オスロコーヒーでペッパルカーカってみたお話(北欧風タルトタタン、超美味しかったです)
北欧って、なんとなく、ロマンを感じます。どんな伝統があって、どんな人が何を食べて暮らしているのか、全然分からないけれど。ムーミンくらいしか明確なイメージを抱けないのだけれど。なんとなく、素敵です。
さてさて、そんな北欧の料理をちょっとだけ身近で味わえるカフェがあります。その名も「オスロコーヒー」。
新宿、麻布十番、五反田、銀座、錦糸町、横浜、名古屋と、そんなに店舗数の多いチェーンではないので、それほど身近ではないですが、新宿や銀座にしばしば行く機会のある私にとっては、時差が8時間程もある北欧の地よりは遥かに身近なお店なわけです。
このお店は、「キング」と「クイーン」という2種類の全く異なる珈琲を提供していることも売りポイントのひとつ。ですが、そんな素敵コーヒーのお話は最後に補足として加えることとして。本日の記事の主人公は北欧風タルトタタン。季節限定のそのメニューが滅茶苦茶美味しくて、あまり時間がないのに軽い気持ちで入ってしまった自分を殴りたくなったくらい美味しかったお話でございます。
分かりやすいので北欧風タルトタタン、と書いてしましたが、正式名称はこう→【林檎のペッパルカーカ[北欧風タルトタタン]】
えーっと…ペッパ、何……?とととりあえず、メニューの下に記載されていた説明文でもどうぞ↓
伝統的なスイーツ「タルトタタン」を北欧風にアレンジ。ほんのり聞かせたスパイスとサンドしたサワークリームの調和がポイントです。林檎の美味しさが凝縮されたタルトです。
うん、タルトタタンの、説明ですね!北欧風にアレンジって、何をどうアレンジしたんでしょう……。ちょっと調べました。
<ペッパルカーカ→ペッパル+カーカ>
・ペッパルの部分は、ペッパー、つまり香辛料、「スパイス」です。
・カーカはスウェーデンの言葉で「ケーキ」という意味だそう。
つまりは、ペッパルカーカは、スパイスケーキです。
なるほど、タルトタタンって、林檎部分からで、スパイスを加えてるのが北欧風の部分にかかっているんですね。
ところでタルトタタン誕生のエピソードをご存知でしょうか。
失敗は成功のもと、の例え話としてよく用いられるお話です。
ホテルを営んでいたタタン姉妹。姉のステファニーが主に調理担当で、ある時りんごのタルトを焼こうとしていたら失敗してしまいました。(林檎を炒めすぎて上からタルト生地を乗せてそのまま焼いたとか、ひっくり返したとか、このあたりは諸説ありますが…)
その失敗から生まれたお菓子をお客さんに提供したらとても喜ばれましたとさ。
という感じのお話。まあ、失敗したものをお客さんに出すとか、今は中々ある事じゃないでしょうが、こういうの、夢というか可能性が感じられて、私は好きです。
そんなスパイスタルトタタンが、冬限定でオスロコーヒーに登場していました。
なんといっても、林檎のレベルが高いんです。全体的には小ぶりなサイズだったので可能だったのかもしれないですが、林檎をちょっと薄くしたりとかそんな小細工抜きで、ごろっとした奴がゴロゴロと入っているわけです。食感も、柔らかくなり過ぎず、「おおぅ!林檎!林檎食べてるぜ!」って感覚があるんです。
味のバランスも非常に心地よかったです。
タルトタタンって、甘み、酸味、苦味、それぞれが重要な要素で、そのバランスが崩れると、(まあ濃いめの味なので美味しいといえば美味しいんですけど)なんだか違和感のあるケーキになってしまうんですよね。
スパイスが良い調和を出してくれているんですかね。あと、食べた瞬間「スパイスの香り良いな~」の方が前面に出て、「甘っ」とか「苦っ」とかいう部分が少し後ろに潜めているのも良いのかもしれません。
そして下のタルト。サクっとしていて、むっちりとした林檎の食感とは全然違っていて、それぞれを単体で食べるのと、一緒に食べるのとで違った味わいがあって楽しかったです。
で。オスロコーヒーはなんといってもコーヒーに独特な拘りのあるお店ですからね。冒頭の方でもちらりと書きましたが、少しだけ、珈琲についての補足です。
オスロコーヒーでは「焙煎度合い」と「抽出方法」によって2種類のコーヒーが楽しめます。
<キング>
焙煎度合い:やや深煎り
抽出方法:エアロプレス
→風味は甘み・コク味・ほどよい苦味
<クイーン>
焙煎度合い:やや浅煎り
抽出方法:ハンドドリップ
→風味はフルーティー・フローラル
エアロプレスでの珈琲を飲める場所ってあんまりない気がします。
個人的にはチョコレート系のケーキに合わせてキングというチョイスが好きなのですが、今回のタルトタタンは絶対にフルーティな風味の方が合うと思い、クイーンにしました。
はあぁぁ…美味しかった。
他にもスイーツメニューは色々ありましたが、どれもこんなハイレベルなのでしょうか。これはちょっと通ってしまいそうなレベルですね。
ごちそうさまでした。