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[曲から一句] 冬っぽいアニメのテーマ曲から短歌

「アニメで短歌」というのをちょいちょいやってたんですが、最近詠んでなかったので、せかっくなので、「曲から一句」と合体させてやりたいと思います。

これまで紹介したのと被ってますけど、気にせずに…。
冬っぽいアニメのテーマ曲で短歌いきます。


◎テレパス

by ヨルシカ

『大雪海のカイナ』のオープニング曲です。

大気圏ギリギリまでにそびえる巨木の上の天膜で暮らすカイナが世界の真実を知って行くSFファンタジー。
超未来のナウシカっぽい世界観に、寒々とした雪原のような風景が広がります。
登場人物たちが北極圏の人々のような衣装を身に着けていて、凍てついた人類の行く末を象徴しているかのようです。

そんな物語のテーマ曲『テレパス』が神曲すぎます。

どう言えばいいんだろうか
例えば雪化粧みたいな
そう白く降ってるんだ
寂しさ? それを言いたかったのね

ここで一首。

寂しさにヒタヒタ雪の海の果て
辿りつけるか人類の希望



◎Oratio Nocturna

by 豊田まり

『ヴァンパイア・イン・ザ・ガーデン』のテーマ曲です。

ヴァンパイアの出現よって人類が衰退した世界。
全体的にロシアを思わせる寒々とした冬の物語です。

ヴァンパイアたちが音楽を好み寄って来ることから、人間は音楽をはじめとした娯楽を一切封印して労働と戦闘以外の生き方を知らない中で生きている。

こんな世界に違和感を覚え、人間の社会から飛び出した女の子と、ヴァンパイアらしく生きることに抵抗を感じているヴァンパイアの女王が出会い、共に生きることのできる世界を目指すお話です。
全体的に救いようがなく、寂しい。

この歌は、そんな中で、かつての人間が作った曲として登場します。主人公の人間の女の子がこの曲に魅せらるんですね。
歌詞の内容がわからないんだけど、こんな背景を踏まえて…。

ここで一首。

はみだしたあなたとわたしただふたり
雪の足跡いずこへ参る?



◎ありふれたいつか

by Chima

『月とライカと吸血姫』のエンディング曲です。

物語の舞台は架空の世界なんだけど、何となく冷戦時代のソ連を思わせる共和国です。
冬の風景がたくさん出てきます。

宇宙開発で大国がしのぎを削り、人類初の宇宙飛行士となるべく訓練を受けている候補生のレフ君が主人公。

そんなある日、レフ君は、とある秘密の任務を命じられるのだった。
無重力が人体にどのような影響を与えるのか、有人飛行の前に行う実験…人ではなく吸血鬼を宇宙飛行士にする任務だった…。

こうして、レフ君は吸血種族の女の子イリナに出会い、彼女と二人三脚で宇宙を目指すことになる。

最初は人間なんて大嫌いと言っていたイリナだったけど、レフ君の真っ直ぐな性格に感化されて彼を信頼していくようになっていく。

このエンディングの映像は、ずっとバイクで走る二人の後姿なんだけど、そんな二人の心の変化が顔の向きだけ表現されて、物語を見た後に見ると、かなりぐはぁ…ってなるんだよね。

見上げてた星の輪郭
誰かが決めた世界じゃない
もっと色とりどりが溢れてくるから
この空で君を見つけた
なぜかそっと今日が愛おしくなる
君と笑ってたいな

ここで一首。

透き通る冬の星座に溢れてく
君が示した宇宙そらへの道筋



◎Beyond Selves

by Void_Chords feat.L

『RWBY 氷雪帝国』のオープニング曲です。

正体不明な怪物の脅威にさらされた世界。
怪物と戦うために戦士育成の学校に入学した主人公のルビー。

そこで出会った仲間の一人ワイスが夢に憑りつく怪物に攻撃を受け昏睡状態になってしまう。
彼女を救うためにルビーたちのチームはワイスの夢の中に入り、怪物との闘いに挑む…。

ワイスの夢の中が、独裁国家を思わせる雪に閉ざされた世界で、それで氷雪帝国なんですね。
映像が美しいアニメです。

ワイスの夢の世界にぴったりなクールな曲です。

Just close your eyes
目を閉じるとそこにある世界

Vision predetermined
頭の中にこびりついている固定観念

And blinded
何も見えない

World of ivory, follow the tracks, dimensions
白く広がる景色、レールに導かれるように奥の次元に迷い込む

Misread again
行き違う心

Find truth within, let's go on
この奥にさらなる核心があるから いこう

ここで一首。

閉ざされた氷の城壁溶かすのは
誰かではなくあなた自身だ



◎リナリア

by Nowlu

『氷属性男子とクールな同僚女子』のエンディング曲です。

新社会人となった冬月さんと、同僚となった雪女の末裔の氷室くんのほのぼのラブコメ。
冬月さん大好きな氷室くんなんだけど、感情が高ぶると屋内でも吹雪いてしまったり、感情が表に出にくい冬月さんの以外な一面が可愛かったりするお話です。

そんな二人にぴったりな曲です。

ふと気づけばまた視線は
追いかけてしまう君の姿
嫌なことあっても心は
雨上がりの空のように

ここで一首。

いつからか目で追うほどに焚き付ける
溢れる想いは吹雪のように



曲と物語の両方を踏まえて詠むのは難しいですね。
よろしくお願いします。

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