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コーヒーは尊い。

好きなもの、好きなことについて
知りたい。
もっと知りたい。
上手くなりたい。
いつもそう思っている。

一般常識とか、みんなの"普通"とかに
構っている暇はないはずなのだ。

何かにつけて、
上を見ても下を見ても、キリがない。
好きでやってることを、人と比べることが
ナンセンスだと思っているのに。

誰かのレベルと、自分のレベルを
何となく比べていて、

この人、知った風なこと言ってるけど、
全然分かってないじゃん。

などと、不躾に下に見て、
心の中で悪態を突いていたりする。



それは、時々、自分自身にも起こる。
"無知の知"みたいな高尚な事でもないけど、

今まで知った風なことを言っていたのは、
寧ろ、自分じゃん。

って瞬間。
誰に対してでもないけれど、
ちょっと恥ずかしいさもありつつ、
でも、それ以上に嬉しいのです。

それは、ある程度時間をかけて、
好きで居続けて、追求した人にだけ起こる、
ギフトかもなぁ、と思う。


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若者の流行りにあやかって、
行く先々で、コーヒーを飲む機会があれば

浅煎り、中煎り焙煎のコーヒーを選ぶ
機会が増えた。

それらは、たいていは

ストレート
シングルオリジン

と呼ばれる選び抜かれた豆であることが多く
味の違いがそんなに分からない私にでも

"あ、飲んだことない感じ"

と思ったり、思わなかったり。

ストレートと、シングルオリジンは、
似ているけど少し違っていて、

ストレートは、産地が固定、
シングルは、産地に加え農園も固定

北海道産のジャガイモか、
北海道◯◯農場のジャガイモか、
みたいな違いだと思っている。

※違っていたら、教えて下さい!

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コーヒーの美味しさは、産地、焙煎で決まる。
何でもかんでも深煎りにすれば良いって
もんじゃない。

と、信じていた。
それも間違いではないと思っているけど、
昨年出会った一杯で、更なる知見を得た。

『精製』である。
豆を収穫してから、生豆にするまで、
どんな工程を経るか。

たまたま飲んだ
ナチュラルという方法で精製されたコーヒー。
今まで飲んだどのコーヒーにも
当てはまらなかった。

私のコーヒーの辞書に初めて
"精製"
が加わった瞬間だった。


でも、実はそれを意識する前から、
こんな豆をリピートしていたのである。

フェアトレードだから、買っていた

1人の日本人と、180人のネパール農家さんで
有機栽培された豆。

SEED to CUP(種からカップまで)を理念とし、
まさに、苗作りからしている。

この豆は、
【精製×焙煎】の組合せを大切にしていて
同じ豆から、何通りもの味に仕上げている。

今まで、あまり深く考えず、
フェアトレードだから買っていたのだけど、
もう一度、改めて楽しんでいる。

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ここまで書いといてなんだけど、
ソムリエの如く、微妙な味の違いが
分かるわけではない。
ましてや、豆の出身地のうんちくなど…

それでも、好きな味、個性的な味
色んな一杯に出会う楽しみは増えた。



とある国の、とある農場で、
その風土にあった精製をされて、
それを誰かが細心の注意を払いつつ、
焙煎する。

国×地域×農場×精製×焙煎

それだけでも気が遠くなるけど、
更に、その年の気候とか、誰が焙煎したか
で、きっとまた違うのだろうなぁ。

いったい、
どれだけの組合せが存在しているのか…!?
家で淹れるコーヒーもだけど、
外で飲む、旅先で飲むコーヒーなんて、
二度と出会えないような気がしてくる。

今、目の前にある
コーヒーは、奇跡の一杯かもしれない。

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