カウンセリング2

カウンセリングは「意味ない」の?(2)

前回は、カウンセリングは必ずしも全ての問題を解決できるわけではないことを述べました。
しかし、カウンセリングが意味ないのかといえば、そうではありません。

「合うカウンセリングと合わないカウンセリングがある」

この一言に尽きます。

ではなぜ「意味ない」と感じてしまうカウンセリングがあるのでしょう。

目次
・「意味ない」と感じるカウンセリングとは
・カウンセラーは完璧ではない
・まとめ

【「意味ない」と感じるカウンセリングとは】

まずひとつに、カウンセリングの手法が挙げられます。
現在、日本のカウンセリングの基礎となっているのが、C.R.ロジャースの提唱した「来談者中心療法」です。
簡単にいえば対立や議論をせず、その名の通り来談者(カウンセリングを受ける側)の話すことをそのまま受け入れるというもの。

来談者に寄り添い、決して否定しないなんて良いカウンセリングでは?と思うかもしれません。
しかし、先ほども言ったように、万人に合うカウンセリングはなく、これも例外ではないのです。

・受容的なのになぜ合わない?

「カウンセラーが話を聞いてくれるなら満足。ただ話したいだけの人もいるし」
もちろんこういったこともあるでしょう。
実際、話をしっかり聞いてくれて満足したという人もいるかもしれません。

しかし、合わないと感じてしまった人にとっては、カウンセリングでこんなことが起こります。

「ちゃんと話を聞いてくれていないと感じる」
「話せたけれど、自分の話したいことではなかったように思う」

来談者中心療法の前提として、「なんでも話して良いよ!」という姿勢があります。
しかし、そこには(ただし、私の望む形で話してね)との意味合いも含まれいているのです。

【カウンセラーは完璧ではない】

来談者中心療法は

・主導権を握って話を進める
・沈黙しているときにさえ、カウンセラーが沈黙の意図を汲み取って、代わりに述べてあげる

という方針を持っています。

断定的な言い方はしません。
けれど、あなたが言葉に詰まった時、こういった言葉を聞きませんでしたか?

「あなたの言いたいことはこうでしょう?」
「それはこうだったのでは?」

「問題」を解消するのではなく、解決しようとするがゆえに、カウンセラーがクライアントを誘導。
そして問題を固定化するために、診断をしてしまうのです。

しかし、この誘導が本当にあなたの言いたいことであったなら、違和感が生まれることはありません。
つまり、違和感を感じてしまうのは、この誘導が間違っていた時なのです。

認識がずれると、「この人は私のことをあまりわかっていないな」と不信感に繋がってしまいます。
このずれを放置することで、「誰もわかってくれない」、「問題をいつまでも抱えたままではないのか」と不安に感じでしまいます。

もし、そうしたことが起こった際、できるアクションは二つあります。

・違和感を感じたことはその場で訂正する
・クリニック/カウンセラーを代える

抱えている問題は固定できるものではありません。
誰しもが同じ経験をしているなんてことはないし、仮にそうだとしても捉え方が異なるはず。
カウンセラーでも「自分と捉え方が異なる人である」と前提を持った上でカウンセリングに臨むことが重要です。

資格を持っている先生であっても、問題を解決できるだけの正解を持っているわけではありません。
だからこそ、自分で納得できるカウンセラーを探す姿勢が大事なのです。

クリニックを何軒も回るのも、探すのも気力が必要ですよね。
私も二つ目のクリニックを探すまでに時間がかかりました。

しかし、合わないカウンセリングがあるのは当たり前という認識があるだけで、カウンセリングに対しての見方や使い方が変わってきます。

人に話すことは、自分の中の想いを整理するためにはとても必要なプロセス。

「カウンセリングは意味ない」と考えていた方や不安に思っていた方に、
この記事が少しでも参考になれば幸いです。

まとめ
・来談者中心療法が合わないと「意味ない」と感じる
・カウンセラーは全ての問題を解決できるわけではない
・カウンセリングは、自分の想いを整理するためのものでもある

かる

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松岡ふぶき
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