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金沢から温泉へと義父をしのびながら、おいしい旅へ
3年前の今ごろ。
金沢へ旅をした。
旅といっても、義父の十七回忌。
金沢は、夫が中学・高校を過ごし、実家が長らくあった町。
義父は近くの温泉街で、板前をしていた。
私が夫と結婚した年の秋、突然義父は病気で亡くなった。
優しくて、料理上手で、夫の自慢の義父だったのに・・・。
もう十七回忌。
夫は、義弟に発案した。
法要を営むよりも、板前として働いていた温泉街で美味しいものを食べよう、と。
「その方がお父さんは絶対に喜ぶよ」
「うん、いいな。そうだな」
まじめな義弟も、すぐに賛成してくれた。
11月、紅葉の始まるころ。
私たちは金沢に着いた。
初めての北陸新幹線。
ヘッダーの写真は金沢城公園。紅葉が始まりつつあった。
兼六園は、もう雪吊りをしていた。
雪の重みで松の枝が折れないようにする。
冬の風物詩でもある。
近くでは、「名物」金箔のソフトクリームが、あちこちに。
私たちは食べなかったけれど、修学旅行生か、制服の男子も女子も楽しそうに食べていて。(息子は「普通のソフトクリームでいい」と)
「どんな味?」って聞きたくなってしまった。
(だったら食べたらいいのにね)
そぞろ歩きのあと、義弟一家と合流して。
義父が働いていた山中温泉へと移動。
山中温泉は、開湯1300年の歴史を誇る温泉場。
お湯はたっぷりサラリとして、気持ちがいい。
そこで、夕飯に松葉ガニを!
ふだんは手が出ないのだけど、今回は「法事特別予算」で。
松葉ガニは毎年11月6日解禁。
カニ好きの夫、それを知っていて、旅の日を設定していたとは!
松葉ガニ、足が長くて、大迫力!
上品で、おいしい・・・
あっさりしているようで、味が深い。
ジュワリと味の濃い、汁が出て。
繊維に添って、口の中でハラハラとほどけていく・・・
でも、私と息子は食べ慣れなくて、無言になりがち。
石川はおいしい日本酒も多く、飲み比べを楽しんで。
翌朝は渓流沿いを歩く。
つり橋を渡ると・・・
おや、その奥に赤いかさが見えて、茶処が・・・
見えますか?
アップにしてみると。
急にソワソワして、めざして歩く私。
義妹は、私と違って賢くて落ち着いていて、しっかり者。
でも優しくて、ほほ笑みながらつきあってくれる。
運よく席が空いて、6人で座ってお茶とお菓子を。
夫の実家にも、義弟一家にも、我が家にも、17年間に多くのことがあった。
楽しいことも多かったけれど、悲しいことも、つらいことも、たくさんあって。
その方が多かったかも、しれない。
だからこそ、温泉につかり、川を見ながらのひと時が貴重だった。
紅葉はまだ始まったばかりだったけれど、深まる秋の気配を感じて。
金沢で義弟一家と分かれ、私たちは近江町市場へ。
前は小さなお店の多く並ぶ「ザ・市場」だったけれど、整備されて大きな施設になっている。
前の方が風情はあったけれど、歩くとやはりワクワクして、あれこれ買いたくなってしまう。
買い物は元地元民の夫に任せて、クール便で送る。
最後にご飯を食べて。
白エビのかき揚げ。
サクサクして、淡泊だけどホロリと甘い。
これは日本海の味。
海鮮丼は最後の贅沢。
あら、小さな金箔が。
やはり、お刺身は日本海の荒波を生き抜いたものが、プリッとしておいしい。
「悲しいことが多かった」と書きながら、どうしても脳天気になってしまう私の記事。
旅に思いを巡らせて。
また行こう。
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