コレクティブエクササイズ②【Joint by Joint approach】
こんにちはー!
トレーナーの沢田です!
本日は以前も投稿した、コレクティブエクササイズについてパート2ということでお話ししていきます!
コレクティブエクササイズってなんやって方は、前回の投稿をまずご覧になってからこちらを見ていただくほうがわかりやすいかと思います!
それでは早速いきましょう!
Joint by Jointとは
まずはじめにJoint by Jointの考え方や、概念についてお話ししていきます。
めちゃくちゃ簡単にいうと、全身の関節などをモビリティとスタビリティに分けて考えることです。
動かしたくない関節なのか動かしたい関節なのか、例えば膝や肘など一過性の動きしかできない関節は、安定性を重視したいためスタビリティ関節となり、股関節や肩関節のように球関節で可動性が優勢される場所はモビリティ関節となります。
この考え方を使ってトレーニングを行うことは、パフォーマンスアップなどの観点においても非常に重要になってくるので、是非みなさん押さえておいてください!
基本的にはこの図のような感じで順番に安定性と可動性が交互にあります。
中には股関節のようにモビリティだけどたまにはスタビリティも重要で、肩甲上腕関節のようスタビリティだけどたまにはモビリティも重要だよねっていうものもあります。
これ自体覚えるのはそう難しくはありませんが、これを現場レベルで使って行くとなるとどうすれば良いのかお話ししていきます。
現場での考え方
Joint by Jointがどのような考え方か分かったと思うので、次に現場での使い方についてお話ししていきます。
まず、腰に痛みがある場合
腰椎は安定性(スタビリティ)なので、安定性がなく不安定なため痛みを生じているのではないかと考えます。
反対に、動かなさすぎる物を動かそうとしているという考え方もありますが、ここではJoint by Jointの概念を使って考えますので、そこは省きます。
一般的にはスタビリティであって欲しい箇所が、反対に動きすぎで痛みを生じているパターンが多いです。
そこで用いるものとすれば、腰椎を安定化させるエクササイズです。
例えばブレーシングで横隔膜や腹横筋などのインナーユニットを活性化させます。
そしてここから重要なのは、隣接している胸椎や股関節のモビリティを評価することです。
なぜ評価する必要があるかというと、腰椎が動きすぎてしまっている原因を探すためです。
腰椎は本来安定して止まっていなくてはいけないのに、なぜ動きすぎてしまっているのかを考えると、本来動くべきはずのものが動かないから代わりに腰椎が動きすぎているのかもしれないと言えます。
そうなると可能性としてまずあげられるのが、隣の胸椎と股関節です。
この二つが動かなくてはいけない場面で動いてくれないがために腰椎が頑張りすぎているのではないかと疑います。
ですので腰椎の安定性を確認した後に、必ず胸椎と股関節の可動性を確認します。
そうなってくると、必ずしも疼痛箇所に疼痛原因があるわけではないことがわかってきます。
仮に股関節の動きが悪いと判断した場合、股関節の動きが悪い原因として膝関節が悪いかもしれない、その膝関節が悪い原因として足関節に原因があるかもしれないなど、次々とつながっていくこともよくある話です。
ですので、腰が痛いから腰を揉むのではなく、なんで腰が痛くなってしまったのかその根本的な原因を考える必要があります。
さらに現場での考え方
さらに深掘りして、現場でどのように考えていけば良いのかお話しします。
まず、関節可動域が過大の場合、代償的に働きすぎて痛みの原因になっていると判断します。
ということは反対に、どこかの可動域低下していると考えることができます。
その時に、可動域が低下している原因を考える必要がありますが、そこであげられる理由は大きく二つです。
それは、モーターコントロールか緊張です。
見極め方法としては、例としてSLRを用いて説明します。
股関節を屈曲してもらい、仮に45度までしか上がらなかったとします。
(余談ですがSLRは80度くらいまで上がればOKと言われています。男性でいきなりあげれる方はなかなかいませんが笑)
そこから、他動的にこちらであげた時にやっぱりそれ以上上がらないとなると緊張、上がる場合はモーターコントロールであると判断できます。
モーターコントロールの場合、そもそも股関節を屈曲させるということ自体ができないのか、股関節の屈曲はわかるがそれを支持する体幹の筋肉の使い方がわからないのか、あるいはその体幹と同時に股関節の屈筋群を使うことができないのか、理由は様々あります。
ご高齢の方に関しては、組織そのものが固まっているという場合もありますが、若い方の場合は他動的では上がるけど自分では上がらないという方が多いです。
やはり、モーターコントロール上での問題が大きそうです。
緊張だと判断した場合は、リリースやストレッチなどで解消します。
それでは、Joint by Jointを利用してどのようにエクササイズを行うのかというと、ダイアゴナル+ブレーシングといった感じです。
ただダイアゴナルをやらせて、背中が丸くなって反ってを繰り返すのではなく、同時にブレーシングをさせて強制的に腰椎を安定させることで、安定を保ったまま肩と股関節を動かすということが可能になります。
今までは肩と股関節の可動域が悪かったがために、腰椎骨盤が代償で動いて腰痛になっていたのが、これを練習し腰椎の安定化、肩と股関節の可動域向上で腰痛が解決する場合もあります。
これをどうお客様にできるようにしてもらうかというと、一つ一つ別々に分けて練習し、少しずつプラスして行く感じです。
まずブレーシングを練習させ、次に仰向けで対角に肩と股関節を動かす練習、次は四つん這いで対角に動かす練習、そしてブレーシングとセットでやってもらう。
というような感じで進めていけば、大体のお客様は15分ほどで完璧にこなすことができます。
このようにしてコレクティブエクササイズを行なっていきます。
その人の運動能力などに合わせた方法で行なって行くため、プログラムも当然一人一人変わってきます。
これがパーソナルトレーニングの醍醐味です!
みなさんも今回お話ししたことを意識して、セッションに臨んでみてはいかがでしょうか!
今回はこれで以上になります!
それでは次回の記事でお会いしましょう!
さよなら!