-GOOD BOY GONE BAD- 'Nihilist'と'Narcissist'
そろそろGOOD BOY GONE BAD(Japanesever.)のリリースが近付いて来たのでニヒリストとナルシシストとは何か?また現代におけるニヒリストの考え方についてさらっとおさらいも兼ねて解説。
また日本バージョンが解禁になったらまた全体通してのレビューをまた書こうかななんて思っている。
先月の7/3に出たリリーススケジュールで3rd JP Single ‘GOOD BOY GONE BAD’のコンセプトについて初公開された。
コンセプトは'Nihilist'と'Narcissist'
そして次の日から続々コンセプトフォトやらクリップやらが出た。
少し紹介すると
こちらが'Nihilist'
こちらが'Narcissist'
ニヒリストはガランと崩壊した空間で佇んでおり、その一方ナルシストはベッドの横に大きい鏡があり、いつでも自分を見つめられる自己陶酔できる空間になっている。
ナルシシストは聞き慣れた言葉だが、ニヒリストはあまり聞き慣れない人もいるだろう。まずはわからない方達のためにニヒリストの解説から。
・ニヒリストとは
ニヒリズムな考えを持つ人のことである。
虚無主義者。
ニヒリストやニヒリズムなどを検索しても難しい言葉ばかりで「よくわからない!」って思う人もいるかもしれない。
ざっくりとわかりやすく言うと生きていく中ですべてのことに対しどうでもいいと思っている人。
例えば「夢なんか持っても意味が無い」や「どうせ人は死ぬんだから~」とか「今こんなに頑張っても意味が無い」など
何をするにも「目的」や「価値」を見つけない人を指す。
ニヒリズムの分類
ニヒリズムには種類が2つあり
①消極的・受動的ニヒリズム
②積極的・能動的ニヒリズム
この2つに分類される。
①は上にも書いた通り、何をするにも無価値だと思っていて流されるままに生きていく人。
②は人生に意味など無い、価値が無いとわかっていながらも自分自身で生きる意味や目的を見つけ、生きていこうとする人を指す。
極端に言うと、絶望したまま生きてるか、希望を見つけながら生きていくか。
TXTの楽曲は主に「THE CHAOS CHAPTER:FREEZE」から消極的ニヒリズム→積極的ニヒリズムへ変わっていっている曲が多い。
例えば「0X1=LOVESONG(I Know I Love You)」も最初は
消極的ニヒリズムから入っている。
闇の中にいた少年は「道が無かったんだ。死んでもよかった」と言っていて生きる意味も見つからず絶望の中にいる。
この部分は消極的ニヒリズムだ。
そして後半部分から「寒い大気が溶けていく」「探し出した君という温もり」君に対して自ら「助けて」と声にし行動を起こすことで凍った心が溶けだして、君と一緒に生きていくという希望を見つける。
そして今回の「GOOD BOY GONE BAD」にもニヒリズムが
使われているが、それはナルシストの説明の後に解説する。
・ナルシシストとは
ナルシシズムとナルキッソス
ナルシストには語源があり、それはギリシャ神話に登場する「ナルキッソス」という青年の話が語源になっている。
今回のコンセプトフォトも自分の姿を映す’鏡’が所々に出てきている。
表情もうっとりと自己陶酔しているような表情でこちらを見ている。
・GOOD BOY GONE BADから読み解くニヒリズムとナルシシズム
「GOOD BOY GONE BAD」の歌詞に出てくるニヒリズムとナルシシズムについて。
この曲では消極性・積極性ニヒリズムとナルシシズムが混合している。
これは裏切りにより絶望している消極的ニヒリズムと自らの意思を持ち、過去の自分を葬り、自らを破壊しようとする
積極性ニヒリズムへの変化を感じる。
その中にも壊れた気分や絶望の夜に甘さを感じ、自己陶酔
している様子が見られる。
MVでは過去の酷く荒れた様子や自分を葬る描写、そして鏡で自分を見つめたり、酔いしれているような仕草のダンスなど絶望し、自らを破壊、そして生まれ変わる自分に酔っているように感じた。受動的から能動的そして自己陶酔へ。
また新たに出る日本ver.のMVでもそういったものが多く見られるのではないかと今からとても楽しみだ。
・現代におけるニヒリズムの在り方
Z世代に生まれた人達から~今の10代の間では、ニヒリズムな考えを持つ人が多いようだ。
消極的ニヒリズムである「どうでもいい」という感情に捕らわれるのではなく「人生に重要なものなんてない。それなら人生を楽しもう。」という新たな「陽気なニヒリズム」という人生観が広がってきているようだ。
最近だと1番新しい「Thursday's child」の中にある「Thursday's child has far to go」が陽気なニヒリズムを表している楽曲になっているのではないか。
今まで絶望の中に居た少年は運命と向き合うことを決め、
自分のこれから始まる日々に足並みを揃え前に進む決心を
する。
今まで自分が歩んできた道のりよりも険しいかもしれない、何が起こるかは予測不可能だけれどきっと素敵な日々が自分には待っている、と自ら歩みだして希望を持ってこの先を楽しんでいこうと思っているようにみえる。
もしかすると「Thursday's child」はZ世代における生き方や考え方、心の内を代弁したアルバムになっているのかもしれない。