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コミュニティ立ち上げの不安はイベントプロトタイピングで解決!

何かを始めるとき、不安はつきもの。それはコミュニティの立ち上げでも同じです。コミュニティのコンセプトが多くの人の支持を受けるものになるのか、関心を持ってもらえるのか。最初の一歩を踏み出すことの難しさを、多くの人が感じています。

しかし、逆説的ですが、こうした行動できない不安は行動によってこそ解消することができます。コミュニティの立ち上げに不安があれば、コミュニティのプロトタイプ(試作品)とも言えるイベントの開催がオススメです。

この記事ではそのようにイベント開催をコミュニティにつなげる手法を「イベントプロトタイピング」と名付けてみようと思います。コミュニティの計画段階での仮説をイベントによって検証し、「未知」を「既知」に変えることが可能となるプロセスです。

それではいきましょう!




コミュニティ立ち上げの3つの不安

コミュニティを立ち上げる際には様々な不安が頭をよぎります。そのため、どれだけ準備を重ねてもその最初の一歩を踏み出すのは難しい。しかし、こうした不安は決して特別なものではなく、成功を収めた多くのコミュニティの運営者も経験してきたものでしょう。

では、具体的にどのような不安があるのか挙げてみます。みなさんも当てはまるものがある(もしくはあった)のではないでしょうか?

  • 「集まる?」:最も大きな不安と言ってもいいでしょう。コミュニティをオープンさせたとして誰も来なかったらどうしようという恐れがこの不安の原因です。まずは友人や知人に声をかけることで初期の参加者は得られるかもしれませんが、継続的に人が集まる状況になるかどうかは未知数です。

  • 「必要とされる?」:コミュニティのコンセプトが自分や自社にとって魅力的であっても、それが参加者にとっても必要で価値のあるものとして共感してもらえるかはわかりません。必要性や価値が感じられなければコミュニティの活性化も危うくなります。

  • 「続けられる?」:コミュニティを継続的に運営できるかどうかも大きな懸念材料です。参加者を集めることができても、継続して関わりを持ってもらえるのでしょうか。また、自分自身がコミュニティ運営を継続できるのかどうか、という不安もあるでしょう。

こうした「集まる?」「必要とされる?」「続けられる?」という3つの不安が、コミュニティ立ち上げ前によく見受けられます。

不安への対処として、ともかくコミュニティを立ち上げるという手もあります。事前にコミュニティの全体設計がしっかりできていれば、そのような始め方でも問題ないでしょう。

わたしが属するコミューン株式会社は「理論」と「実践」と「プラットフォーム」の3つの柱でコミュニティ運営を支援しているため、コミュニティの立ち上げの不安は要りません(念のための補足ですw)。

しかし、もし先述の3つの不安があり二の足を踏んでいるのであれば、まずはコミュニティの試作品としてイベントを開催してみてはいかがでしょうか。ここからはその手法「イベントプロトタイピング」をご紹介していきます。


イベントプロトタイピング

イベントプロトタイピングとは、実際にイベントを開催しコミュニティのニーズを確認し、次のステップを決めるアプローチです。仮説を検証し、参加者のフィードバックから新たな洞察を得ることができます。

イベントプロトタイピングのプロセスは大きく以下の3つのステップから成り立っています。

  1. コンセプトの明確化・イベントの設計:まず、コミュニティのコンセプトを明確にし、そのコンセプトを体現するイベントを設計します。対象者に適したテーマや形式を選びましょう。例えば、マーケティングに関心がある参加者のコミュニティなら、マーケティングに関連したワークショップや勉強会が試金石となるでしょう。できる限り明確なテーマにすることで、参加者の興味を引きやすくなり、ニーズが検証しやすくなります。

  2. イベントの実施・参加者の観察:イベントを開催し、参加者の反応を観察します。どの部分に最も関心が集まるのか、どのような交流が生まれるのかに注目することで、コミュニティに必要とされる要素を把握できます。この観察で得たインサイトは、次回のイベント開催やその後のコミュニティ開設に役立つリアルな情報となります。

  3. フィードバックの収集・分析:イベント終了後には、参加者からフィードバックを収集し、それを分析することが欠かせません。アンケートや個別のコミュニケーションでフィードバックを集め、参加者が感じた満足度や今後の期待を分析します。このフィードバックで次のイベントの設計やコミュニティの方向性をブラッシュアップできます。

「集まる?」の不安に対してはイベントに集まった人の数が手応えとなるでしょう。「必要とされる?」の不安も、イベントに対する参加者の反応で確かめることができます。「続けられる?」の不安は、そのイベントをシリーズとして開催できることが想像できれば解消されるはずです。

また、イベントプロトタイピングは仮説検証やインサイト獲得だけでなく、コミュニティの初期メンバーを集められるという利点もあります。イベントを通じてコンセプトに共感した参加者がコミュニティの核となることで、その後のコミュニティ立ち上げがスムーズになるのです。


イベントの繰り返しがコミュニティになる

最初のイベントが小さな集まりであっても、それを繰り返し続けることで次第に「コミュニティ」の形が見えてきます。繰り返し行われるイベントは、持続的なつながりを生む場へと進化していくのです。

イベントの繰り返しは参加者同士の関係性を強化します。参加者が何度も顔を合わせ、共通のテーマについて語り合うことで、自然と信頼関係が結ばれます。参加者たちは次第に「このコミュニティの一員」へと意識が変わっていくのです。

その過程で、コミュニティ独自の文化が育っていくこともあります。事前準備や当日のコミュニケーションの仕方、イベント進行の工夫といった小さな行動が繰り返される中で、コミュニティ特有の文化が生まれるのです。この文化はコミュニティの一体感を醸成します。

さらに、イベントを繰り返すことで生まれる「常連」の存在が、コミュニティの持続可能性を高めます。常連はイベント全体の雰囲気をつくり、新しい参加者を受け入れサポートする役割を担います。常連の存在は、イベントをコミュニティに変えるための豊かな土壌として機能するのです。

また、イベントの繰り返しの中で非公式な活動も生まれやすくなります。例えば、イベント後に自然発生的に集まるサブグループや、特定のテーマに関心を持つ参加者による自主的なプロジェクトといった活動です。このような非公式な活動は、コミュニティの活性化と持続可能性につながります。

繰り返し行われるイベントを通じて、コミュニティは徐々に形を成し、参加者同士のつながりや文化、活動が育まれていきます。イベントがコミュニティになっていくこのプロセスこそ、イベントプロトタイピングなのです。


おわりに

コミュニティの立ち上げは高い壁のように感じられるかもしれません。しかし、その第一歩はシンプルです。まずはイベントを開催してみましょう。最初から完璧を求める必要はなくイベントを通じて参加者と直接コミュニケーションし、フィードバックを得ることが重要です。この直接的なやりとりこそが、コミュニティの可能性を見極め、次のステップへ進むための貴重な手がかりになるのです。イベントの繰り返しが自然とコミュニティになっていく可能性もあります。

もしコミュニティの立ち上げに悩んでいる方がいたら、コミュニティの第一歩となるイベントをぜひ実施してみてください。それが未来のコミュニティの種となるかもしれません。



研究について詳細が気になる方や、コミューン株式会社にご興味のある方は以下のサイトからお気軽にお問い合わせください!


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黒田悠介|コミュニティ研究家|Commune Community Lab 所長
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