よろしゅうおあがり。
久しぶりにこの言葉を聞いた時、記憶のふたが緩やかに開いたのを感じた。
そう、これはワタシの祖母が使っていた言葉だ。
一緒に住んだことはないのだけど、母の里帰りで一緒に大阪に帰ると、
食卓を囲んで「いただきま~す!」と元気に言うワタシに祖母が
「よろしゅうおあがり」
とにっこり笑って返す。
そして「ごちそうさま」の返事は
「おそまつさんでした」。
ちゃんと手をかけて作ってくれた食事だし、おばあちゃんが作ってくれたご馳走だから、粗末なことなんてないのに!と、幼いワタシは思っていたっけ。
ハハも同じように私によろしゅうおあがり、って言ってたけれど、
ワタシは自分のこどもにその言葉を使ってこなかった。
何か理由があるわけではなく、単純に地域性の問題なのだが
今思うと、こんなに温かい言葉をなんで我が子にかけてこなかったのかなぁと残念に思えている。
「いただきまーす!」に対して「はいどうぞ~」「めしあがれ~」などと応えてきたが、「よろしゅうおあがり」に感じる温かさに勝るものはない。
それはきっと自分がそれを聞きながら育ってきたからであって、
みんなそれぞれの感じ方があるのだろうけど、
ワタシにはやはり「よろしゅうおあがり」が、「よし!食べるぞ~!」というキモチを湧き起こさせる起爆剤になっているようである(笑)
もうひとつ。
「いってきま~す!」のお返事は
「おはようおかえり」。
この「おはよう」はぐっもーにん!のおはようではなく「早く」の意味。
「遅くならないように早く帰っておいで」という意味である。
これもワタシは我が子には「遅くならないようにね~」とか「早く帰りなさいよ~」とかそんな感じの声掛けをしていた。
思春期の頃は、出かけるときに「おはようおかえり」と言われると
これから出かけるのになんで早く帰れとか言うかなってちょっとふてくされたキモチになったときもあったが(若いわ~若いわ~もう一回若いわ~)
親になれば、この時の親の気持ちがわかる。
今みたいにスマホで連絡が手軽にとれる時代でもなく、連絡手段が公衆電話という時代なので、そりゃ遅くなったら心配になるのも当然。
いろんなキモチがこもった「おはようおかえり」なんだよね。
当然、コドモだけではなく、オットにも、同じセリフを言う。
「気を付けてね」「何事もなく帰ってきてね」
そんな気持ちが存分にこもった「おはようおかえり」なんだなぁ。
今日は一日大雨みたい。
明け方から雨音が激しく窓を打ってる。
「みんなも、おはようおかえりです!」
チョコ先生、渾身の「おはようおかえり」ポーズ。
このあと、熱烈ハグジャンプ&顔ペロつき。