夫の役割 妻の役割
(こちらは2015年執筆の記事です)
私たち夫婦は、元々同じ会社で働いていたのでお互いの仕事の仕方が全く違うことがよくわかっています。
お互いの強みがわかっていて、その強みが自分にはないこともよく分かっているのであまり喧嘩になりません。(夫の忍耐強さは半端ではなく、イライラが怒りに達するまでの沸点が高いおかげであるとも思いますが)
育休が始まるまでは、「夫は働いて経済的に家を助ける役割」「妻は家で子育てと家事をする役割」に分けていました。
「今はこれが最適な役割分担だからしているだけで、この役割はいつでも変更できるし、修正できる」と夫はよく言っていました。
本来外で働きたくてルーチーンワークが何より苦手な私が、日々の主婦業のストレスで壊れるのではないかと心配して予防線を張ったのかもしれません。
でも育休が始まったらこの役割の線引きがあいまいになって、夫婦喧嘩も増えるのかな、となんとなく思っていました。
そして、育休がはじまって一ヶ月が経って、私にはわかったことが一つあります。
以前からうすうす感じてはいましたが、それは、「夫は、私より主夫に向いている」という事です。
以前は全く料理しない夫でしたが、今は朝私が起きると朝ごはんが出来ています。
今朝は、「昨日のカレーの残りがあるから今朝はカレーそうめんにしたけど、お弁当用にごはんも炊いておいた」と言いました。
一度にひとつの事しかできないはずのモノタスクの夫が、朝ごはんとお弁当のことを同時に考えている。
そして冷凍庫を見ながら、「夕飯は餃子でいいかな」と。
料理というものは、そこにある限られた材料でいかに美味しく栄養価の高いものを作るか、というクリエイティビティが発揮される作業。
すっかり私の領域だと思っていたのですが(失礼)夫は一ヶ月でこの能力を発揮したのです。
これが同じ人?
私のストレスの一番の原因でもある兄弟喧嘩の仲裁も、全くイライラせずに何度でも入っていきます。
そしてもうひとつ、劇的に変わったこと。
うちは突然時間に厳しい家庭になりました。
夫がPCで作って壁に貼った「じかんわり」には、時計の絵のよこに文字が書いてあり、
あさ
7時 おきる
8時 あさごはん
9時 ようちえん
よる
6時 ゆうごはん
7時 おふろ
8時 ねる
と書いてあります。
そして、これが始まってから10日ほど経ちますが、長男の朝の恒例だった「幼稚園行かない」が完全になくなりました。
私は本当に驚いています。
今までは、夫の出勤後に起きてきて、朝ごはんを食べながら遊んで、テレビを見ながら着替えて、私に「幼稚園行くよ」と言われて「やだー。行きたくないー」だったのですが、一緒に「いただきます」を言えるようになったのは確実に大きい原因のひとつでしょうが、それ以外でも夫が上手に子どもたちを誘導して「よし、じかんわりを見て。8時まで遊べるぞ」とか「9時になったら出発だからはやく着替えてあそぼう」とか言うと、長男もすっかりその気になって「よし!」とか言ってなんだかキビキビとしているのです。
すごい。
これは私は一人では到底ムリな芸当。
家事の量もありますが、私はそれほど今までの人生でタイムマネジメントに苦労してきませんでした。
とても雑だけれど仕事は早いので、あまり時計を見ながら物事を進めるということに慣れていません。だから「じかんわりを作る」というアイデア自体が出てこない。
でも夫は自身が時間管理、タイムマネジメントにとても苦労して試行錯誤してきた人。こういう時に即座に使えるツールが出てくる、取り組み姿勢のアドバイスが出てくるのは強いなあと思います。
子どもが自分で時計を見ながらいろいろ作業するようになっているのを見て、なるほどねえ、と舌を巻いています。
後輩の育成、苦手だったな、私・・。
適材適所でやっていこうと思っている今日この頃です。