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雑誌探訪「ムー 2024年6月号」③

ムー 2024年6月号(No.523 第46巻第6号)ワン・パブリッシング


あなたの知らない「源氏物語」

日本でも最も有名なミステリーマガジン「ムー」で、源氏物語(げんじものがたり)の特集が組まれていました。

題して、「あなたの知らない『源氏物語』 雅な平安絵巻に隠された恐るべき呪術」。執筆はフリーライターの古川順弘(ふるかわ のぶひろ)さんです。

とても明瞭でわかりやすく、古典文学が共通してもっているミステリーとしての楽しみが伝わる記事だと感じました。

数回にわたって、その内容を紹介していきます。


第三の謎 なぜ「源氏」が主人公なのか

そもそもなぜ主人公を「光源氏(ひかるげんじ)」と呼ぶかということについて、詳しく説明しています。


「源氏物語」の本文中では、「源氏の中将(げんじのちゅうじょう)」や「内の大臣(うちのおとど)」というように、役職名で呼ばれます。これは、他の登場人物についても概ね同様です。

光源氏は帝(みかど)の子どもとして生まれます。帝の息子ですから、後の帝になる可能性があるわけです。

しかし、光源氏が勢力争いに巻き込まれることを案じた帝は、光源氏を臣下に降(くだ)します

結果的に、光源氏は勢力争いに巻き込まれていくわけですが、物語の冒頭では、そのように話が進むんですね。

この臣下に下ったもののことを「源氏」と言ったようなのです。だから、「光の君(ひかるのきみ)」「源氏」になったので、「光源氏」というわけです。


記事では、実際の歴史の中で「源氏」になった人々についても説明しています。

また、「源氏物語」の作者である「紫式部(むらさきしきぶ)」は、藤原氏に仕えました。

そして、その藤原氏は、ある意味では源氏の敵対勢力とも考えられます。

そんな中で、「源氏」を主人公としたことについて、不思議にも思えるわけです。

その点についても、記事では触れています。


当たり前のように使われる「光源氏」という人物名から、さまざまなことが読み取れるのですね。


「ムー」は電子版はkindle unlimitedでも読むことができます。


執筆者の古川さんは、「紫式部と源氏物語の謎55」という本も書いています。


執筆者:古原大樹/1984年山形県生まれ。山形大学教育学部、東京福祉大学心理学部を卒業。高校で国語教師を13年間務めた後、不登校専門塾や通信制高校、日本語学校、少年院などで働く。2024年に株式会社智秀館を設立。智秀館塾塾長。吉村ジョナサンの名前で作家・マルチアーティストとして文筆や表現活動を行う。古典を学ぶPodcast「吉村ジョナサンの高校古典講義」を公開中。学習書に『50分で読める高校古典文法』『10分で読める高校古典文法』『指導者のための小論文の教え方』がある。

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