茅原実里さんの一人芝居「メリーの不思議な夢」のご紹介(ネタバレ無し)
声優・アーティストとして活躍中の茅原実里さんがプロデュースし、2022年12月23日~25日に山梨県の河口湖円形ホールで実演した一人芝居「メリーの不思議な夢」についてご紹介します。
読んでから観るか、観てから読むか
「こんな記事読むより、とにかくいますぐ観てみたい」という方はこちら。なんと12月30日より公開されているのです。毎度あり~!(←無償)。
これは幾重もの謎に包まれた一人芝居
「メリーの不思議な夢」は不思議なお話です。夢の中で現実を見ているようであり、その現実が夢の中の出来事でもあるような。不思議なのはお話だけでなく、そこにたどり着くまでの過程すべてに及んでいます。まるで真実を深い眠りが覆い隠さんとしているかのようです。
どんなお話なのかさっぱり見当がつかない?そりゃそうでしょう。私だって実際に観るまで、まさかそんなお話だったなんて想像にすら及んでおりませんでしたもの。
だいたい開示されている情報が謎に包まれ過ぎています。
これに加えて、今回の演者であり企画者でもある茅原実里さんの意気込みがこう続きます。
茅原実里さんにしか創れないってどういうこと?
そして一人芝居ってどんな風にするの?
富士河口湖町は夢の中にどう絡んでくるの?
なぜ河口湖円形ホールでやることに意味があるの?
さらにこのキービジュアル。
富士山を対岸に挟んだ河口湖のほとりにある、とても場違いなソファーとそこに座っている白い服の女性。
貴方は誰?
どこから来たの?
そしてそこはどこ?
誰かしらの夢の中?
まだ見てもいないうちから、様々なクエスチョンが頭の中をぐるぐると駆け回ります。
さらに開演の少し前から我々の前に見え隠れする謎の人物(後述)。貴方はいったい誰なの?実在する方?知り合い?夢の中における架空の存在?
このように「メリーの不思議な夢」ならびにその公演を巡る状況は幾重もの謎に包まれています。実際に公演を観れば、その謎に踏み込むことができるのでしょうか。
茅原実里さんいわく「あるだけぜんぶ詰め込んだ一人芝居」とのこと。これがいったいどのようなものなのか?ちょっとでも気になったそこの貴方、「メリーの不思議な夢」ぜひ下記リンクより見届けてくださいませ!!
さて、ここからは本公演の企画者であり演者でもある茅原実里さんが「どのようにしてそこに行き付いたのか」について深掘りしていくことにいたしましょう。
茅原実里さんによる「新しいエンタメ」
茅原実里さんは声優・歌手として名を馳せたアーティストでありました。毎年夏に河口湖ステラシアターで行なわれていたライブは、それはそれは多くのファンを集め、街をあげての応援を受けて、河口湖における夏の風物詩と言わんばかりに盛り上がっていたと伝えられています。
そんな彼女が昨年末をもって歌手活動を休止、さらに今年の3月末には所属していたホリプロインターナショナルを退所してしまいます。どうするどうなるという気持ちで迎えた翌日の4月1日に彼女はなんと自らプロデュースする公式YouTube「ミノリズム」の立ち上げを発表します。
その翌日の4月2日に同チャンネルにて早くも「12月23日~25日に河口湖円形ホールで新しいことに挑戦します!」という主旨の発言を行ないました。
この時点では一人芝居とかは(たぶん)決まっておらず、ただ「茅原実里はこんなエンタメをお届けできるよっていうものをお見せしたい」と言うのみに留まっております。
この後の茅原実里さんはなんと週2という驚きのハイペースでご自身の日常や楽屋ネタ、お出かけ風景など様々な動画を公式YouTubeチャンネルにあげていくこととなりました。ファンの誰もがその動画を楽しみにしつつ、いったいエンタメはどうなったんだろうと心の片隅に思う日々…。
茅原実里さんがこの新しいエンタメについて、その輪郭とおぼしきプロローグを公開したのは実に8月5日。
例年ならば河口湖に集結している頃合いでした。
「メリーの不思議な夢」というこの不思議な動画の尺はなんとわずか33秒。倉庫の奥から引きずり出してきたホコリまみれのフイルムをそのまま映写機にて再生したような古い映画っぽい画面の中に映る富士山と河口湖。そこに唐突に置かれたソファーの上にもたれるように座る茅原実里さん。
この謎らけのメッセージは、しばしの間ファン界隈を騒然とさせました。
メリーってどこの誰よ?
しかしこれが「新しいエンタメ」に繋がる何かであろうことはもはや疑いようがありませんでした。
↓↓茅原実里さんによる新しいエンタメはこちら↓↓
そして2日後の8月7日、その全貌(の入口)がついに明らかに!!
一人芝居~茅原実里さんの新たな挑戦
「みんなへ」というタイトルが付けられたこの動画の公開によって、初めて茅原実里さんが河口湖円形ホールでやりたいエンタメの形が明らかになったのでした。要約すると、
といったようなことが、この動画にてまとめて公開されたのでした。
(何と言うかこの人、気の持たせ方が上手いんですよね。思わせぶりな発表でファンの心を振り回すだけ振り回し、最後にきっちり伏線回収させるこの情報発信の手練手管。フリーになってより磨きがかかったように感じるのは私の気のせいでしょうか?)
それとともに「メリーの不思議な夢」の案内Webページが整備され、期待はますます高まっていきます。
なにせキャッチコピーに書かれた文言がこれですよ?
茅原実里さんにしか創れないエンタメってどんなエンタメよ?
富士河口湖町はこの物語にどう関わってくるの?
そしてメリーとはいったい何者か?
どうですか皆様。茅原実里さんをご存じなくとも、この不思議な一人芝居に興味が出てきたのではないでしょうか。気になったときが吉日。よろしければぜひ夢の扉を開いてみては。
突如現れた謎の人物「yamasan.35」とは…?
そしてこの情報が公開されてからもしばらくの間「ミノリズム」は続いていたのですが、11月4日の動画にて一人芝居の稽古に集中するため動画公開をしばらくの間控える旨がアナウンスされました(まぁそりゃそうだ)。
かくして彼女のお誕生日(11月18日)に行なわれた生配信以降、しばらく茅原実里さんとはご無沙汰することになる…と思ったのですが…。
静寂が破られたのは12月12日のことでした。
茅原実里さんの公式twitterに次のような内容がアップされたのです。
メッセージは特になし。あるのはインスタグラムへのリンクのみです。
と思いつつ、リンク先に飛んでみると…
Yamasan.35?
見慣れない方のようですが…。
これ、誰よ?
みのりん(茅原実里さんの愛称)寝ぼけて仕事仲間か誰かのインスタをアップしたりしてないですか?
と思いつつ文面をよく読んで見ると河口湖のことが書いてあるっぽい。
そしてその文面は小説のようでもあり、誰かの独白でもあるようで…。
再び騒然とするファン大勢。
飛び交う憶測。
宙を舞う推理。
結局このヤマさん(Yamasan.35)という謎の人物絡みのtwitter(LINEで友達登録している方にはそちらにも公開)は12月13日~公演日直前の12月22日まで毎日アップされ続けたのでした。共通点はいずれも河口湖周辺について書かれているらしいということ。ここまで来たら「メリーの不思議な夢」関係と考えるのが自然です。だけど何でこんな遠回しなアプローチを…。
ちょっと脱線になるかもしれませんが、ヤマさんについて少し掘り下げてみることにしましょう。
ヤマさんが河口浅間神社について書かれた文面を読む限りでは、ヤマさんはどうも女性であるらしいことが分かります。
そしてヤマさんはご自身の文章でいくつか飲食店を紹介しているのですが、その中に「オルソンさんのいちご」というお店があるのです。
ここは茅原実里さんにもその関係者にも、河口湖を訪れたファンの方々にも愛されているお店。その名の通りいちごのデザートに強いお店ですが、ヤマさんの文章では和牛ハンバーグステーキについて語られています。
茅原実里さんはここを訪れた証を残しています。
ということは、やはりヤマさんの正体は…!?
いや、まだ結論を出すのは早計に過ぎるというものです。
ヤマさんとは何者なのか?
そしてメリーとは一体?
このように「メリーの不思議な夢」は謎めいた不思議な物語。
不思議な夢の中に隠された真実を、見届けてみたくはありませんか…?
富士河口湖町にてみのりん巡り~そして河口湖円形ホールへ(続く)
ここはやはり、現地に行ってみなくてはなりますまい。
かくして、公演初日の12月23日、私ことchitoseArkは夢の真実を突き止めるべく、富士河口湖町に向かったのでありました。
(かくして後編…観劇レポートに続きます)
関連リンク
茅原実里さん公式サイトに掲載されたインタビュー。YouTubeを始める際の思いや本公演に対する意気込みが語られています。みのりん「謎解きのようなことは考えていません」って仰っていますが、スミマセン私めちゃめちゃそっち方面に寄った見方しちゃってました(💦)。
茅原実里さんの本音を引き出すことで定評のある(と思う)エンタメ特化型情報メディア、SPICEによる本公演についてのインタビュー記事。歌手活動休止から今回の一人芝居に至る過程が語られています。
かつて茅原実里さんの音楽プロデューサーだった斎藤滋さん(現材は株式会社ハートカンパニー代表取締役)による観劇レポート。イベントメイキング的な視点で考察されており着眼点が面白いです。
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