることが癒しになるのか

人に何かを話そうとするとき、無意識に話をまとめたり整合性を持たせようとします。
話に順序があった方がわかりやすいだろうという無意識の配慮です。

しかし、あえて思いつくがままに思考を外に放ってあげることで、頭の中だけでは考えられなかったアイディアが顔を覗かせたり、点であった事柄が線で繋がることもあります。

声に出す前に順序立てて考えることで、実は重要な思考を削ぎ落としてしまうこともあるのです(逆も然り)。

つまり、順序立てて話すのをやめると、起こった物事や感情をフラットに捉えることができ、客観的に物事が整理できるということなのです。

最初からこれを話そうと考えるのも良いですが、あえて意識せずに外に出すことで、離れた地点から観察が可能になってきます。

思いつくがままに思考を外に出すのは最初戸惑うかもしれませんが、「辛い」「嫌だった」という短文からでも良し。自分の意外な思いを知ることができます。


2)誰に話すのか

そして「誰に話すか」ということですが、外に思考を出すということなので、話し相手はいてもいなくても良いのです。

おすすめはブログや日記を活用し、文字にすること。24時間365日気の向くままに利用できますし、文字に起こすことでも客観性は宿ります。

また、文字にするメリットに、後から修正しやすいこと、記録として残るため見直しやすいことが挙げられます。

ブログやSNSは簡単に修正や削除ができますよね。思考を外に出してみて、後から「あれ!これは今思うと違うな?」と思うことでも気軽に修正してみて思考を整えてあげてください。

オープンな場であれば、そこで誰かが指摘するかもしません。
「あれ、前と言っていたことが変わっている!」と。

でもそれは気にしなくてよいです。
行動が変われば思考も変わります。当然です。

『「毒親」の言っていることがコロコロ変わる!』のとはわけが違います。
ずっと同じところに立っていながら、周りを操作したいがため、自分を守りたいがためにその場限りの発言をする。

「毒親」に限らず、そんな人も居ることでしょう。

しかし、前に進もうとする人が変化するのは必然です。

昔と言っていることとは違う!と言われても、成長の経験が少ない人なのかなと一蹴して下さい。
あなた自身が否定されたように思わなくて良いのです。

気になるなら誰も見ない鍵アカウントを持つのも一つ。

3)自分の思考に向き合うため、自分を「語る」
さて、話を戻します。

整理したからといってストレスそのものが解消できるのではありませんが、「整理」することによって「理解」が容易くなり、「理解」が進むと次の段階では「納得(受容)」できる。

このプロセスを経ることによって、問題を解決に導くこともできますが、ここの「語り」のメインの目的は「問題を問題たらしめない」こと。
消化や解消に近いのです。

つまり、「毒親」との関係を問題を解決に導くのはとても疲弊するので、まずは消化しきれないモヤモヤを解消することを目的としようということ。

自分を苦しめるものの「整理」が重要なので、「理解」や「納得(受容)」は、大雑把で大丈夫。

また、理解や納得は自分に向けるもので、必ずしも
「親もあのときしんどかっただろうから仕方ないよね/納得(受容)」
にしなくても良いのです。

自分が楽になるための「語り」なので、親に対して理解を示すのではなく、自分の中の思考に意識を集中すると良いでしょう。

「整理」から「納得」まで時間がかかってしまうかもしれませんが、段階的に進んでいるのを実感するだけでも違ってきます。

次回はこの続きから。
本当は1記事にまとめたかったのですが、ちょっと区切ります。

今週の金曜日に更新予定。
ストーリーの組み立て方とか、語りのステップを実践する具体的な方法について書きますね。

まとめ
・思考を外に出すときには、意識しないことでフラットに物事を捉えられる
・ブログでの自分語りは見直しやすく便利
・「理解」「納得(受容)」のプロセスは他者ではなく自分へ意識を向ける

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松岡ふぶき
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