【映画】『どうすればよかったか?』〜同じきょうだいの立場の想い
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文字起こしをAIで記事にしてもらいました。
この映画を観ようと思った理由
私も統合失調症の兄弟がいます。そう、だからこそこの映画は他人事ではなく、自分事でした。
将来のことを考えると不安しかない。
他の人より病気のことは知っているつもりです。
でも、この監督と違って、私は両親ほどは当事者に寄り添えていないです。
逆に、この病気、もしくは広い意味で精神疾患に絡んでいない人は、なぜ、この映画を観たいと思うのでしょう?
当事者の家族じゃなければ、私は観なかったと思うので。
胸が詰まる、母との対話シーン
映画の中で、最も私の心をえぐったのは、監督が母親と向き合って長く話し合うシーンでした。
何を言っても通じない。
その虚しさ、切なさ。
私もテーマは違いますが、母と同じような会話を何度も繰り返してきました。
画面に映る母子の姿に、自分の経験が重なって、涙が出そうになりました。
カメラの向こうに隠された本当の気持ち
監督の姉への愛情は伝わってきます。
でも、カメラが回っているから、いつもより優しく接しているのかもしれない。
そんなひねくれたことも考えます。
私にも覚えがあります。
トラブル覚悟で、兄弟の1人暮らしの部屋へ訪問。
警察へ行くことも覚悟して、録音していました。
普段なら感情的になるところを、冷静に話していた自分がいました。
録画しているせいであっても、映画では監督の姉への純粋な愛情は伝わってきて、少し救われた気持ちになりました。
父親の言葉に感じた戸惑いと理解
父親のインタビューには衝撃を受けました。
あまりにも現実とかけ離れている。
年齢も年齢なので、認知機能も衰えているのでしょう。
でも、考えてみれば、嫌なことを忘れて生きていく—それも人間の賢い防衛本能なのかもしれません。
失った者たちの静かな時間
映画を見終わって、切なく思ったのは、父親の最期の時間のことでした。
お姉さんを失うという深い悲しみと引き換えに手に入れた「静かな時間」。それは幸せだったのか、それとも寂しかったのか。
答えは父親の胸の内にしかないのでしょう。
私の未来に待つもの
夫に感想を聞いた時、彼は一言「これがお前の未来だと思ったよ」と呟きました。
その言葉に、背筋が凍りました。
そう、両親の介護が始まれば、必然的に統合失調症の兄弟のケアもついてくる。
それは避けられない現実なんです。
今はうちの兄弟は落ち着いていますが、今後、色々なリスクを考えて対応を検討しても、母には届きません。
声を上げることから始まる小さな光
今、統合失調症の家族会に入っています。
家族会で活動する中で、本当に様々な苦悩を見てきました。
でも、「自分だけじゃない」という気付きが、どれだけ人を救うか。
ただただ話を聞いてもらうだけで、救われることもあります。
普通の人はあの映画のような状況、理解できませんから。。。
だから「助けて」と言って欲しい。
あなたの周りには、必ず手を差し伸べてくれる人がいるはずだから。
私がそうだったように。
私も去年、一番大変だった時に、いろんな人に「無理です。助けてください」と言いまくりました。
仕事にも迷惑かけたし、家族会でもいろんな方にアドバイスもらって、何とか、対応してきました。
本当に感謝しています。
私の未来
「どうすればよいか?」
正解なんてわからないから、試行錯誤するしかない。
今は落ち着いています。
でも、これがずっと続く保証はない。
高齢の両親に今後起こるべきリスクに備える提案をするも、受け入れられない現実。
「どうすればよかったか?」
私はそう問い直す日がくるのだろうか。