茅原実里さんの例で考える~ライブやコンサートにおけるチケット販売は、一律価格制か、エリア別変動価格制か
茅原実里さんのアコースティックライブ「Sing a Song」を前に、何だか最近ホットな話題になりつつある(ような気がする)「チケット販売は一律価格制が良いか、それともエリア別変動価格制が良いか」という問題について考えてみたいと思います。
ライブやコンサートにおける価格設定の種類
普段アーティストのライブなどを聴きに行ったりする習慣のない方にはあまりピンと来ないかも知れませんが、この類のイベントはアーティストや興行の方針によって価格設定のされ方が異なります。
① 一律価格制
会場のどの席に座っても同一価格。分かりやすいっすね。どの席になるかは多くの場合ランダム(だと思う…購入者が指定可能なケースあるかな?)。公平感はありますがギャンブル性も高いですね。昔はほとんどこの方式だったとか。
② 変動価格制
会場の席の位置などによって異なる価格を設定する方式。アーティストを近くで観れる最前列は高額で、3階とかの遠いところは安い価格になるなど。「ダイナミック・プライシング」なんて呼ぶこともあります。
③ アップグレード制
一度チケットを購入した後に追加料金を支払うことで席や特典などをアップグレードできるという方式。
この他にもあると思いますが、おおむねこんなところじゃないでしょうか。中には「ライブ価格は客が決める」みたいな方式を採用したケースもあるみたいですが、あまりにも例外過ぎるので今回は置いときます。
2024年以降の茅原実里さんライブはエリア別変動価格制を採用
私のイチ推しアーティストである茅原実里さんの例で言うと、2021年に歌手活動を休止するまでに行なわれたライブは基本的に一律価格制だったみたいです(すべてそうだったかは分かりませんが、いくつか確認したところほぼそうだった模様です)。
茅原実里さんは2023年に歌手活動を再開し、翌年に自らのホームとも言える河口湖ステラシアターにて20周年記念ライブ「Historical Parade」を実施するのですが、このときからエリア別変動価格制が採用されています。
そして2024年末の直近に開催される茅原実里さんのアコースティックライブ「Sing a Song」。河口湖円形ホールにて12月20日~22日に開催。チケットは既に完売。席が限られているためか、落選された方も多かったとのこと。
翌年2月28日に東京・渋谷で開催される茅原実里さんのライブ「Message」。ただいまオフィシャル先行2次受付中(来年1月6日まで)。
ところでここまで読んで、「茅原実里さんってどんな方だろう?」って興味を持たれた方、よろしければ「Historical Parade」について書いた私の手記をご覧ください。彼女の歩んだ道のり、そして茅原実里さんの歌手活動における聖地とされる河口湖周辺、ライブ会場の様子などについてなるべく詳細を記したドキュメントです。
茅原実里さん、チケットについてかく語りき
このエリア別変動価格制の導入にあたっては賛否両論の声があったらしく、茅原実里さんご本人もその受け止められ方について気にされたのか、以下のような動画をアップし、チケットのことについて自ら語っています。
このYouTube放送はとても分かりやすくこの問題について語っているので、以下引用します。気になったらぜひ声優でもある茅原実里さんの美声を再生して聞いてみてください!!
茅原実里さんはこれらを「賛成側も、否定側も、たくさんある意見のうちの一部なので」と前置きしたうえで、賛否分かれることをある程度予測しつつもエリア別変動価格制に踏み切った理由を大きく3つ述べられました。ここは長くなるので要約します。
これらのことを述べられたうえで、茅原実里さんはこうまとめています。
これは「Historical Parade」の前に公開された動画ですが、つい先日、12月14日にもXのスペースにて同様のテーマについて語っています。
語られた内容(エリア別変動価格制にした理由)についてはYouTubeとほぼ同様と思いますが、「Historical Parade」を経たためか、あのときよりはソフトな口調で語られているように感じました。
この発言には実際にエリア別変動価格制を実行したうえで、ステージ上から見た実感がこもっていると思われたので、ちょっと長いのですが引用させていただきました。この後はオフィシャル先行の抽選における当落を巡る話について述べられているのですが、本稿においては割愛します。
それにしても、アーティストご本人がここまでビジネス面について赤裸々に発言されること、それ自体が凄いことだと私は思っています。普通こういう話はアーティストの所属事務所が考えることであり、なかなか観客側が耳にすることのない類の言説ではありませんか。彼女が現在フリーであり、事務所に忖度する必要のない立場だからこそできるカミングアウトであると思いますが、それだけに発言に責任も伴いますし、その言葉に並々ならぬ情熱も乗っています。ここまで真剣に考えて考えて、考え抜いたうえで、決めた道を貫くと自らの肉声で宣言する、そんなアーティストだからこそ応援したくなるのですよ。茅原実里さんていう人は!!
私はホントのところ、このことについてどう思っているか
私だったらチケットどっちの制度がいいのかについて。極めて個人的な事情で発言しますけれども、私自身は「エリア別変動価格制」一択です。ただその理由が、おそらく他の方とは異なっていると思います。
実は私「そもそもあまり前の席に行きたくない」んです。
なので、一律価格制で最前列とかになっちゃうくらいなら、むしろあえて多少後ろ目になるA席ら辺に納まりたい類の人間なのです。
いまでこそ多少は慣れましたが、それでも私にとってライブってとても緊張するイベントです。
特に茅原実里さんくらい長いこと歌手活動やっていると、例えば「この歌のときはここでこのコール!」とか「このフレーズが鳴ったらこの振り!」とか「ここでジャンプ!!」とかのお約束がいろいろあったりします(それも歌ごとに違ったりするのです…)。
このため、ファンに成りたての頃はまさか自分がライブに行けるようになるなんて想像もできなかったし、ライブ映像を見るにつけ「私があの中に入ってみんなと同じようにするなんて無理無理無理、ムリムリのムリっ!!」て思ってました。それでもSNSなどで皆様に優しく誘ってもらい、何とか人生で初めて歌手のライブなるものに参加することができたのです。
さすがに茅原実里さんファンになって4年以上経つので、当時よりはライブの立ち振る舞いに慣れたと思いますが、それでもやはり往年のファン皆様と同じ勢いでついていけるかっていうと、まだ自信ないのですよね…。
なので私は金額的よりも精神的な問題で、S席より後ろになるA席を意図的に選んでいる感じです。うん、私にはやっぱりそのあたりがちょうどいい。それより前になると、自分にそんな資格があるのかって自問自答してしまうと思います。多分に考え過ぎかもしれませんが。
(なのでこないだのHistorical ParadeでA席なのに前から5列目だったときはビビリました💦)
ただ、否定派の言い分も分からないことはありません。席をランダムにされるのは勘弁してほしいところですが、確かに価格差の問題っていうのはあるかと思います。
思うにこの問題が何かと議論されるのは、エリア毎に価格が違うためじゃなくて、最上位のSS席の価格だけそれ以下の価格から外れ過ぎているためではなかろうかと…。とはいえ、現時点での結果を見ればそのSS席が飛ぶように売れているので、あえて資本主義的な物言いをすれば、そこの需要と供給が釣り合うことが証明されてしまった以上、おそらくSS席についてはこの路線でしばらく行くんだろうなぁと思います。何と言うか、SS席は単に最前というだけではなく「推し活におけるひとつの到達点」みたいな意味合いを持っているんじゃないかと。傍観者的な物言いで申し訳ないですが、そんな風に捉えている次第です。
この問題をどう捉えるかはそれこそ人によって異なると思います。
茅原実里さんはご自身の考えと経験からひとつの結論を出されました。
読者の皆様はどうですか?
ライブに行くことなんてないという方も、考えてみると面白いかもです。
そんなこんなで…
直近の茅原実里さんライブのご紹介!!
▼茅原実里さんの歌と大嵜慶子さんのピアノによるアコースティックライブ「Sing a Song」。河口湖円形ホールにて12月20日~22日に開催。チケットは既にSold outです!!私は12月22日(日)に行きます!!
▼売り切れの神あれば拾える女神あり。茅原実里さんのライブ「Message」が2月28日(金)に今度は東京・渋谷にて開催。活動20周年の集大成となりそうな予感。来年1月6日までオフィシャル先行2次受付中ですっ!!
茅原実里さんについてご存知なかった方も、興味があれば公式ページや私のマガジンなど見てみてください。最近新しいファンの方増えてます!!そして本人に会いたくなったら2月28日(金)のライブを先行予約!!茅原実里さんのファンはみんなとても優しいので、初めてアーティストのライブに行くという方でも安心です!!
(了)