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ほろ苦い甘さのチョコレートオレンジケーキと恋愛と小説と💕

甘いだけじゃない。
ほろ苦さと香りが、複雑に絡み合う。

舌に。
味に。
心に。

だから甘さの強いホワイトチョコは、あまり好きじゃない。
苦みが、甘さを際立たせる方がいい。

オレンジを使うお菓子が好き。
さわやかな香りに、皮の苦さが残る。

そんな組み合わせのケーキを焼いた。

チョコレートケーキに、スライスのオレンジをのせて。

焼き上がりはふくらんで

焼きたては、周りがカリッとして、中はシュワッとくちどけがいい。

チョコケーキと、オレンジはよく合う。
ちょっとビターで、香り高くて。

ああ、もっといっぱいオレンジを入れればよかった。
今度そうしてみよう。

翌日に食べると、全体がしっとりまとまっていた。

ほろ苦い、大人の味。

でも息子も、夫も気に入ってくれて。

バレンタインデーの第1弾にしておこう。


ほろ苦い、恋。

そんな恋愛小説が好きだった。

『マジソン郡の橋』を読んだ時。

これは誰にもいわないで、大切な作品としてとっておこう。

そう思ったのに。
あっという間にベストセラーになり、映画化もされて。

アメリカの田舎の町に住む主婦と、家族の留守中にたまたま訪れたカメラマンとの、たった4日間の恋。それを一生、心に秘める。
不倫と一言では片づけられない、魂の結びつき。

せつなくて、ほろ苦い、大人の恋。

そんなラブストーリーを思い出す。

私にも、ほろ苦い恋はあった。
片思い。
一歩、踏み出せない。
歯がゆさ。
枕を抱いて泣いた夜。



今は昔、だけれど。

オレンジチョコケーキは、そこまでビターではないけれど。



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