【創作】とある夜の話(女性side)
彼の本当の気持ちを知ったあの夜、
私も勇気を出して彼に自分の想いを伝えた。
何年も前からずっと心に封じ込めてきた彼への想い。
まさか本人に言える日が来るとは思わなかった。
しばしの沈黙の後。
彼は暗がりの中でもはっきりわかるほど目を見開き、
信じられない……といった表情でこちらを見た。
◇
やがてその唇がわずかに動き、
「もう一度言って」という言葉が聞こえた。
どこかおびえたような彼の瞳。
その瞳を見つめてもう一度言う。
「私もあなたが好き」
思いがけず大きな声になった自分が恥ずかしくなり、
思わず目を伏せてうつむいてしまった。
◇
ふと気づくと、すぐ目の前に彼がいた。
彼は無言で私の腕を取る。
次の瞬間、私は彼の腕の中にいた。
……その後のことは全く覚えていない。
(fin)
9月12日に書いたこちらの創作↓を女性sideから書いたものです。
私自身はもはや孫がいてもおかしくない年齢ですが、せめて気持ちだけでも若くありたいと思って書いてみました。
noteには創作小説も数多く掲載されています。それを読んで刺激を受けました。
……お粗末さまです。
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