見出し画像

「メランポジウム」 下

1分小説
この物語は2章構成になっています!


第2章:花言葉が結ぶ心


秋も乗り越え、メランポジウムの花が終わりに近づいていた。

ある夕方、慎吾がいつものように店に来た。 しかし、今日は和菓子を買うのではなく、小さな鉢を手にしていた。

「これ、君に」

と、慎吾が差し出したのは、まだ咲き始めたばかりのメランポジウムだった。

「どうですか?」

と瑠璃が試してみると、慎吾は少し頑張って笑った。

「君がいつも花の世話をしてるのを見て、なんだか僕も育ててみたくなったんだ。でも、君ほど上手くできないから、この花がまた咲くまで、君に託して思って」

瑠璃はその言葉に胸がいっぱいになった。彼女が日々心を込めて行っていた「小さな親切」が、慎吾の心に届いていたことを感じた。

「ありがとう、大切に育てます」

と瑠璃は静かに応えました。

店先のメランポジウムはまだ風に揺れ、小さな黄色い花を咲かせ続けていた。 それは、まるで二人の新しい関係が小さな芽を出し始めたかのようだった。




おわり



Kindle unlimitedで無料で読めます

よろつよ



いいなと思ったら応援しよう!

よろつよ
よろしければ応援お願いします! いただいたチップはクリエイターとしての活動費に使わせていただきます!