【ネコアレルギーの人に朗報!】ワクチンを開発中!?
「猫が大好きなのに、『ネコアレ』だから飼うことができない。」
という声をよく耳にする。
とても残念なことだが、
実際にアレルギーを持っている人にとってみれば、最悪は命取りにもなりかねない危険な疾患だ。
ちなみに私は、生まれたころから猫と接してきて、かゆくなったとか呼吸困難になったとかいう記憶もなく、そもそも花粉症や蕁麻疹がおきることもないので、アレルギーとは無縁な人間だと思っていた。
ところが、今の猫を飼って10年ほどたった、2019年くらいから、猫を抱っこするときはもちろん、家に帰ってきただけで、体中に湿疹やかゆみが起きるようになった。
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これってネコアレルギー?
すぐ直感したのは、もともと花粉症気味だった妻や子供たちが、今の猫を飼って数年で「ネコアレルギー」とわかったためである。
もっとも顕著な反応がでるのが息子で、毛の長いスコのヨタロウを抱っこすると、見るみるうちに抱っこした腕が赤くなって湿疹が出始め、涙目になる。
妻や娘も、息子ほど反応が激しくないものの、やはり湿疹と涙目の症状がでるのだ。
(それにしても、なぜ私は10年も遅れて発症したのか?)
今ほど衛生的ではない昭和に生まれた私は、大いなるアレルゲンにさらされて育っているので、すでにたくさんの抗体を持っていると思っていた。
そして、人間は年齢とともにアレルゲンに対する抗体を獲得するものと思っていた。
この先、アレルギーとは無縁で生きていけるものと信じていたのだ。
主治医に尋ねると、「加齢に伴って免疫が低下するので、かゆくなったりする」のだと。
「加齢……、加齢……、加齢……」
それは、仕方がない。
うちの子供たちのように、若くても、体質によって免疫機能が低下して、発症することもありえるのだそうだ。
ネコアレの研究は今……
ネコアレルギーは、2013年にイギリスのケンブリッジ大学による研究で、仕組みが解明された。
猫の唾や毛に含まれる、アレルギーの元になるタンパク質が、毛繕いで体中に付着。
その猫の体に着いたアレルギーの元を、人間が触ったり、猫吸いしたりした時に、
★★人間の体内にあるバクテリアの毒素に接触することでアレルギー反応が誘発される。★★
猫のメンツのためにも強調しておくが、猫の唾や毛そのものに原因があるわけではないのだ。
猫が体の中でアレルギー物質を作って、人に悪さしているわけではないのだ。
それじゃあ、どうしたらいいか?
週イチのシャンプーが有効
対策は、猫には近寄らない、触らないことなのだが、それじゃあ元も子もない。
少しでもアレルゲンを軽減するために、空気清浄機を使ったり、徹底的に掃除したりという、当たり前の策以外に、「猫のシャンプーが有効」という研究結果がある。
1997年、デビッドアヴナー博士らの研究によると、
「週に1回以上のシャンプーでアレルゲンを減らす効果がある」
ことが証明された。
他の家庭の事情はわからないが、我が家では、とてもじゃないが、週イチでシャンプーはさせられない……
薬で対処する
病院で診断された場合、おそらく「抗アレルギー薬」や「抗ヒスタミン薬」を処方してもらうことになるだろう。
私は「フェキソフェナジン塩酸塩(先発薬名はアレグラ)」を処方されていて、今のところ、薬が効いている間は、猫を抱っこしようが撫でようが、思いっきり猫吸いしようが全く問題なし。
近頃は「ムヒ」など、市販の動物アレルギー薬も販売されているようだ。
ただ念のため、ネコアレではなく、他にも原因がある可能性もあるので、病院で診断してもらうのが一番安全だとは思うが。
猫アレルギー対策のワクチン開発??
実は今回、一番知ってほしかったのが、スイスのベンチャー企業(HypoPet 社:現SaibaAnimal HealthAG)による発表だ。
「猫アレルギーの症状軽減に効果のあるワクチンを開発中」
この開発中のワクチンは、人間に対してではなく「猫に接種するタイプ」でというから驚きだ。
54匹の猫にワクチンを投与したところ、全ての猫でアレルゲンの働きが抑えられ、飼い主の症状軽減に効果が見られたそうで、安全性についても、猫に対して長期的あるいは深刻な副作用はないとのこと。
あとは実際に人のアレルギー症状が緩和されるのかなど、臨床データの取得が必要で、実用化されるまでにあと数年はかかるらしい。
「人間の疾患に対して、猫にワクチンを打つ」
ということに対しては、賛否あるだろう。
だだ、今人気が集中している猫に「サイベリアン」という猫がいる。
科学的に立証されているわけではないが、いくつかの実績として
「ネコアレルギーを持つ人が飼っても症状を起こさない。」
というのが、人気の理由だ。
少なくとも、アレルギーが原因で飼うことをあきらめてしまった、
そんな人たちにとって、「希望の猫」かもしれない。
そして、このワクチンを打つことによって、一匹でも多くの「恵まれない猫」が救われる可能性。
それに、大いに期待したい。