漫画『チ。ー地球の運動についてー』を読んで思うこと。
漫画『チ。ー地球の運動についてー』を読んでみました。『ビックコミックスピリッツ』で連載された魚豊氏による青年漫画です。
2021年にマンガ大賞で2位になり話題に。
2022年に完結して、今年後期にはアニメ化するらしい。
15世紀の世界を舞台に、天動説が宗教的に正しいとされた時代、地動説を信じ、真理を探求した人々の物語です。
この時代の天文学は教会と密接なつながりがあり、漫画では地動説を唱える者は異端思想とみなされ、弾圧されていました。冒頭わりと、残酷な処刑や拷問シーンの描写が多く、お正月に読んだらダメなやつでした。
(娘がコレ面白いから読んでみてと貸してくれたが・・・)
とはいえ、なかなか哲学的な悲劇で、全8巻、一気に読みました。
登場人物たちが、一様に抱いた『驚き』から、知的欲求が始まり、知を愛し求め続け、命懸けで言葉に残し、それを繋いでいこうとする物語には、胸が熱くなります。
この作品が、どれだけ史実とリンクしているか、わかりませんが、地動説を本にまとめたコペルニクスは、教会とは良好な関係で、弾圧などは無かったと思っていたので、漫画を読んでいて、ちょっとびっくりしました。
確かに、ガリレオは教会と揉めていたけど、それは地動説の真理ではなく、ガリレオのキャラ的な問題だったような気がする。
この作品はフィクションですから、派遣異端審問官のノヴァックさんみたいな弾圧をした人が、当時いたかもしれないという、設定なのでしょう。
結局のところは、天動説にしろ、地動説にしろ、どちらも正しいのです。
天動説は、地球を基準にした真理だし、地動説は太陽を基準にした真理。
ニュートンが重力を定義するまでは、地動説の証明ができなかっただけだし、宗教的概念を除けば、天動説が、間違っているということもないのです。未知の宇宙規模でみたら、また違う正しいがあるかもしれないし。
視点によってたくさんの正しいがあるから、ひとつの正しいだけに、固執しないように、気を付けようと思いました。
私たちの暮らす地球は、5億光年もの大きさのラニアケア超銀河団の中の
一つの点です。この中に10万個の銀河があると言われています。
なんだか羽毛みたい。
世界はわからないことだらけで出来ている。
【おまけ】
今日は娘がこの曲いいよと教えてくれた、FAKE TYPE さんのFAKE LAND
早めのラップですが古き良き時代のサーカスにかかっていそうな音楽で、以外と好きなのは、やっぱり母娘だからでしょうか・・・。
アニメの絵もカワイイ。
いつも読んでくださり
ありがとうございます。