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〈サロン・デュ・ショコラ〉でセレクションBOXは買わないで
こんにちは、ショコラリスト®︎サユリです。
1ヶ月に2キロのチョコレートを食べてもスタイルキープしています。
さぁ、2025年もチョコレートシーズン突入ですね。年に一度のチョコレートイベントが、各百貨店にて開催されています。中でも世界最高峰のショコラが集結する伊勢丹のサロン・デュ・ショコラが一番有名ですよね。
ショコラ愛好家の方々は、もう狩りに出かけるかの気合いでお買い物ですよね 笑
すでに地図(公式カタログ)で獲物(チョコレート)の目星は付けていらっしゃると思います。狩場を巡る順路や休憩(イートイン)も抜かりなくプランニングされていますよね。
で、ひとつ、ここでご忠告。
サロン・デュ・ショコラで毎年恒例のセレクションBOX、毎年人気で完売しています。こちらには有名ショコラティエの至極のショコラ一粒ずつがアソートされています。お得に一同に会しています。
あるいはアムール・デュ・ショコラのスペシャルコラボレーションBOXも同様の企画です。
でもね、はっきりと言わせてもらいます。
たった一粒で、そのショコラティエの味わいが分かるはずはありません。
というのも、ショコラティエはそれぞれ周波数が違うのです。哲学も美学も違います。つまり、世界感が違うのです。
それをお得とばかり、ひとつの箱に詰め合わせるのは正直、無理があるのです。そもそも、ゆったりとスペース感を持って詰め合わせるショコラティエもいれば、ぎっしり隙間なく詰め合わせるショコラティエもいます。グラデーションを付けながら詰め合わせるショコラティエもいれば、ポップにコントラストを付けながら詰め合わせるショコラティエもいます。
本来ならば、箱そのものもショコラティエのエスプリを体現しているものです。シンプル、デコラティブ、クラシカル、モダン、ポストモダン、フューチャリスティック……
自分のショコラにもっとも相応しいボックスに入れ、ラッピングし、ショッパーに入れるのです。さらには、そのイメージ通りのブティックで手渡すべきものなのです。
ショコラって、見えない美意識のレイヤードで出来上がっていくのです。
私の大好きなジャン=ポール・エヴァンは毎シーズン、新鮮なテーマでBOXの世界観を創り上げています。ステージとなるべくパッケージのデザインも自ら手掛け、ショコラ一粒一粒が音符となり、ハーモニーとなり、箱の中でそのシーズンの曲を奏でているのです。
だから、その中の一粒を取り出して、他のショコラと一緒にされるのは、彼のひとつの音だけを取り出して、他の音に混ぜるということです。そこでそのシーズンのテーマを歌えるでしょうか?
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2025年のテーマはParis、アーバン・ジャングル。
異なる世界感を、ちょぴっとずつ切り取って、幕内弁当的に詰め合わせたところで、それぞれのショコラティエの個性や真髄を味わうのは難しいと、私は思います。
実は、私もその昔、セレクションボックスを購入したことがありました。でもね、たった1粒のベルナシオンのパレドールで、その歴史とスモーキーな重厚感を味わえたか……と言えば、否です。たった一粒のパトリック・ロジェで、あの美術館の中に迷い込んだ中での、口中に弾けるシトラスのスフェールを味わえたか……と言えば、否です。
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黄金比率のお見事な配列
ショコラのサイズか1ミリずれたら、
もうこのレイアウトはアウトですね。
よそもんの入るスキ、無しでする!
結局は、タイパとコスパ良くビュッフェであれこ食べられただけで、あまり心に響く味覚にはならなない、残念なエクスペリエンスになってしまったからです。
セレクションボックスを買うくらいなら、これ!と惚れて決めたショコラティエの詰め合わせボックスを買ってください。その一箱に込められた美意識と想いと技術を、余すことなく味わってください。
その方が満足感も高く、美意識までも味わい尽くせます。
それぞれのショコラティエを知り尽くした上で、あえてのセレクションBOXという選択もアリ、です。各ファッションデザイナーの個性を知り尽くした上で、目利きスタイリストのミックスコーディネーションにお任せする、とい感じでしょうか。
あるいは、そもそもがサロン・デュ・ショコラもバレンタインもお祭りです。フェスティバル。だから堅苦しいことを言わず、どーんと盛り合わせ的なセレクションBOXを買っても良いのです。
ショコラに決まりはありません。
あるとしたら、自分が食べたい物を買う。
ただそれだけ。
お読み頂き、ありがとうございます。
ともあれ、皆さんも素敵なチョコレートに出逢えますように。
人生はチョコレートBOXのようなもの。箱を開けるまで何が入っているか分からない。
フォレスト・ガンプも映画の中で、そう言ってますよね?
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人生はひと箱分のチョコレートみたいなもの。何が起こるかわからない