ユウゼン ちょぼ先生の自己満おさかな図鑑 vol.64
日本固有種のチョウチョウウオの仲間である美しい「ユウゼン」のご紹介です。
・標準和名
ユウゼン
・漢字
友禅
・学名
Chaetodon daedalma
・分類(仲間分け)
スズキ目チョウチョウウオ科チョウチョウウオ属
・大きさ
体長15cmほどになる。
地味な見た目に見えるが、よーく観察すると芸術性の高い体色をしている。
天保大判みたいな大きさと形をしている。
・生息地と知名度(認知度)
日本固有種のチョウチョウウオ属で、主に亜熱帯地域の岩礁帯(水深10mほど)に生息。
分布は、八丈島から小笠原諸島にかけての島々に数多く生息する。三宅島より北では数が少なくなるが、沖縄、奄美諸島、本州中部以南の太平洋側で生息記録がある。
アクアリストの間では、観賞魚として人気で有名なおさかなであるが、一般的な知名度はほぼない。
知名度を例えるなら、果物の「キワノ」くらいの知名度である。
・ちょぼ's コメント
チョウチョウウオといえば、イエローの体色が派手で、可愛らしいおさかなのイメージがあると思うが、このユウゼンは全身真っ黒で一見、地味な印象を受ける。
そう感じた人は、もう一度ユウゼンをじっくりと見て欲しい。
この真っ黒な全身には白い縁取りのウロコ模様、無数の極めて小さな白色斑で散りばめられた頭部、さらに背ビレ・尻ビレ・尾ビレの後端が黄色で美しく彩られていることに気付くはずである。
この芸術的な色彩と模様が、着物などに用いる日本伝統の染め物の「友禅」に似ていることからユウゼンと名付けられた。
日本の海で見られるチョウチョウウオ属は50種ほどいるが、このユウゼンは日本でしか見られない。日本固有種である。まぁ主な生息地が小笠原諸島や八丈島なので、人によっては海外より行くのむずくない?と感じるだろうが笑。
この友禅染を連想させる渋みの効いた色調と工芸品のようなきめ細やかな模様は、「ザ・和風おさかな」である。しかも日本固有種だからなおさらである。そのわりには知名度低いんだよなー笑。
小笠原なら、サンゴ礁の浅場から岩礁帯の深いところまでフツーに見られ、どこでも見られてしまうためはっきり言ってありがたみが薄いらしい。
ダイバーにも人気のおさかなである。群れで泳ぐ性質があり、30匹以上が玉のように固まって泳ぐ様子から、「ユウゼン玉」と呼ばれる。そんな様子を生で見ることができたら、感動して発狂してしまいそうである。ダイビング中に発狂なんてかなり危険であるが。
見たいけど、小笠原はちょっと行くの無理だよという人は、ぜひ葛西臨海水族園に行って欲しい。東京の海という展示ブースで、本物のユウゼンが見られるので。初めて見た時の感動は忘れない。芸術作品のような姿に魅了され、時間も忘れるくらい水槽に齧り付いていた。
葛西臨海水族園ではクロマグロもいいけど、ぜひこのユウゼンをチェックして欲しい。
いつかこの美しいユウゼンを飼育してみたいものだ。家の中に美術館と水族館が同時にやってくる感覚なのだろう。その前に水槽買わないとな笑。
※画像はweb魚図鑑から引用
●スタエフで葛西臨海水族園のことを取り上げて、配信しました。
ユウゼンのことも紹介しています。
聞きたい人はリンクをクリックしてみてください。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?