『阪大短歌十号』
これは文フリ大阪でゲットしたものです。
ただ君の鎖骨を思う夕顔のフェンスに絡みつきしをちぎるとき 永田玲
花の散る夜に蝕まれぬように君を中指から絡め取る 永田玲
疲労とはたぶん点火だゆうれいのゆの字あたりで灯るほのおの 神威
めざめてもまた夢のなか うっとりと昼でる月は頭蓋をさらし 神威
とりかえしつかぬ失敗した気配右の踵がすり減っている 咲山かる
「もうだめぽ。」
「だめぽじゃねぇだろ。」
「人生は田舎のイオンモールに似ている。」 アルドラ
光という液体があり真夜中の電車がこれをこぼして走る 池松果実
月光が鯨の背(せな)に差す夜はねむりたい死のそれより深く 鈴木加成太
余計なことは言わなくていい 過ちは真昼間いつか陽炎となる 山根花帆
2022.2.6.Twitterより編集再掲