茅原実里さんのバースデー生配信で感じたアーティストとファンにおける双方向コミュニケーションの可能性について
いやぁ、今日はいい誕生日だったなぁ…。私の?いえいえ!今日11月18日は声優やYouTubeなどで活躍されている茅原実里さんの誕生日なのです。
バースデーカウントダウン生配信
そんなこんなで!前日の11月17日、23時からYouTubeライブによるバースデーカウントダウン生配信が行なわれたのでした。
集まった人数はおよそ800人over!滝のように押し寄せるコメント!飛び交うスパチャ!夜更けを過ぎてもとどまることを知らずテンション上げていく茅原実里!
何度も何度も「ありがとう~!」と呼びかける茅原実里さん。「私は宇宙一の幸せ者」なんて言葉も飛び出しました。
いやいや、こうして一緒にお祝いできる私たちも幸せ者です。応援している方の誕生日をみんなでお祝いして共に幸せになれる世界って最高ですよね。
茅原実里さんのこれまでとこれから
さて、たまたまこのページを見て「この人いったい誰よ?」という方もおられることでしょう。なのでまずはこの方、茅原実里さんについてカンタンにお話し、そこから表題のテーマにつなげていきたいと思います。
茅原実里さんは2004年に歌手、そして声優としてデビューしました。その後一時は歌手活動が事実上休止状態となるも2006年にアニメ「涼宮ハルヒの憂鬱」で長門有希役に選ばれ、2007年にはランティスで歌手活動を再開し、以後は歌手・声優として目覚ましい活躍をされました。特に歌手活動では日本武道館でのライブを二度成功させたほか、山梨県の河口湖ステラシアターにおけるサマーライブを13年間に渡って続けた実績があります。
そんな茅原実里さんですが、2021年をもって歌手活動を休止。さらに2022年3月をもって所属していたホリプロ・インターナショナルを退所してフリーとなります。どうするどうなる?今後の活動は?と全国のファンがヤキモキして迎えた4月1日、このような動画が突然YouTubeにアップされたのです。
4月1日なのに「本当のことをお話しします」とはこれいかに!?ともあれ、この日より茅原実里公式YouTube「ミノリズム」が始まり、以後彼女の活動状況や日常の様子、心にうつりゆくよしなしごとなどはこの放送を通じて拡散されていくことになっていきました。
しかし茅原実里さんは単なるユーチューバーになりたかったわけではありません。この「ミノリズム」の真の目的は、今年の年末、12月23日~25日に茅原実里プロデュースにて行なわれる一人芝居、その名も「メリーの不思議な夢」を成功させるための布石だったのです。
2004年からアーティストとして活動してきた彼女が、それまでに培ってきたすべての能力~歌手、声優、演者etc~を注ぎ込んで送る茅原実里の集大成的なエンターテイメント。それがあと1ヶ月ちょっとというところに迫っているタイミングでのバースデー生配信でした。それは単にお誕生日を祝うというだけではなく、茅原実里さんの今後についてファンを含めたみんながご本人と共に語り合う場でもあったのです。
今後のYouTubeの配信は?
さてそこで問題になるのが「メリーの不思議な夢」が終わったあと「ミノリズム」はどうするの?って話。歌手活動をされていないいま、このYouTube放送がファンのリズムになっているのは事実なんですよね。
これについては「ミノリズムは終わりません!メリーが終わっても続けていきますよ!」とご本人が言ってくださったのでひと安心。とは言え、仕事が立て込んだときのフルテロップでの週2回配信はやっぱり負担という本音もあったりして…。
これに対し、リアルタイムでコメントが寄せられるわけですよ。
アーティストとファンにおける双方向コミュニケーションの可能性
いや、もう見てもらったまんまのことをひとことでまとめるとこのタイトルになるのですけれども。
こういうことだと思うのですよ。
フリーランスになり、ほとんどいろんなことをほぼひとりで決めて実行していくその生き様は確かに尊敬に値するものがあります。
でも、それって絶対にいずれ、行き詰まるときが来ます。
今回の茅原実里さんのケースで言えば、そのタイミングは「メリーの不思議な夢」の準備が佳境に入り、週2の動画配信というのがスケジュール的にタイトになってきたことでありました。
なので、11月中旬~メリー公演までの間YouTube動画配信をお休みするというのは普通に正しい判断だったと思います。メリーを成功させるために始めたYouTube配信ですから、それが足を引っ張ることになっては本末転倒というもの。演者としてその判断は当然ではありませんか。
でも、じゃあその先、どんな方針で続けていくの?
そこは見直しが必要なところで、いまYouTubeを休止しているこのタイミングがまさにその絶好のチャンスだと思うんですよね。
自らが決めた方針について「本当にこのままでいいのかな?」と思うこともあるでしょう。事務所の方針でやっていたり、誰かしら仲間とやっていれば迷うことも少ないでしょうが、ひとりで決めていたらどうしたって不安が付きまといます。ほらよく言うでしょ、「トップは孤独」って。フリーランスもまた然りではと思います。
そんなとき、応援しているファンの声を集めることってとても有用ではないかと思うのですよ。受け取り手がどう考えているのかがおぼろげにでも見えてくれば自信をもって次の一手を決められるでしょうし、ファンにしてみれば「自分たちの声を聞いてくれた」っていう感謝にもつながります。Win-Winとはまさにこのことではありませんか。
話は変わりますが、茅原実里さんの音楽プロデューサーだった斎藤滋さんはご自身が行なったプロジェクトである「音楽熱想フェス」で、voicy生放送にリスナーを招待し、そこでテーマ曲についての方向性を決める会議生放送を行なったりしました。
お客である立場の者を巻き込んでクリエーティブを完成させるという手法には賛否あるでしょうが、巻き込まれた側としては悪い気がしないんですね。むしろ作品の一部になれた気がして嬉しかったりするというか。あれは斎藤さんが人を乗せるの上手すぎるっていうのもあるんですけれども。
そう考えると、茅原実里さんの「ミノリズム」における生配信、このような特別なイベントでやるのも良いですが、なにかご本人がどっちにするか迷っているようなとき、ファンみんなの意見を聞き、ディスカッションするような目的でやるのもいいんじゃないかなぁなんて思ったりもしました。むしろそれがこれからのアーティストとファンの新しい関係性の在り方になっていくんじゃないかなぁなんて…ちょっと飛躍し過ぎですかね?
私の武器は「こんなに味方がいる」っていうこと
最後に、今回のバースデー生配信で私が最も感動した茅原実里さんの一節を引用して、本稿を締めたいと思います。
武器、という言い方は物々しくもありますが、言うなれば自らが頼りにする存在というニュアンスで用いておられると思います。
そんな風に言ってもらえたら、嬉しくないわけがないじゃないですか。
そんな「味方」の1人でいられることをファンとして誇らしく思うとともに、今後も茅原実里さんのなんらかの意思決定の際には是非「武器」として存分に活用してほしいなと、そんな気持ちになりました。
(了)
茅原実里さん関連のnoteいくつか
<記事紹介>SPICEによる独占インタビュー
茅原実里さんの近況について語られている記事を紹介します。SPICE編集部の加東岳史さんにより丁寧に聞き取られ、まとめられた良記事です!
「いざフリーになって、今の環境・心境はどうですか」「今凄くフリーだなぁって感じますね(笑)」って、そりゃそやろ…。いやぁ、みのりんだわこのやりとり。