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【第7夜】私の好きな本について『熱帯』

みなさま、こんばんは。千夜(ちよ)と申します。

今回は、私の好きな本について書いていきます。

森見登美彦『熱帯』。

本屋さんで見かけた時、一番最初に惹かれたのは表紙でした。本を広げて島に見立て、片方のページが破り取られて海のようになっており、本の島にはヤシの木が生えています。そして波打ち際にぼーっと座っている人物。この表紙の、「本を島に見立てる」という空想に惹かれて文庫を購入しました。
内容も素晴らしく、物語がふとした瞬間に現実世界に流れ着いているような気がしたものです。この世界のどこかから『熱帯』に覗かれているような不思議な気持ちになり、一度読んだだけでは上手く咀嚼できず、毎日持ち歩いて何度も何度も読み返しました。
今でも全く咀嚼できていないように感じます。私はこれからも何回も読み返して、咀嚼しようと試みると思います。
しかし、それは出来ないことなのではないかという予感もあります。
私は、『熱帯』を咀嚼できるのか否か。
それは「熱帯のみぞ知る」というところでしょうか。

私たちは、何かを読む時、それを自分なりに解釈し、咀嚼します。すぐに咀嚼できるものは負荷が掛かりにくいので、とても読みやすいです。でも、たまには自分には理解不能な、何年かかっても咀嚼できない本を読んでみるのも一興だと思います。


『熱帯』の世界でお待ちしております。



今夜も私の記事にあなたの時間を使っていただきありがとうございました。

またお会いしましょう。