『うた新聞』2021年1月号
①上澄眠「ライムライト」〈普通だと思って何も聞かずにやったことが「普通は確認するでしょ」と咎められ、自信がなくて確認したことは「普通はそのくらいわかるでしよ」と言われる。〉分かるなー。この「普通」は使う人次第だから、同じことにこの両方が言われたりするんだよな。
②本木巧「玉城徹の歌」ケルビムの翼といづれ東洋の厚朴(ほほ)の広葉の風に鳴る音/ヒマハリの中で一ばん瘠せこけたのが嘘つきの舌を出す 玉城徹 今月は本木巧の選びと歌評。私には中々ハードルの高い玉城徹の歌。毎月読んで、だんだん好きな歌と出会えるようになってきた。
③書き出しの一行をまだ決められず銀のスプーンで圧す冬苺 里見佳保 評論かエッセイを書こうとしているのか。手紙か。何にしろ一行目は大切。人と会う時の第一印象のようなものだ。今、苺は年中あるが冬苺という言葉が美しい。苺を圧しながら自分の内の言葉を出そうとしている。
2021.1.28.~29.Twitterより編集再掲