食べず嫌いはもったいない! 果汁たっぷり、舌でとろける食感のラ・フランス
2020年の洋梨シーズンもあとわずかです。旬が終わるまでにたくさん味わいましょう!
とはいうものの、数あるフルーツの中でも洋梨(ここではラ・フランスとします)は食わず嫌いの人が多いような印象があります。すごくもったいないと思うんですね。完熟したラ・フランス、他のフルーツにないとろける食感とジューシーな口当たりでどことなく贅沢な気持ちになるんです。
「過去食べたラ・フランスがおいしくなかったからちょっと苦手・・・」な方。洋梨のおいしい食べ方を改めて知っていただき、おいしいラ・フランスをあじわえますように。
【洋梨の女王】【バター・ペア】と呼ばれるラ・フランス
ラ・フランスは、洋梨の中でも代表的な品種でフランス原産のフルーツです。とろけるような食感と、芳醇な香り。さらには濃厚な甘さ。ゆえに別名「バター・ペア」とも呼ばれています。
(“森のバター”と例えられるフルーツもありましたね!そう、アボカドです♪)
フランス原産ですが、今はほぼ現地では栽培されていないそうです。なぜなら、栽培と収穫後の管理にとてつもなく時間と手間がかかるフルーツだから。
育てるのが非常にむずかしいフルーツ。日本では約80%が山形県で栽培されており、晩秋の味覚として人々を楽しませてくれます。生産農家のみなさんのご苦労を思うと頭があがりません。
ラ・フランスが他のフルーツと違う点は、「もぎたて」ではなく「追熟」してからあじわうこと。だからこそ、食べごろの見極めが必要になってくるんですね。
食べごろを見誤って本来のラ・フランスのおいしさに出会えないままの人が、とてもたくさんいらっしゃいます。とても残念でなりません。
しかし完熟ラ・フランスは、ゴツゴツとした見た目からは想像もつかないほど、その果実は繊細でなめらか。他のフルーツでは体験できない口当たりに虜になる人も多いんですよ。
最適なタイミングで食べるラ・フランス。
・とろけるようななめらかさ
・濃厚な甘さ
・ジューシーさ
すべてにおいて別格で、忘れられない味わいになります。
ラ・フランスおいしさの秘密は、「予冷」と「追熟」
多くのフルーツはもぎたてのフレッシュさを味わいますが、洋梨はちょっと違います。
おいしい洋梨を味わうためには、収穫後の適切な管理「予冷」と置く期間「追熟」が重要なポイントになります。
【予冷】
洋梨は、収穫後すぐ2〜5度の低温貯蔵庫に移動。10日間ほど洋梨の呼吸を人工的に抑えます。
10日後常温に置かれた洋梨は一斉に呼吸をはじめます。どうなるかというと…デンプン質が糖分に変化するのです!
収穫後すぐの洋梨はボソボソ・パサパサな食味で、甘さもありません。とろけるような甘さのために「予冷」の管理が必要なんですね。
【追熟】
「予冷」のあとは、10日ほど常温で管理して追熟させます。
理想室温は、15〜20度。味や香りなど品質を保持しながら完熟させるのに適した温度です。
日当たりが良かったり、室温が高めだと、洋梨は早く完熟。逆に、冷蔵庫に保管していると追熟するスピードは非常にゆっくりになります。
食べごろになるまで「じっくりと待つ」ことが大切なんです。
手軽で便利なものが増えた令和の時代、おいしいものを食べるために「待つ」楽しみもまた、新鮮な時間なのかもしれません。
ラ・フランスの食べごろのサインの見極め方
ラ・フランスは、他のフルーツと違い追熟しても果皮の色があまり変化しません。そのため、食べごろを見極めるのに判断がむずかしいフルーツでもあります。
おいしい時間のため、待っていた時間は無駄にしたくないもの。
洋梨のとろける味わい、格別なひとときを楽しむため、洋梨の完熟状態の特徴をぜひ知っていただけるとうれしいです。
<ラ・フランス:食べごろのサイン>
1.軸がしおれる
2.軸のまわりにシワがよる
3.芳醇な香りが強くなる
4.軸の周りを押してみて、弾力のある柔らかさを感じればOK
この4点を毎日観察してください。
特に4番目、軸まわりにシワがよった部分を軽く指で押してみて、耳たぶのような弾力を感じられれば完熟している証です。
さらにおいしく味わうポイントは、お召し上がりになる1〜2時間前に冷蔵庫で冷やすこと。甘味成分が増え、濃厚な甘さが引き立ちます。
洋梨の食べ方いろいろ
ラ・フランスは、工夫次第でいろいろな楽しみ方ができます。
旬のうちに、ぜひたくさん味わってくださいね。
<定番カット・くし切りで>
1.皮をむかずに4等分に切る
2.真ん中の軸の部分をりんごのように切る
3.最後に皮を薄くむき、食べやすい大きさにカット
たっぷりの果汁ですべりやすくなっているので、切り分ける際はお気をつけください。また、よりおいしく召し上がるには食べる直前1~2時間前に冷蔵庫で冷やしてくださいね。
<スプーンですくって食べる>
1.半分に切る
2.スプーンで芯をくり抜く
3.スプーンで果肉をすくう
ラ・フランス最大の特徴は、とろけるような果肉の柔らかさ。芯までもがスプーンでかんたんにくり抜けます。
ひとりだけで堪能するならスプーンでそのまますくってそのまま口の中へ。贅沢なひとときを味わえます。
<冷凍してシャーベットとして>
1.半分に切る
2.スプーンで芯をくり抜く
3.ラップで密着させて包装し、冷凍庫へ
4.凍ったらお好みの状態まで解凍させる
5.食べやすい大きさにカットするか、スプーンですくって食べる
冷凍すると口の中で果皮の違和感がなく、おいしく食べられるのがうれしいんですよ。
寒い冬はあたたかい紅茶の中に凍ったままいれてホットフルーツティーとして楽しむのも、また違ったあじわいになりおすすめです。
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