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Book Cover Challenge 1周目まとめ

久しぶりに本棚の本をじっくり眺めました。

わたしは気に入った本は手もとにとっておくタイプで、それはつまり本の量が多いというわけです。
本の総量で分けると、小学校〜大学までに読んでいた本が1/4、留学中の本が1/4、帰国後の本が1/4、レシピ本やガイドブックが1/4でしょうか。
本棚はわたしの個人史のようなものです。

フェイスブックで「7Daysbookcoverchallenge」のバトンが回ってきたので、やっていました。
大変だったのは、7冊という数少ない本を選ぶことと、「表紙だけ挙げて内容については語らない」というルールを守ることです。
本についてすぐに語りたくなってしまいます。

それでもどうにか自制して本の周辺についてのみコメントして、内容には言及しなかったと思います。
そこで、今日は7日間で紹介した本について、ごく軽く語ろうと思います。

ちなみに、2回目のバトンが回ってきたので今やってます。

『カード・ミステリー』(ヨースタイン ゴルデル/徳間書店)

『ソフィーの世界』の著者ヨースタイン・ゴルデルの作品です。彼の著書では初めて読んだ本でした。
ファッション界で迷子になったママを迎えに、父と息子が北欧からアテネまで旅をする物語です。
主人公の「僕」は、道中のガソリンスタンドで、奇妙な老人から豆本を渡されます。
そこには、ふしぎな島に辿り着いた男の物語が綴られていました。
物語は、父子の旅と、豆本の物語が入子のように組み合わさって展開していきます。

ゴルデルは、物語が何重にも重なって展開していく作品を多く書いています。
『ソフィーの世界』しかり、『アドヴェント・カレンダー』しかり。
ぐいぐいと引き込まれて読んでしまうのですが、気をつけていないと自分がどこの時代にいるのか、見失ってしまいます。

『ソフィーの世界』に顕著ですが、ゴルデルは哲学史や思想史を軸に物語を書いているので、読んでいるうちに主要な概念について学べるのも、おもしろいところです。

それにしても、味の変わる魔法のソーダ水はいつか飲んでみたいものです。

『指輪物語』(J.R.R.トールキン/評論社)

ファンタジーの超大作で、2001年に映画化される前に気合で読み切りました。
壮大な世界に圧倒される、今でも好きな作品の一つです。

小人族の中年フロドが、古の冥王の造った「滅びの指輪」を破壊するために旅をする物語です。
それがやがて、世界の存続をかけた大戦争につながっていきます。

何がいいって、トールキンはこの世界の創世神話、歴史、種族、言語、歴史などを創り上げているところです。
『指輪物語』は結局のところ、トールキンの創造した世界の歴史の一部に過ぎないのです。
それだけ骨太な作品なので、『指輪物語』だけ読んでいてもわからない歴史上の人物や伝承が、ちょくちょく顔を出します。
特に詳しい説明は作品中ではされないのですが、トールキンのほかの本を読むと、「ああ、あれはこの人たちのことか」と分かるようになっています。
ここから沼にハマる人が出るんですよねぇ……。

映画もよくできていますが、やっぱりわたしは原作主義者なので、原作のもつ言葉の力に勝るものは無いと思います。


『高慢と偏見』(ジェイン・オースティン/ちくま文庫)

イギリスの18世記末〜19 世紀初頭の小説、と聞いて、どんな作品を想像するでしょうか。
ジェイン・オースティンの小説については、わたしは「王道ラブコメオンパレード」だと思っています。

彼女の書いた長編小説6作はいずれも「結婚」で終わる恋愛小説で、パターンもバリエーション豊かで飽きることがありません。
基本的に軽いノリで読めますが、オースティンの人間観察力にはドキっとさせられることが多々あります。
『高慢と偏見』は中流階級の5人姉妹のうち、特に上の2人、ジェーンとリジーの恋愛模様を描いています。
純粋で素直で気立ての良い美人のジェーンは、同じく優しくて気立ての良いビングリー氏と一目で恋に落ちます。
知性と好奇心にあふれたリジーは、プライドが高くて無愛想なダーシー氏が気に食わなくて仕方がありません。

ダーシー氏にとって、大地主の自分に媚びを売らずに、むしろ知的な皮肉を投げつけてくるリジーは「おもしれー女」な訳で、まあなんというラブコメでしょう。

いつの時代も、ラブコメのパターンは似たり寄ったりですね。

『ももこの世界あっちこっちめぐり』(さくらももこ/集英社)

『ちびまる子ちゃん』でおなじみのさくらももこは、エッセイもたくさん書いています。
どれも読みやすいしおもしろいので好きですが、この本は本当によく読み返しました。

ガウディのグエル公園やサクラダファミリアについて知ったのもこの本です。
10年以上経ってはじめてバルセロナに訪れたときは、感慨深く思いました。
「こんな旅をしてみたいな」と幼心に思っていましたが、旅をおもしろくするのは結局のところ、本人の感性ですね。
文章がおもしろい人の手にかかると、旅のハプニングもありふれた光景も愉快になってしまうのはすごいことです。
たぶん似たような体験はしているはずですが、自分だとさほどおもしろくなかったり。

今回のチャレンジで中身をペラペラ見返してみたら、スペインのトレドにも行っていたようです。
トレド、いいところなんですよ。
スペインの昔の首都で、まさに要塞という町づくりになっています。

久々に読み返えそうと思いました。

『っポイ!』(やまざき貴子/白泉社)

人のチャレンジを眺めていたらマンガが挙がっていて、「そっか、マンガでもいいんだ」とハッとしました。
どうも「本」をいうとマンガを除外してしまうタイプです。
マンガも読みますが。

平と万里の中3幼なじみコンビを中心に描いた、青春群像劇なんですが、大好きでした。
30年近く連載していたので、最後の方はみんなケータイを持っていたり、女の子の制服のスカート丈が膝下から膝上に変わっていたりと、時代の流れも感じられます。
わたしも平と万里と同じクラスでいたかった、と願ってしまうようなキラキラした楽しい日常が、そこにはありました。

とはいえ、結構シリアスなことさらっと触れていて、イジメやクスリ、不登校、自殺、同性愛、家出など、中学生を取り巻く問題もテーマになっていました。
今考えるとすごいな。
全然重苦しい感じがしないで読んでいました。
それもありふれた日常の一部として。

これももう一度読み返したいマンガのひとつです。
早く電子書籍になってくれ。

『原罪の庭』(篠田真由美/講談社)

シリーズものは、巻を重ねると登場人物の過去を描きがちですが、これも登場人物のひとり、蒼の過去の話です。
事件としては「凄惨な」殺人事件なのですが、メインが桜井京介と蒼が絆を作っていくところなので、するする読んでしまいます。

天窓から溢れる光の中、ソファでまどろむ青年と少年。
バラの生い茂る温室の中で、死体の血を塗りひろげる幼児。

視覚的な刺激がひどく印象に残っています。
なんでこの巻が好きなのか、自分でも不思議です。
(蒼くんの話だからだろうな。)

『スレイヤーズ!』(神坂一/富士見ファンタジア文庫)

これとの出会いは衝撃的で、小学生のころたまたま夕方にテレビを付けていたら、アニメが始まったんですよ。
しかもその日が第1話だったんです。

「ライトノベルの元祖」として扱われることの多い本作ですが、富士見ファンタジア文庫の初期の作品としては一番売れて、一番メディアミックスされ、一番続いたからだと思います。

本編は15巻、短編が35巻あって、全部読むのは時間が…… いや、サクッと読めるからそんなにかからないか。
2018年になってまさかの本編新作が登場し、2019年に第三部始動!となってファンの大人たちをざわつかせました。

世界観や設定もしっかりしているし、一人称小説だからこそのギミックやのりの良さもあるし、キャラも立っているし。
本編第二部は結構エグ目の話も揃っていて、読み応えがあります。
戦闘シーンの緊張感が大好きです。

新しい冒険の続きも早く読みたいな。

おわりに

7冊って、選ぶのが本当に難しいです。

「好きな本は?」と聞かれると、とりあえずこれとこれとこれ、と答えるものはいつも5作家分くらいにまとめるようにしているのですが(5作品、とは絞れない)、実際に本棚の前に立つと、どれを選んだらいいのやら。

わたしを構成する本は、もっともっとあるのですが。
つくづく、本に形作られてきた人生だなぁと思います。

今やってる2周目のチャレンジでは、映画の原作本縛りでやっていますが、こちらは意外と手持ちに少なくて、別の意味で大変です。

色んな人の本棚を覗き見れるこのチャレンジ、おもしろいのでまだやっていない人はやってみてください。

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