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仙腸関節の理解を深めよう!
こんにちはー!トレーナーの沢田 翔です!
今回は仙腸関節についてお話ししていきます!!
仙腸関節についてお話ししていく時に、当然仙骨について理解する必要があります。
ですので、仙骨および仙腸関節という風にお話ししていきます!
仙骨や仙腸関節にアプローチができる能力は、アスリートや一般のクライアント様へ指導するのにものすごく重要な能力です。
そもそも骨盤というのは簡単にいうと上半身と下半身を繋ぐ骨です。
上半身の力は脊柱を介して骨盤に伝わってきます。
その時、上半身からの力を一番ダイレクトに受けているのが仙骨です。そしてその力が仙腸関節、骨盤、そして下肢へと流れていきます。
人間の体にはこのように力の流れが発生しています。
つまり、この人間の中枢である仙骨および仙腸関節の理解ができていなければ、パフォーマンスアップや脊柱の可動性の確保は難しいと言えます。
ということで早速お話ししていきます!
構造
これは大きく2つの意見があります。
1)滑膜組織、靭帯結合組織の混合である。
2)100%滑膜組織である。
どういうことかというと、靭帯が関節の一部として可動性を決めているか決めていないか。ということです。
これは正直どちらでも良いです。
ただ、共通して言えることは
加齢によって可動性を失うということです。
滑膜組織であるということは、加齢によって水分組織がなくなって滑膜の機能性がなくなっていきます。
以前は、そもそも不動結合と言われていて、仙腸関節はほとんど動かないとされてきました。
ですが現在では、基本的に靭帯結合で強固ではありますが可動はすると言われています。
立位時にご献体の骨盤をグリグリした時に0.8mmほど動くとされています。
機能
先ほども少しお話ししましたが、上体と下肢をつなぐ役割を担っています。
また寛骨との接合部にて骨盤全体の可動の確保も担っています。
当然、動きすぎてしまう(ハイパーモビライゼーション)と力が分散されたり上手く伝わらなかったりします。そのせいで不安定になり、周囲の筋や組織が緊張し炎症を起こし仙腸関節痛になってしまうことも考えられますが、最近の研究では実は結構動いているとも言われています。
その事実についても後ほどお話ししていきます。
動き
仙骨の動きには、ニューテーションとカウンターニューテーションの2があります。
これは簡単にいうとニューテーションは前傾、カウンターニューテーションは後傾です。
しかし、これは仙骨単体での動きを表しているわけではなく、寛骨に対して仙骨がどのような傾きであるかを言い表しています。
そのため、仙骨のポジションが変わらなくても寛骨が後傾すれば仙骨は相対的にニューテーションと言えます。逆も然りです。
仙骨はニューテーションする際、前傾しながら後下方に下がっていきます。
またその時、腸骨は内側に締まり坐骨が開くいわゆる安産型のようなお尻になります。
見た目的には骨盤は後傾しているのでお尻が垂れているように見えます。
仙骨が前傾しているということはそこに繋がっている腰椎はより前弯が強くなりS字も大きくなると考えられます。
しかしこれとは反対に、ニューテーションし下方に下がることで重心位置も下がり、それによって脊柱は後弯するのではないかという考えもあります。
ただ一般的にいわれているのは、前傾に伴い腰椎も前傾しS字も強くなる。ということです。
反対にカウンターニューテーションの場合は、後傾しながら上方に上がっていきます。
腸骨が開き坐骨が内側にしまっていくような動きをします。
見た目的にはヒップアップしているようなアライメントになります。
これもニューテーションと反対で仙骨に付着している脊柱は、仙骨のカウンターニューテーションとともに後傾し、腰椎・脊柱が後弯すると言われています。
しかしこれにも反対の意見があり、仙骨は後傾するが重心位置が高くなるため結果的にS字は強くなるという人もいます。
一般的な意見としては脊柱後弯ではないかと考えます。
また仙骨は男女でも形の差があり、男性の方が幅がせまく長く湾曲が強いと言われています。
それに対して女性の仙骨は短く幅が広くまっすぐと言われています。
仙腸関節の部分を見ても女性の方が断面はまっすぐになっています。
つまり仙骨と腸骨の間に起こるせん断力も大きくなります。
それゆえに臀筋群の緊張なども起こりやすく、それによって腰痛なども引き起こしやすいとも言えます。
そのほかにも筋力低下を起こしやすく、ズレ落ちそうになるからトレンデンブルグになり変形性膝関節症を招くということもあり得ます。
最近の研究では歩行時に仙骨は22〜36度動いているとも言われています。
しかし年齢を重ねると仙骨の可動性は失われていきます。
そのときに起こるのが、仙骨化と腰椎化です。
仙骨化というのは、L5が仙骨にくっついてしまい可動性が出なくなることです。
反対に腰椎化というのは仙骨がL5にくっついてしまいグラグラになることです。
可動性が失われるということは、年を重ねるごとに起こるものとして多いのは仙骨化です。
可動不全
仙腸関節は骨盤全体の可動性に関わるため、可動不全や機能低下が起こると、生活、スポーツともにパフォーマンスに大きく影響します。
様々な研究から、機能低下や可動不全が起こるとされている主な理由は3つあります。
①大臀筋と対側の広背筋の協調不足
大臀筋と対側の広背筋はお互い仙骨に触れ、胸腰筋膜で繋がっています。
例えば片足立ちをして大臀筋が働く時、体側の広背筋も協調して働きますが、これが上手く働かないとなると仙骨はグラグラと不安定になります。
それを補うように他の周りの筋肉や組織が緊張し、それによって仙腸関節の可動性が悪くなります。
痛みを伴うかどうかは別として、筋や組織が硬く凝ってしまうことは考えられます。
②股関節伸展可動域の低下
これは股関節の伸展可動域が低下したから仙腸関節の可動域不全や仙腸関節痛が起きたのか、仙腸関節の可動域不全や仙腸関節痛が起きたから股関節の伸展可動域が低下したのかは、どっちが先でどっちが後かという問題ではありますが、少なからず仙腸関節の可動域がでない人は股関節の伸展可動域も狭いとわかっています。
このことから言えるのは、股関節の伸展可動域が狭いのにも関わらず、無理やり股関節を動かそうとして仙腸関節痛になるケースがあり、一方で仙腸関節痛を訴えている方の多くは股関節の伸展可動域が出ない方が多いです。
③多裂筋、脊柱起立筋の過活動
これも同じで、多裂筋や脊柱起立筋が過活動を起こしており、それを無理やり動かそうとするがゆえに他の筋肉や周りの組織が緊張して可動域不全を起こしているのか、仙腸関節痛が先に起きてそれをかばうために歩幅を変えずに歩いた結果、多裂筋や脊柱起立筋が過活動を起こしているのか、これも両パターンが考えられます。
アプローチ
仙骨へのアプローチは慎重に丁寧に行います。
仙骨というのは5つの仙椎が癒合したものと言われており、 一部の研究では26歳で完成するとも言われています。
このように、組織上の仕組みからみても仙骨は組織が弱いのではないかと考えられます。
つまり過剰なモビライゼーションはあまりオススメしません。
仙骨の周辺には数多くの神経組織が通っているので、ここを強う押してしまうとヘルニアなどを誘発してしまう恐れもあります。
また前傾方向へのモビライゼーションは、分離症やすべり症に注意しなくてはいけません。特に若年層の方には要注意です。
これらを考えると危険性が高いためあまりやらない方が良いアプローチだったりします。
やったらダメというわけではなく、リスクも伴うということをしっかり知っておこうということです。
そもそも前提条件として、リスクを伴わない徒手的な誘導で仙骨が動くのだとしたら、歩いたり走ったりするだけで仙骨は外れています。
仮にリスクを伴わない程度に軽く仙骨を前傾方向に誘導したとして、何か改善できたのであれば、それは仙骨の前傾によるものではなく、触られたことによる皮膚から何かしらの皮神経系のアプローチや自律神経系の変化、触られたことで皮膚誘導による可動域の変化などを考えるべきです。
それではどのようにアプローチしていくかというと、仙骨に触れている筋肉に対してアプローチしていきます。
大臀筋、梨状筋、多裂筋、脊柱起立筋、広背筋など。
特に大臀筋はとても強い筋肉で仙腸関節をまたいでいるため、大臀筋が硬く股関節の可動域も悪いと判断しリリースすることで、遠回しに仙腸関節の可動域を確保するということは可能だと考えます。
ただ先ほどもお話ししたように、徒手的に仙腸関節をゴリっと動かすことは難しいですが、それでも仙腸関節を動かすことで仙腸関節の可動域を確保する!というのであれば、歩いたり走ったりするのが一番です。
大切なのは、徒手的に前傾方向後傾方向にアプローチして体に変化が起きた際に、仙骨が動いたから変化が起きたのではなく、その他何か別の要因で、仙骨に何かしらの影響があり、仙骨の周りの筋肉や組織、皮膚から脳へのフィードバック、そしてそこから導き出される答えにより仙骨周りの筋肉が緩んだり、関節の可動性が出たりしたのではないかと考える方が良いのではないかと思います。
つまり体をコントロールしているのは全て脳だということです!☺️
以上、仙腸関節についてでした!
長くなりましたが理解できましたでしょうか??笑
バーーーーっと書いたのであまり見返してませんが、何かあればインスタにてお問い合わせください!
それでは次回の記事でお会いしましょう!
さよなら!!!!!!