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桜スイーツが嫌いだった

桜味が嫌いだった。

食わず嫌い、というわけでもなかったと思う。
昔、スタバで桜ドリンクの試飲を貰った時も、地元にあるお菓子屋さんの桜味のクッキーを食べた時も、「あぁ無理。これは食べられたものじゃない、苦手」と思った。紅茶も苦手だった頃の話。

大体、桜味って何味だよ。
ローズ味もスミレ味も、ましてソフトクリーム味なんて……。
なんでもかんでも、お洒落っぽい美味しそうな雰囲気味にしやがって、なんて思っていた、そんな時代もある。

毎年春には多いけれど、今年はいつもに増して桜味が多い気がした。
しかも少し早くない?
まだ「めっちゃ冬!!!」って時期から始まって、そろそろ桜の次の新作に移り変わる。
私まだ、実際の桜舞う光景だって見ていないよ。


上京してから、好き嫌いは格段に減った。
食べた後3日間一人で寝込むことになった、あの真っ黄色なキノコ…。あいつだけはトラウマで食べられなくなってしまったけれど、その他は何でもござれ。それでもどうしてか、桜味には手を伸ばしてこなかった。

今年は、なんでだろう。
自分でもなんとなく、私の身体が桜味を受け入れる準備ができていると思ったんだ。今年からモーニングにチェーンカフェ巡りを始めたからかもしれない。絶対的に桜メニュー出してくるもんね。それらを私は、美味しいと思える気がしたんだ。

そしてやはり、美味しかった。


スターバックス
さくら 咲いた ミルク ラテ

これが…桜味…なのか???
ん~~~、でも昔からスタバの桜ラテを飲んでいる友達にも聞いてみたけど、今年のは特にミルク感が強くて甘く、桜が苦手な人にも飲みやすいかな、と話していた。飲める、飲めるぞ。美味しい。
スタバには職場で大体毎日通っているので「今日は何にしようかな…」と悩んだ時についつい何度も桜ラテを注文してしまった。
見た目も甘さも、なんだか幸せになれる。

写真は、抹茶ラテに桜トッピングをしたもの。
SNSで話題になっていたカスタマイズだ。

桜チョコフレークとチョコソースで、満開の様子を店員さんが描いてくれる。販売初日から、どんどん上達していくのが感じられたよ。

スタバに行った人は、ARで遊んでみたかい?
今までこういうのスルーすることが多かったのだが、想像以上にめっちゃ楽しい。上がる。

さくらシフォンケーキ

スポンジ生地もクリームも、その口溶けの良いものが好きであれば、やっぱりスタバだなあと思う。他のチェーン店のは、どちらかと言えばもっちり弾力で挑んでいる感がある。

可愛らしいピンクのフワフワからは、なんと桜の葉のしょっぱさが!!
刻まれた桜の葉などは見られないが、なるほど葉のパウダーが使われているらしい。こんなん、桜餅が好きな人には最高過ぎる。

桜味は苦手だったけれど、桜餅は大好きなんだ。
幼稚園の頃に親友と呼べた子の家が和菓子屋さんで、その時に食べさせてもらったあの美味しさが忘れられない。

さくらとベリーのパウンドケーキ

カップも、包装も、桜満開、可愛い。

桜味はふんわり甘いという印象があったのだが、桜の葉や塩漬けがあるから、意外と塩味がアクセントとなっているものが多い。
しかしこれは、桜ならではの甘い、甘いやつだ。
ホロリと崩れてしっとり。柔らかな印象とは別に、味わいの広がりは非常に強い。

爽やかなクリームチーズもグッと甘いので、甘酸っぱいクランベリーの存在が特に輝く。
それに苦めの珈琲と合わせると、なお甘さと調和して美味しい。

トップの桜は、失礼にも片側砕けてしまったのかとか思ってしまったのだけれど、あえての2種デザインらしい。そう思うと可愛い。

スタバはグッズも、そして紙袋までも、桜満開。

私は職業柄、「うわぁ春だけこのデザイン入れるの、包材費高そうだな〜」が最初のコメントになってしまうけれど、でもまあやっぱり可愛いものは可愛い。持っていると、周囲の人からも好感あるコメントを色々いただけた。
その中で聞いた話なのだけれど…

隠れクマちゃん!!
この遊び心…めちゃ好き。

知っていても実際に見ると感動するものだからさ、スタバに行ったら是非探してみてよ。

カフェ・ド・クリエ
さくらロールケーキ

鮮やかなピンク色が印象的!可愛らしい。
ばっちり乗った塩漬けした桜の花びらは見た目のインパクトもさながら、味わいにもガツンと塩漬けで。全体の甘さから、ハッとする。
確かにこの塩漬けからは、春を感じるなあ。

桜のフワリと柔らかな香る味わいとも相まってか、生地がわりとしっとり寄りに感じられる。前回のほうじ茶の時はかなりもっちり弾力系に感じられたから、おやと少し驚いた。

どこから見ても、可愛らしい。

タリーズ
トムとジェリー 桜舞う苺カフェラテ

この春、タリーズはトムとジェリーコラボと合わせて桜メニューを展開させてきた。これが想像以上に可愛くて、目の前にするとテンションが上がる。

レジの近くにある写真スポット、ちょっと恥ずかしかったけど、可愛いので活用させてもらったよ。

お店の方が「フタしますか?」と聞いてくれたのは嬉しかった。
可愛いがフタにくっついて台無しになってしまったことも何度も体験してきたから。

トムとジェリー &TEA 桜香る桃のティーオーレ

どちらも可愛い、可愛いよ。

ラテもティーオーレにしても、しっかり独立したクリームと、それに乗っかる色々が特に季節感を出しているからね。
完全にスプーンでグルグル混ぜてしまっても良いのかもしれないけれど、私はクリームだけでパクリといっちゃいたい派。一瞬の、幸せの爆発。

それにな、ある程度はこのまま食べてしまわないと、傾けるだけだとしばらくドリンク出てこないのよ?それだけたっぷりのクリームに、思わずにやけてしまう。

そしてそもそもベースになっているラテやティーオーレが安定の美味しさ。
そこにふんわりフレーバーの香りが移って。
それはもう、美味しい。

トムとジェリー 桜香る苺チーズムース

淡いピンク色が可愛らしい。
これもトムとジェリーのコラボで、なんとドット柄がチーズの穴を表現しているのだそう。なるほど…。

ひんやりと、曇りなき真っ直ぐな滑らかさ。
苺の甘酸っぱさ、チーズらしい酸味と桜の葉を思わせるしょっぱさも。
潤いある透明な甘さに溶け込んで爽やかに。
味わいも舌触りも全部が心地良い。

トムとジェリー 桜香るクランベリーロール

この、THE☆菓子パン!!という感じの久しぶりだ。
しっとり系で、噛みしめるとジュワリと奥からバターの甘みが染み出すのが感じられる。

ほんのり甘い香り。
クランベリーに当たると華やかな甘酸っぱさが口いっぱいに広がる。

トムとジェリー  桜ホワイトチョコ

…っ罪深い……!
あ~~~、罪深い。油が甘く滲んで、それが美味しいのだ、あ~背徳感!
オールドファッション生地にはしっかりと苺風味が感じられて。
えっ、桜葉どこ??
なんとホワイトチョコがほんのり桜風。
そういえば桜と苺の組合せ、わりとよく見るなあ。
桜パウダーも散らして可愛らしい。

桜の下でピクニックな、楽しい気分。

ドトール
桜のモンブラン

……!?!?!?!!!
ん…っっっま!!!!

流石、流石ドトールだ。
やっぱり純粋にスイーツのレベルで言えばスタバとドトールは群を抜いている。売価が高い分、スタバの方が構成の凝り方は異常だ。しかもどれだけ凝っても、てっぺんから中も底も、細部まで全てが繊細で美味しい。その点においてはドトールのスイーツはスタバを超えない…が、感動の振れ幅はいつだって、大きい。ドトールのスイーツにはいつも本当に驚かされる。

シンプルな1~3つくらいの素材の「それ」。そこの味わいが集中的に尋常でなく美味しいのだ。

今回のモンブランだってな…正直、器にしているパイ生地はフォークだけでは結構食べにくい。味としてもまあ、普通かな。
ただ、このクリームが、あまりにあまりで、口に含んだ瞬間いっぱいに広がる幸せに耐えられずに机をバンバン叩きたくなる。
感動を静かに抑えられないくらいには美味しい。

表面に見えるピンクの可愛らしいモンブランクリームは、甘さしっかり。滑らかな舌触りながら、存在感の厚みもある。
そして中にはたっぷり、フワフワしっとりな桜のホイップクリーム。
こちらは外側に比べると軽めだが、溢れんばかりの量で攻めてくる。

その下、パイ生地が包み込む内側には、桜と苺のホロホロふわりな生地。
こちらも味わいはなかなか色濃く、桜クリームの印象をサポートしてくれる。

ドトールの桜系、どら焼きも評判良さそうなんだよね。
ドリンクもまだだから、桜散る前に、行きたいな。


振り返ると、結構食べたな~~桜スイーツ。

桜味が嫌いだった。

別に克服しようと頑張ったわけじゃない。
なんとなく、今年は好きになっている気がした。

時間に身を任せて。
自分も、少しずつ変わっているのかな、なんて思えて。
それは少し怖いし不安になるし儚いし、そして少し、ワクワクする。

桜スイーツが好きになった。

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