見出し画像

お茶会でのお水屋のこと



今日はお茶会でのお水屋の話をしましょう。


水屋というのはお茶室に付属したお勝手で、つまり台所みたいなものです。お茶会の時はさながらお茶室が舞台で、水屋が楽屋、という感じでしょうか。


お点前やお運びをする人は着物ですが、水屋には水屋専門のお手伝いの方もおられ、その方達は基本的には表(お茶席)には出ませんから洋服でエプロン姿です。ガスコンロに大きなヤカンが載せられ、その周囲にはお茶碗がずらり。茶杓で次々とお茶が入り、あとはお湯を待つばかり。


お点前が始まって、お席の進み具合を見ながら合図をもらって、水屋も動く。絶妙のタイミングを見ながら、みんなでお席を支える、という感じでしょうか。


襖1枚を隔てて、表と裏。お席ではピンとはりつめたような空気感でお釜からお湯が煮える音が聞こえ、亭主の動きをみんながじーっと見ている(ように感じるのです)、まさに舞台。一方の水屋はお席に合わせてお茶の準備をしつつも、少しホッとする空気感もあったり。


お席に入っておられるお客さんのうち何名がお続き(二服目)をお受けになるかわからないので、お茶は毎回お席入りされている人数より多めに用意されます。お続きを全員が受ける、ということはまずないので、そうすると余ります。そのお茶はお席から水屋に戻ってきて、水屋にいる人でお干菓子と頂いたりすることもあります。


お茶会は緊張もしますし、着物を着て立ったり座ったりしているうちに汗もかきます。喉も乾いてきて、だんだんと口が違うものを欲しくなってくる……というわけで水屋には烏龍茶や、緑茶、ジュースのペットボトル、そしてゼリーやプリンといったお菓子がいっぱい。そしてお昼は笹で巻いたお寿司。これはひとり分のお寿司がまとめられているので、数を読み間違えてうっかり人の分まで食べてしまうような心配はありません。また笹でひとつずつ巻いてあり、ひとくちで食べられる上に手も汚しません。食べている途中でお手伝いに戻らなければならなくなった時にもキレイにやめられるので、先生がお釜を掛けられた時のお昼はいつも笹で巻いたお寿司でした。


あちこちのお水屋を経験したわけではないのでなんとも言えませんが、ワタシが習った先生はお手伝いに来た人がお腹を空かせていたり、喉が渇いていたり、そんなことがあってはならないと仰って、飲むものや食べるものはいつもしっかりと用意してくださっていました。普段とは違って着物ですし、緊張してお茶席に出たり入ったり……。でも小腹が空いたまんま、とか喉カラカラで我慢……なんてことは一度もありませんでした。改めて先生のお心配りに感謝です。



今日もお読みくださりありがとうございました。スキやフォローが励みになります❗️



☆見出しの写真は、みんなのフォトギャラリーからお借りしました。
seashanty さん、ありがとうございます!







最後まで読んでいただきありがとうございます。 よかったらまた遊びに来てくださいね。 スキやフォローしていただけたらとても嬉しいです。 頂いたサポートで良い記事を書いていきたいと思っています。 どうぞよろしくお願いします。