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隕石
少し前に買っていた文庫本、まだ手を付けてなくて、昨日寝る前に読んだ。2ページのまえがきがあり、突然の悲しみを隕石の衝撃に例えていた。
隕石の角を丸くしてくれるのは、大きな喜びやきらめく光だけでなく、むしろそういったものよりも日々の小さなこと、交わすほほえみや夕焼け、美味しいごはん、口ずさむメロディetc.がゆっくり溶かしてくれるんじゃないか。もしかしたら、いつか、時間をかけて磨かれた石が鈍く光りだすことがあるのかもしれない、というようなことが書いてあった。
慌てて、本の最後のページを見る。発行日は2020年10月15日。
放たれた言葉をどう受け取るかは私の自由。解釈違いかもしれなくても、宮下奈都、ありがとう。宮下奈都も隕石を抱えて、今を共に生きてる。私に向けられた言葉じゃなくても、十分救われる。
たった2ページのまえがきでやられた。
そうだー隕石は何かの原石かもしれないな。尖った石は海にはないように、尖っていたくたっていつまでもそうはいかない。溶かしたり磨いたりしようと思わなくても、生活していれば自然とそうなっていくんだろうな。寄せては返す波のように繰り返す日々は、隣り合った石をも巻き込んで、ごちごちとぶつかったり擦れ合ったりしながら、いつの間にか角が取れていくんだろうな。気付いたら丸くなってるんだろうな。