『さかさ町』から読み盗った3つのこと
みなさん、こんにちは。
今回は、出口治明 著『教養は児童書で学べ』で紹介されている『さかさ町』から読み盗りました。(「能動的な読書」を目指しておりますので、「読み盗(と)る」というアグレッシブな言葉を使わせてもらっています。)
本書の概要
リッキーとアンの仲良し兄妹は、おじいちゃんに会いに出かけます。しかし、汽車のアクシデントで『さかさ町』駅で降りることになりました。『さかさ町』では何もかもひっくり返っていて、逆さまなことばかりです。二人が出会う『さかさ』を楽しみながら、柔らか頭になれるアベコベ物語です。
では『さかさ町』から読み盗った3つのことを書いていきます。
まず1つ目は、
①常識がなければ非常識もない
ということです。
『さかさ町』の新出単語を3つご紹介します。
・としよリーグ:お年寄りが現役の野球リーグ
・わすれよ科:忘れることを学ぶ科目
・懐中消灯:あてたところが暗くなる道具
・としよリーグは、老い と 若さ
・わすれよ科は、忘却 と 記憶
・懐中消灯は、暗さ と 明るさ
の二項対立に着想しています。
いずれも、私たちの生活で順(常識)と思われていることの逆(非常識)を描くことで面白さを演出しています。しかし同時に、順(常識)がなければ逆(非常識)もないとも思いました。
続いて2つ目は、
②夢中に厨二も悪くない
ということです。
お土産売り場の店員さんがこんなことを言っています。
<ドンボ>というものです。よその町では、ボンドとよばれていますが、もちろん、さかさ町なので、ぎゃくによんでいます。
この文を読んで、大学2年生のときに友人のT君に贈った詞を思い出しました。当時は夢中でした。
タイトルは"武井のK"。
「I am K (私はKだ) ⇔ K am I (神) / DoG (犬) ⇔ GoD (神)」みたく、前後を逆さにすると意味の変わる言葉を使って作詞しました。まるで厨二中学校の校歌みたいな詞です。
こんなことを言うと失礼かもしれませんが、着想している点は『さかさ町』と似ていると思っています。
夢中に厨二も悪くない と読み盗りました。
最後の3つ目は、
③アイデアは日常にある
ということです。
この物語はある人にプレゼントされています。
わたしとさいしょに
さかさ町へいった
ファリシティへ
また、物語の中で「ファリシティ」という女の子のウェイターが登場します。
「そうです。わたしの名まえは、ファリシティ。フリッキーってよんでね」とその子はこたえました。
フリッキーの配膳したケーキを食べて、主人公の二人は「どこも変わったところはないね」とコメントします。しかし、フリッキーは否定します。
「いいえ。このケーキがよそで食べられるはずありません」と、フリッキーがいいました。「よく見てください。ケーキをさかさまにして、おだししているんですから」
以下、私の完全なる妄想です。
作者が幼い頃、お母さんと一緒にケーキを作ったとき
作者:「上手に運べなくて、ケーキさかさまになっちゃった。」
母:「でも、こっちのほうが美味しいかもね。」
そんな微笑ましい会話があったんじゃないかなと思いました。
『さかさ町』は幼い頃に失敗しちゃった作者自身へのプレゼントで、「見方を変えれば失敗も成功よ」と伝える物語なのだと思います。
そして、そのアイデアは何気ない日常に潜んでいる と読み盗りました。
最後に、アイデアについて分かりやすく解説してくださっている「ライフハックアニメーション」さんの動画をシェアいたします。
まとめ
『さかさ町』から読み盗った3つのこと
① 常識がなければ非常識もないこと
② 夢中に厨二も悪くないこと
③ アイデアは何気ない日常に潜んでいること
次回は『エルマーのぼうけん』(ルース・スタイルス・ガネット 作/ルース・クリストマン・ガネット 絵/渡辺茂男 訳) から読み盗ってみます。
最後までお付き合いいただいて
ありがとうございました。
では、またです。
貴重なお時間をありがとうございます。よき時間となりますように。