したことないけど、この先もしないだろうリスト
ジーンズをはかなくなった瞬間から女はすたり始める。その次にジーンズをはこうとしたとき、ジーンズはもう女を許容しない。頑丈な生地が、肉を締め付けセルフエコノミー症候群。「インチってなんだよ自転車かよ。」切ない捨て台詞。すれ違った二人はもう二度と邂逅しないだろう。
はい、年中ムームー着がちな女の子、CHOCOです。いいよね、ハワイ。なんてったって衣替えがない。ずーっとムームーでも何も言われない。現地人より現地人ぽい自信だけはある。リロ&スティッチに親近感しかない。旅券と旅費をくれ。
今日は、35歳にして「ワァー★こんなの初めて」未満の出来事についてつらつら書いていきたいと思います。
・吉野家 買ってきてもらったものを食べたことはあるけど、店舗には行ったことがない。ネギ盛りつゆだくで!は健在なのか。我が家で作る牛すじ牛丼に敵うのか。道場破りよろしく、仁王の顔で入店したい。
・スタバ まず注文の仕方がわからない。そして、コーヒーの種類もわからない。そもそもコーヒーにそんなに興味がない。完全に負け惜しみ。おしゃれなのはわかる。たぶんスコーンみたいなやつだけ買って帰る。完全に負け試合。
・パチンコ まだ、小学生だったころ。スーパー内のゲームセンターに行くのが割と習慣になっていた。金のコイン=普通のコイン5枚と交換できた。ドラゴンボールや、ウルトラマンの絵がついていたから交換せずに大事にとっておいたのを覚えている。また、ドラクエシリーズでも冒険そっちのけでカジノの村に入り浸る日々。そんなギャンブラー少女だったのに、パチンコ・パチスロ方面には触手がのびなかった。「やりすぎたら飽きる」を体現したんだと思う。やっててよかった、ゲーセン通い。
・ライブ 「えいえいえーい!?手え上げろっつってんだろおおお?!」どれだけ空気が悪くなっても、きっと手を上げることができない。もう一人の自分が俯瞰で見ている。そして(ないって!にわかのおばはんがそれは寒いって!)とつぶやく。特定のバンドやグループに固執しないタイプなので、ライブに行くのはだいぶハードルが高い。THE夜もヒッパレで充分。CHOCOはそういうやつなのだ。
そんなかんじで、35歳の未経験リストをあげてみたわけだけど、この中で最近クリアしたものがある。
「ライブ」だ。厳密にいうと、市とラジオ局がタッグを組んで”いつもの広場”で野外ライブをする。それに偶然出くわした。完全に野暮用帰りだった。セットリストを見ても、一つもわからない。いつもと違う雰囲気にいざなわれ、なんとなくふらふらと足を踏み入れた。
チューニングをしていたのは、若い男性たち。赤い服を着て、それぞれトランペットやらベース、トロンボーンなどを下げている。マイクテスト、機材テストで軽くならす。その瞬間。
ばつううううううううん! 鼓動と、音楽が完全に同化した。
からだが、勝手にリズムにのって動いていた。夕暮れ時、ジャズと夕日が映えに映えた。もう、ここから動けない。目が、耳が、会場全部のうねりが、彼らのパフォーマンスの一部になってしまった。
「音楽は、家で聴くもの。CDの音が一番きれいにきまっている」そうおもっていたのに。どうしてどうして、跳ねて、生きて、そこで鳴らす彼らにどうしても共鳴せずにはいられない。
はじめましての相手でこうなるのに、傾倒しているバンドだとしたら。そら気も失うわ。CHOCOはずいぶんなあばずれだったようだ。合間にはさまる軽快なトーク、いつの間にか手にはビールがにぎられてる(ちゃっかり)。
音楽と、ビールと、陽が融けて、もうすぐ夜がくる
赤い彼ら:Calmera
野暮用帰りのビッグイベント:茨木音楽祭