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【育休6月課題本】ものづくり興亡記 名も無き挑戦者たちの光と影ー前半戦ー

みなさんこんにちは。
今回はこちらの本を読みました。
いやー、面白かったですが、読むのに体力いりましたね…。
なかなかボリューミーだったので、前後半に分けていきたいと思います。

あらすじ

「失われた30年」は、ものづくり敗戦の30年でもあった。希望はないのか――
現場を知る取材記者による迫真のノンフィクション。

大手企業から露骨なさげすみを受けながらもしたたかに生き抜き、国内トップにまで上り詰めた下克上企業・今治造船。悲願の国際旅客機計画に挑みながらも志半ばで潰えたMRJ。確かな技術力でオンリーワンの座に就いた「変態工場」=日立金属・安来工場がはまった落とし穴。周回遅れの日本の次世代モビリティの中で輝きを放つホンダ「空飛ぶクルマ」。

【目次】
第1章今治造船・本社工場―瀬戸内から世界へ、造船一族の下克上
第2章三菱重工業・名航―MRJはなぜ飛べなかったのか、空の名門の挫折
第3章日本製鉄・君津製鉄所―宿敵・中国を育てた伝道師たち、「鉄は国家」のDNA
第4章シャープ・亀山工場―日の丸家電の栄光と凋落、液晶「オンリーワン」の驕り
第5章日立金属・安来工場―「ハガネの変態工場」、検査不正はこうして生まれた
第6章ホンダ・和光研究所①―「異質であれ」、F1の救世主が紡いだ哲学
第7章ホンダ・和光研究所②―再び空へ、未来のモビリティーを求めて

Amazonあらすじより

所感&本当に企業の興亡記!!

うまくいっているメーカーもあればそうでないメーカーもあり。両方の面が一冊で読めるのは面白いですね。
今回は1章〜3章までの感想です。

① 今治造船

産休入る前は舶用関係のメーカーを担当していた事もあり、知っている造船所の名前がたくさん出てきて面白かったです。

瀬戸内の小さな造船所で、大手企業から馬鹿にされた扱いを受けながらも、今では造船で国内トップになった今治造船。名前だけは聞いたことあるけれど、こんなに一族経営で、また統廃合を繰り返した歴史があるなんて知らなかったです。

昔は世界を行き来する船の2隻に1隻は日本製だったんですって。驚き。

造船という大きな産業だからこそ、戦前から今にかけても、国との折衝が発生するけれど、国の支援が大きい中国や韓国に苦戦を強いられている実情。
そんな中、次世代機の技術を持って世界に打って出る…。かっこいいですね。
きっと険しい道のりになるでしょうけれど、見てみたいな。育休明けで同じ部署に戻れたら、今後がとても楽しみになりました。

② 三菱重工業・名航

日本の産業界の悲願とも言われた国産旅客機。
無知な私は噂で聞いたことある、くらいでしたが、実際に頓挫するまでこんなに色んな事があったのか、と思いました。

かつて「風立ちぬ」の堀越二郎がいた場所で受け継がれる飛行機作りの伝統。
アメリカの下請けではなく、日本で旅客機を作るぞ、と熱い思いを掲げながらも、世界との壁に打ちのめされていく。

日本企業らしさによる弊害だったり(書類文化や承認の煩雑さ等)逆に中小企業の底力だったり(朝ドラの舞い上がれみたいな)、色んな側面が描かれていてとても面白かったです。

③ 日本製鉄

鉄鋼。
メーカーとして、材料で目にする事はあるけれど、実際に製鉄、という事については、歴史もほぼ知らない私。
この章を読むと、「鉄は国家」の言葉が象徴するように、近代化の要であり、自国だけでなく世界をあげて行ってきた事だったんだな、という事がわかりました。

どこもメーカーって中国、韓国からの攻勢を受けるんだな、とは思っていたけれど、
日本製鉄に関しては、日中経済協力プロジェクトとして協力した上海宝山製鉄所がライバルになるという皮肉。。ちなみに、山崎豊子の「大地の子」にも出てきたらしいですね。読んだことはないですが、知っている題名だったので、俄然興味が。

「その頃の財界人は世界の発展のために日本にできることは何かと考える。中国の発展はアジアの安定につながる。そのために貢献しなければならない。そういう考えです」

P120

本当に、日本だけではなくて、アジアの安定だのを考えて協力を、とかあるんですね。規模がでかい。

また、もう一つ驚いたことは、製鉄所ってなんだか古いイメージを持っていたのですが、実はラインにセンサーが山のようについているんですって。AIを使用したシステムを独自に開発しているって、なんだかイメージと違ってびっくりしました。

いやー、一個一個が盛りだくさん!
なかなか読み終わりません!笑

気になった会社はありましたか?
後半も楽しみに、読んでいこうと思います。

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